見出し画像

今の日本、業界側から見る日本esportsの行く末

法律による縛り
日本では賭博罪や風営法等の縛りにより、大会賞金を用意したり、関連施設の設立といったコンテンツを盛り上げるものを用意すること自体が難しい。
高額賞金が興行の全てではないが、スポンサーや一般観衆の目に止まりやすいのは間違いない。
特に現状日本で行なっているメーカー側が賞金を出してのイベント開催という形は、長期的維持が難しいので、一般スポーツの様に資本力のあるスポンサー達に支援してもらう形を作り上げていくのがベストだろう。

関連施設としてはゲームバーや練習用施設等が挙げられる。
ゲームにはIPホルダーとなる開発元が存在する為、その商品を利用して利益を得る場合は許可が必要となる。
ただし、一般ユーザーが問い合わせても拒否されるか黙認する旨が伝えられるだけだろう。メーカーは一度許可を通してしまうと全てのユーザーにそれを公言しないといけなくなるため、一般ユーザーに対して公に許可することはない。
ここ最近ゲームバーの取り締まりが強化されている様に見えるが、実際は許可なく設置設営しているところが摘発されているだけだ。
当たり前の話だが、メーカーが利益を追うのは当然なのでこの点は不満を言っていても仕方ないだろう。
あくまで一例だが、高価でも構わないので既存タイトルのe-Sports版を販売して、それを購入すると許諾申請不要等の処置をしてもらえると業界も発展するのではないだろうか。

【仕事として業界の説明を出来る人間が少ない】
バブルのおかげかesports関連で企業や投資家と話をする機会が多いが、大半の意見は内部の人間が具体的な説明も出来ないまま金銭面だけの支援をお願いしてくるというもの。
まだ土壌が出来ていない状態の中、「ゲームを真剣にやっている」という熱意だけで支援してもらえる程世の中甘くはない。
外部の人達はe-Sportsに対して知識がないので、一般的な事業と同じく将来的なビジョンや、今後の業界の動向を説明出来なければならない。

若者を取り込みやすいゲームという媒体が一大ブームを起こそうとしている現状に外側の人間はかなりの興味を示していることは確かだ。
しかし上記の様な考え方の浅い者ばかりならばesportsは一時的な盛り上がりだけで廃れていくだけだろう。

【マネタライズが難しい】
個人主催などしていると分かるが、会場となる箱を押さえるとそれなりの金額がかかる為、小規模のイベントでも黒にするのは中々難しい。
ユーザー主催ならともかく、事業としてやっていくにはそれなりの利益を出さなければならない。
ソシャゲ等の基本無料が当たり前の世の中になりつつある昨今、ユーザー側がサービスに対してあまりお金を落とさない事情もあり、多くの関係者が悩んでいる課題の一つだろう。

他国のesports主戦場であるPCゲーで遊ぶユーザーが極端に少なく、モバイルゲームが流行っているという日本独自の文化も悩ましいところではある。
今後を見据えるならば興行の様にチケット代などで観戦者からペイするシステムは必須になる。
全てとは言わないがモバイルゲームは容量の問題もありPCゲーやCSゲーと比べるとどうしても戦略性や見た目が乏しくなってしまう為、視聴者がスポーツのように観戦するにはかなりの努力が必要だろう。

そしてこの辺りのインフラ整備が出来ていないことを言い訳に動かない人が多いのも問題だ。
時代が変わってきたとはいえ今までのやり方では駄目なのは明白なので新事業立ち上げや先進国に習ったマネタライズ手法が必要だが、そこまで力を注げる人は中々出てこない。
既に携わっている人達が数年先を見据えた活動をすることと並行して、その様な活動を支援してくれる人を育てなければならないのだが、僕は業界全体がその段階で停滞していると考えている。

興味のある若者や活動を理解して支援してくれる人達に現状の把握をさせ、今後の環境を共に作っていく流れを用意することは必要不可欠だろう。
有識者達もよく言っていることだが、企業、ユーザー、イベンターが個々で動くのではなく、共に協力して動く形になることを早期に目指したい。

そして日本はesports界では明らかに後進国なので、先進国から情報を得ていくことが大事だろう。いきなり同じ規模のものは作れなくても、イベントや番組手法など真似を出来る部分は数多くあるはずだ。
最近ではRAGEの様な素晴らしいイベントも出てきた。様々な困難はあるものの協力体制が整えばもっと成功事例は増えるだろうことに僕は期待している。


応援してくださる皆様に支えられて活動出来ています。本当にありがとうございます。