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「特許になるAI」と「特許にならないAI」

初投稿のGAILです。

kagglerを嗜む程度に挑戦しつつ少し気になったこと。

「kagglerのみんな、いろんなアイデアで機械学習を実用化してるけど、これって【特許】にならないの?」

「そもそも、機械学習の応用技術って【特許】になるのかな?」

気になって調べてみると、特許庁HPから「AI関連技術に関する特許審査事例」なるものが公開されている。

色々な特許審査事例が載っていて面白いですね。

ただ、解説が難しい・・・。もっとザックリで良いので、かみ砕いてわかり易くできないものか。

というわけで、自分なりにザックリ「AI技術を特許化する為、気をつけること」を簡単にまとめてみます。


特許に必要な基本要件は、2つ! 「新規性」&「進歩性」

下の2つの要件は、AIに関わらず特許になるアイデアには必ず必要になる要件です。

1.新規性

発明したアイデアが、これまで世界になく「新しいもの」であるという事ですね。まぁ、当たり前か。

2.進歩性

発明したアイデアが、これまでのものと比べて「性能がアップしている」とか「便利で使いやすい」などなど、進歩してるって事が必要。ただ新しいってだけじゃダメって事ですね。これも当たり前か。

以上は、特許になるアイデアの要件として定められていること。とても基本的なことなので、これを読んでいる方はよく知っている事かもしれませんが・・・。これらに加えて、AI関連の技術で特許を取るためには、下記のことに注意が必要です。


AI関連発明を特許にするためには

AI関連で特許をとるためには、特に気をつけないとならない事があるようです。

1.「AIに入力するデータ」と「AIから出力されるデータ」の間に相関関係がある根拠を示すこと(記載要件を満たす)

特許庁のHPに載っているNG事例だと、「トマトを栽培する人の顔画像からトマトの糖度を推定するシステム」というのがありました。「人の顔」と「トマトの糖度」の相関関係についての根拠が示されておらず、現代の技術常識的にも「人の顔」から「トマトの糖度」を推定するシステムをつくれるとは考えにくいので、これは拒絶査定を受けています。

逆に「人の顔」と「トマトの糖度」の相関関係について根拠(実験データ)を特許明細に記載していれば、特許査定を得られた可能性は高いです。


2.人の作業を単純にAIに置き換えただけではNG!簡単には思いつかないアイデアで顕著な効果が得られる発明が求められる(進歩性が必要)

説明しずらいところですが、つまり特許審査官に「こんなのこの分野の専門家なら誰でも簡単に思いつくんじゃね?」って思われたらダメという事ですね。筆者も特許庁から「当該分野の専門家であれば容易に思いつくものである」という拒絶査定のお手紙をいただき、(モヤっ)っとすることは多々あります。

この点についても特許庁のHPにOK事例/NG事例がそれぞれあるので参考になります。例えば、既存の学習アルゴリズムに対して、教師データを新たに追加して、顕著な性能UPが示せれば、進歩性が認められるようですが、教師データが既知のデータの組み合わせであり、顕著な効果が認められない場合、進歩性は認められないようです。

つまりは、特徴量エンジニアリングで過去に事例のないゴールデンフューチャーを見つけ、社会的に役に立つシステムができれば、特許の可能性も大きく広がるってことですかね。


以上、雑文で失礼しました。

GAIL


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