UTAUエンジンの特徴まとめ

「UTAUエンジン」が何かわかってる人向けの記事です。わからん人は自分で頑張って調べて。ざっくり言うと変えると音が変わる。


注意事項

※筆者(翠澤しのん)の偏見を多分に含みます。反論・補足などは記事への感想欄にくださると助かります(筆者のあずかり知らぬところで言われても記事への反映はできません)

resampler

音のクリアさ:★☆☆☆☆
音高変化耐性:★★★☆☆
対応音源の幅広さ:★★★★★
調声の柔軟さ:★★★★☆

UTAUのデフォルトエンジン。独特のわかりやすいノイズがあり「こだわりがないならresamplerをやめろ」と言われることも。しかし「どんな原音でも(周波数表がぶっ壊れてない限りは)それなりの出音で再生する」というセーフティーネット的な心強さがあり、デフォルトエンジンとしての貫禄が感じられる(?)。Yフラグなど他エンジンには搭載されていないフラグもあり、UTAUユーザー互助会@ウィキの音のプロパティの項はこのエンジンの対応フラグが書かれているため、「なんかフラグが効かないと思ったらresamplerにしかなかった」という事態が発生したりするので注意が必要。
また、UTAUのバージョンによって付属するresamplerにも違いがあるらしく、resamplerのバージョン違いを使い分ける猛者もいるとか。
筆者はあんまり使わないのでそんなに詳しくない。

doppeltler

音のクリアさ:★★★☆☆
音高変化耐性:★★★☆☆
対応音源の幅広さ:★★★★☆
調声の柔軟さ:★★★☆☆

リメイク版resamplerとして作られたとか。
原音の細かなニュアンスは多少潰れるものの、幅広い音源を安定して出力できる心強いエンジン。「こだわりがないのでresamplerやめたい」という人に広くおススメできる。出音にサリサリした質感のノイズがうっすらと乗るが、パワーのある音源ならさして気にならず、逆に囁き系音源で使う場合は囁きのニュアンスを増幅する「味」として楽しんでいる人が多い印象。
また64bit版があるため、強いパソコンを使っている人は高速での生成ができるらしい。
https://twitter.com/ameyaP_/status/1233345865596588033

fresamp

音のクリアさ:★★★★☆
音高変化耐性:★★★☆☆
対応音源の幅広さ:★★☆☆☆
調声の柔軟さ:★★★☆☆

現在はfresamp11、fresamp14の2種が入手可能。ノイズもなく原音のニュアンス(特に母音)を保ったまま安定したピッチの音として生成してくれる。ただ、原音と離れた音を生成すると変な音になりやすいため多音階音源向きではある。どちらかと言うとパワー系の音源との相性が良いが、音域さえ間違えなければだいたい合うのでとっても強い。
fresamp11は癖がなく使いやすい、fresamp14はパワー系の癖がある音源により向いている印象。
またfresamp12のファンが散見されるが、こちらは現在入手不可能なので再度配布されることがあれば是非お迎えしたい。(筆者が)
https://twitter.com/ameyaP_/status/12641592834
https://twitter.com/ameyaP_/status/310071123410821120

f2resamp

音のクリアさ:★★★★☆
音高変化耐性:★★★☆☆
対応音源の幅広さ:★★☆☆☆
調声の柔軟さ:★★★☆☆

リメイク版fresampとして作られたとか。
fresampとは全く違う、ツルッとして癖のない透明な出音で、可愛らしい印象の音になることが多い。原音から離れた音が苦手なのはfresampと同様、というか音がクリアな分こちらの方が気になるまである。ある程度パワーのある音源と相性が良く、逆に囁き系のニュアンスのある音はもたっとしたノイズのある音として出力されてしまうため、パワーのある音源を透明な音で出力したい時の心強い味方といった印象。
また64bit版があるため、強いパソコンを使っている人は高速での生成ができるらしい。
https://twitter.com/ameyaP_/status/1233345866779357184?s=20

TIPS

音のクリアさ:★★★★★
音高変化耐性:★★★★☆
対応音源の幅広さ:★★★★☆
調声の柔軟さ:★★☆☆☆

囁き系の音源との相性が良く、子音のニュアンスが綺麗に再現できるエンジン。原音から離れた音の生成も割と得意。張り上げるようなパワー系の原音とはあまり相性が良くないが、普通の声なら別に囁き系じゃなくても結構綺麗に出力してくれる。ロングトーンが苦手というかピロピロした音が入りがちなので、エンジン切り替えやロングトーン用音素の使用・Hフラグで抑える・気にならないことを祈る等の工夫が求められる。あとBREは50より上しか効かないので注意が必要。
また、moresampler(後述するが周波数表制作に強い)が周波数表のピッチ推定ミスしている低音男声の周波数表をTIPSで出力すると結構精度が良かったりする。
筆者が一番使ってるエンジンは多分これ。
http://scientistb.web.fc2.com/program/index.html

EFB-GT

音のクリアさ:★★★★☆
音高変化耐性:★★★★☆
対応音源の幅広さ:★★★★☆
調声の柔軟さ:★★★☆☆

子音のニュアンスが若干潰れることがあるものの、異音が出にくいためdoppeltlerに並ぶ安定択として広くおススメできるエンジン。収録環境由来のノイズがどう出るかは不明だが、ある程度整った環境で収録されていたりノイズ除去されていたりする音源であれば、囁き系からパワー系まで幅広く対応してくれる。「気に入っている他エンジンで異音が出る部分だけEFB-GTにする」といった使用法もおススメ。
http://custom-made.seesaa.net/article/312529786.html
※エンジンのみのDLができなくなっているようですが、ソースファイルをDLすることで使用可能です

tn_fnds

音のクリアさ:★★★★☆
音高変化耐性:★★★★☆
対応音源の幅広さ:★☆☆☆☆
調声の柔軟さ:★★★★☆

原音のニュアンスの再現が得意で、特にサ行・シャ行の子音や語尾息などが綺麗に再生されたときの再現度は非常に高い。また原音から離れた音への加工も割と得意なうえ、生成が非常に速い。ただ、周波数表を使用しないため原音のピッチの推定ミスから来るUTAU上のピッチ外れに対応する術がなく、相性が悪い音源・音素は一生正常に再生できない。相性が良い音源は真っ直ぐな声質の音源(ピッチ推定ミスが起こりづらい)、相性が悪い音源は囁き系や癖のあるパワー系(ピッチ推定ミスが起こりやすい)。
原音より長いノートの生成が引きのばしではなくループであるのと、独自フラグにA、O、eがあるのも特徴。あとピッチ線とビブラートの効きが良い気がするのでtn_fndsで出力している部分だけ気持ち抑え目ぐらいのピッチを描くと丁度良くなったりする。
ちなみに名前の由来は「他人の褌」だそうです。覚えやすい。あと筆者の推しエンジンはこれ。
http://z-server.game.coocan.jp/utau/utautop.html#tn_fnds

moresampler

音のクリアさ:★★★☆☆
音高変化耐性:★★★★★
対応音源の幅広さ:★★★★★
調声の柔軟さ:★★★★★

独自フラグが充実しており、調声でノートごとに細かな変化をさせたい人からの人気が特に高いエンジン。例えばMtをマイナスして声を弱くしたり、MGでグロウルさせたりできる。他にも沢山ある(参考url : https://tatsu3.hateblo.jp/entry/2017/12/18/003233 )。原音の細かなニュアンスは潰れがちでどことなく機械っぽい印象の出音になるため気にする人もいるが、調声の自由度が非常に高いため人気がある。UTAUは原音より低い音への加工が苦手なソフトだが、この低音への加工耐性が他エンジンに比べて強いため「低音部分だけmoresamplerにする」という使用法もある。VC音素の生成も得意なので「VC音素だけ(以下略)。
また、原音のピッチ推定能力が高いため、筆者はよくmoresamplerで生成した周波数表を他エンジンの周波数表に変換して使っていたりする。あと筆者は使ったことがないが、自動原音設定機能がある。
https://bowlroll.net/file/139123

スペシャルサンクス:さにのん・AliceSYndromE

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