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シーシャ小話① 〜「ヤニクラ」と「酸欠」の違い〜

※シーシャはたばこの一種です。喫煙は20歳から。

皆様いかがお過ごしでしょうか。チルしてますか?
もはや生活必需品と言ってしまっても差し支えのないと一部の人間の間で言われているかもしれないことでお馴染みのシーシャですが、シーシャを吸っていてクラクラしたり頭が痛くなったりすることはありませんか?
楽しくシーシャを吸いたいのに体調が悪くなってしまっては元も子もありません。「ヤニクラ」や「酸欠」などと言われているこれらの現象ですが、ちょっとした工夫で解決することが可能です。さらに、「ヤニクラ」と「酸欠」は正確には意味が異なります。
今回は、「ヤニクラ」や「酸欠」の解消法、「ヤニクラ」と「酸欠」の違いについて解説します。ぜひ最後までご覧ください。


自己紹介

六本木にあるシーシャバー、B-Side Shisha Bar店主のSoheiです。「シーシャは誰でも美味しく作れる」をモットーに、シンプルで再現性の高いシーシャのレシピを日々模索しています。
欧米のシーシャ文化に基づいたシーシャの作り方や機材・フレーバーのレビュー、シーシャに関する豆知識なんかを発信していくのでよろしければフォローをお願いします。


ヤニクラとはなにか

「ヤニクラ」とは、たばこを吸った際に頭がクラクラする現象を意味する俗語です。たばこの煙に含まれるタールを指す「ヤニ」から取ってそう呼ばれます。タールを意味する「ヤニ」という言葉が入っておりますが、ヤニクラの主な原因はタールによるものではありません。

タールについての誤解

※この節で解説する内容は少々マニアックなため、スキップしていただいても差し支えありません。

タールはたばこの煙に含まれる有害物質の名称と思われがちですが、これは実は異なります。タールというものには主に2つの意味があります。詳しくは各自調べてみてください。

・広義の「タール」 → 固体の有機化合物を熱分解した際に生じる褐色の油状物質
・たばこの「タール」 → 紙巻きたばこの煙から、水分とニコチンを除いた残り(ISO定義)

「シーシャはノンタール」などと言われることがありますが、これには語弊があります。ここで言う「タール」はたばこの「タール」と思われますが、これは紙巻きたばこに関して定義された「タール」であるため、シーシャには適応されません。
当然ながら、シーシャの煙は水分とニコチンのみで構成されているわけではありません。しかし、作り方や吸い方、機材や炭などによって煙の成分が変わってしまうことからシーシャの「タール」を定義できていないのです。
あえて言うならば、「シーシャはnullタール」です。

ヤニクラの原因物質

主な原因はニコチンによるものと言われています。「ヤニクラ」は俗語であるため、明確な定義が存在しません。ここでは、ニコチンによって引き起こされる現象(厳密には急性ニコチン中毒)を「ヤニクラ」と表記させていただきますがご了承ください。
ニコチンの作用により心拍数の増加や血管の収縮が起こり、脳貧血の状態になります。それにより、頭がクラクラするといった現象が起こります。重度の場合、吐き気や腹痛、下痢を催す場合もあります。
重症度や体質にもよりますが、僕の経験則ですと30分から1時間程度安静にしておくことで多くの方は正常な体調まで回復します。

ヤニクラは必ずしも悪いことではない

シーシャヘビーユーザーの方の中には、ヤニクラの状態を求めてシーシャを吸う方も多いかと思います。筆者もその一人で、ヤニクラを感じるシーシャを吸うことでしか生を実感できません。
体質にもよりますが、軽度のヤニクラであれば発生しても直ちに回復するため、恐れる必要はありません。


酸欠とはなにか

酸欠は酸素欠乏症の略で、文字通り酸素が不足することによって発生します。
主な症状としては頭痛、耳鳴り、吐き気、集中力の低下などが挙げられます。
こちらも私の体感ですが、一度シーシャで酸欠の症状が出てしまうと回復までに半日以上必要となってしまうことが多いです。

https://lab-brains.as-1.co.jp/article/scienceknowledge/2021/10/8129/


「ヤニクラ」と「酸欠」の違いまとめ

原因

ヤニクラ → 血中ニコチン濃度の上昇
酸欠 → 血中酸素濃度の低下

主な症状

ヤニクラ → めまい、腹痛、下痢
酸欠 → 頭痛、耳鳴り、吐き気

回復にかかる時間

ヤニクラ → 30分から1時間
酸欠 → 半日以上

ここまでご理解いただけましたでしょうか?
次の章では2つの現象についてなぜ起こるのか、そしてどうすれば起こさずに済むか解説していきます。


ヤニクラはなぜ起こるのか

ニコチン量の多いフレーバーを吸っている

当然ですが、ヤニクラはニコチンによって生じるので、ニコチン量の多いフレーバーを吸うとより強いヤニクラを感じます。
ヤニクラを避けたい場合は、ダークリーフなどのニコチン量の多いフレーバーは使わないようにしましょう。

シーシャの火力が強い

火力が強いと煙が濃くなり、同じ体積の煙に含まれるニコチン量も多くなると思われます(※要検証)。
吸うのがしんどくなったら火力を落とすか、休憩しましょう。

体調が良くない

水分摂って寝ましょう。

体質的にニコチン耐性が低い

諦めましょう。


酸欠はなぜ起こるのか

換気がきちんとされていない

自分のいる空間の酸素濃度がそもそも薄いと、酸欠になりやすくなります。屋内で炭を焼いている方は特に換気を徹底しましょう。

味のなくなったシーシャを吸い続けている

フレーバーのシロップがほとんど飛んだ状態でシーシャを吸うことは、炭を吸うことに等しいです。2時間程度吸って味がなくなったら吸うのをやめるか、新しいシーシャを吸いましょう。

煙の質が悪い

正直ここがこの記事で一番話したかった内容です。上記2つを対策した上でシーシャを吸って酸欠症状になった場合、それは基本的にシーシャの作り手が悪いと私は考えています。
質の悪い煙というのはつまり一酸化炭素の多い煙ということであり、そのような煙を体内に取り込むことは非常に危険です。
酸欠にメリットはなく、シーシャの作り手の方は酸欠が起こらないように必ず配慮すべきです。自分で作ったシーシャを吸っていて頭が痛くなる方、お客様が酸欠で倒れてしまったことのあるお店の方は、この記事を読んで作り方を見直すことを強く推奨します。

煙の質を上げるにはどうすればいいかということに関しては、長くなるのでまた別記事にまとめようと思います。よろしければフォローしてお待ち下さい。

追記: 煙の質について、こちらの記事にまとめました。


最後に

いかがでしたか?

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