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「自分の心が動く瞬間を大切に、働いていきたい」soar編集部スタッフ・松本綾香

「人々が持つ可能性が広がる瞬間を伝える」というコンセプトのもと、soarではたくさんの人たちの活動や、そこに込められている思いを紹介してきました。

それはどれも、本当に素晴らしいものばかりで、私たちは日々心を揺り動かされながら、soarの取り組みに携わっています。

けれども、その一方で…

「soarに関わっているメンバーも、みんな、すごく素敵なんです!!」(代表談)

今まで、代表や理事以外のsoarのメンバーにスポットライトが当たる機会は、そこまで多くありませんでした。ただ、イベントや団体説明会でも「soarってどんな人たちがいるんですか?」と聞かれる機会が、だんだんと増えてきました。そんな風に団体自体にも興味を持ってもらえることは、とてもうれしいです。

なので、始めます。「soarスタッフインタビュー」!

このインタビュー企画を通して「soarにはどんな思いを持ったメンバーがいるのか、具体的にどんなことをやっているのか」を言葉にしていくことで、soar全体の雰囲気や世界観を皆さんにお伝えできたらいいな、と思っています。

記念すべき1人目は、soarのフルタイム常勤スタッフとして働いている松本綾香さんです。

彼女に話を聞いたのは、ときおり雪がちらつくくらい寒い日で。話を聞いたオフィスも、最初は空気が張り詰めたように冷え込んでいました。

そんな中で、席について向き合うと「今日、電車間違えそうになっちゃって。多分わたし、緊張してるんだと思います」と微笑んだ松本さん。その一言で、場の空気がふっと柔らかくなって、心なしか寒さも少し和らいだようにも感じました。

雰囲気にも言葉にも、ホッとするような温かさがある松本さん。彼女に、soarで働き始めたきっかけや活動で大切にしていることなど、いろいろ聞かせてもらいました。

soarの仕事は、soarの世界観そのもの

――まず、soarを知ったきっかけから聞かせてもらえますか。

松本:社会人になって3年目くらいの頃に、SNSで記事を見かけたのが最初の接点だったと思います。なんで気になったのかと言うと……少しさかのぼって話をしてもいいですか?

――ぜひ、お願いします。

松本:自分の過去を振り返ってみると、いま持っている価値観に大きく影響してるなと思うことが2つあって。それは、身近に発達障害や認知症を持った人がいたことと、海外の音楽や映画が好きだったことです。これらの影響からか、「一人ひとりが自分らしく生きていくには、どうしたらいいんだろう?」ということに、早い段階から漠然と興味を持っていました。

それで、大学生の頃に「ダイバーシティ・マネジメント」などの考え方に出合って。卒論もそれをテーマにしたんですけど、研究しながら「多様性を生かすって考え方、最高だな!」と感じていました。

一方で、「関心があるテーマをリサーチすること」が昔から好きだったので、社会人になってからも気になったトピックや興味がわいたテーマは、日頃からよく検索していて。すると、「最近ここの記事をよく見るな、信頼できる情報を発信してくれているな」ってメディアが、段々見えてくるんですよね。soarは私にとって、そんなメディアのひとつだったんです。

ほかのよく見るメディアは「音楽について、映画について」といった、ジャンルがはっきりしているものが多かったんですけど、中でもsoarは特別で。明確な区切りがなくて、強いて言えば“多様性そのもの”を表現している媒体だなと感じていました。「こういうメディアで仕事ができたら素敵だろうな」って。

――そんな思いもあって、2017年の3月にsoarのインターンに入られたと。

松本:その頃ちょうど前職を辞めて、転職先を探していた時期だったんです。ただ、せっかくできた自由な時間だったので、「次の仕事が決まるまでやりたいことをやろう」と思って、副業的にライティングの仕事を始めていて。そしたら、soarのインターン募集のお知らせを見つけて、迷わず応募しました。あの時はまだ、こんな常勤になるなんて思ってもなかったですけど(笑)

――というと?

松本:一時的なボランティア、という気持ちが強かったかな。けれども、実際にsoarのメディア運営に携わるようになって、何というか、自分の関心とドンピシャすぎてびっくりしました! soarの記事を通して感じていた世界観、「人々が持つ可能性が広がる瞬間を伝える」ということが、ここではそのまま仕事になっていて。

仕事をしながら、こんなに自分が心動かされたり、救われたりすることがあるんだな、あっていいんだなって思いました。いつのまにか転職もせずに、週4くらいの頻度でsoarにガッツリ関わるようになっていました。

外側の基準ではなく、自分の内側の感動を記事の出発点に

――松本さんは2018年10月より、soar初のフルタイムスタッフとして働かれていますね。いまは、どんなお仕事を担当されていますか。

松本:soarの業務は大きく事務局、編集部の2つに分かれていて、私は編集部の仕事を担当しています。具体的に言うと、記事制作のディレクションとメンバーのマネジメントなどですね。ただ、必要に応じてイベントのスタッフや、事務局のニュースレターの配信などもやるので、「編集部をメインにしつつ、soarの全体に携わっている」という感じです。

――soarの記事をつくる上で、気を付けていることはありますか。

松本:ほかのメディアでも同様だと思うんですけど、とくにsoarで扱うテーマには「正解がないこと」を強く感じています。いまは正しいと思われている考え方でも、時代が変わればそうじゃなくなることも、あるかもしれません。いろんな立場の人がいることを想像して、「誰かを悪者にしたり、傷つけたりするような表現はしないように」と意識しています。

あと、たくさんの記事に関わっていく中で、最近は「自分の気持ち、心が動いた瞬間を大切にしよう」って思うようになりました。

――自分の気持ち、ですか。

松本:soarに入った当初は、やること一つひとつにハッキリとした正解があるような気がしていて、代表の瑞穂さんに「これでいいですか? 合ってますか?」って確認することが多かったんです。会社員の頃から「具体的に求められたものをきちんとやる」という仕事は、わりと得意でした。でも、soarでは「あなたはどう思う? どうしたい?」ということを、いつも問われる。聞いてくれるんです。

正解がないからこそ、自分の外側の指標を頼りにするのではなく、自分の内側の感動を出発点にする。「この情報は、誰かがきっと必要としているはずだ」「この人の物語、言葉を届けたい」って強い気持ちがあると、企画や取材にも自然と熱がこもって、結果的にいい記事ができているなと感じています。

会議で人が回復する“soarらしさ”

――soarで一緒に働くメンバーについて、日々どんなことを感じていますか。

松本:みんな好きすぎてつらい……「いい人たちすぎか!」って。あんまり中の人がそういうこと言いすぎるとうさん臭いかもしれないんですけど、それでも言いたい(笑)

外部のライターさんも、インターンとして関わってくれている大学生も、皆さん自分なりのテーマを持っていて、その上でsoarのビジョンに深く共感してくれていて。それに、soarに関わっていくうちに、ビックリするくらいみんな“soarらしさ”が出てくるんです。

――“soar”らしさ?

松本:うまく言葉にできてないんですけど……soarのメディアの世界観が、そのまま現実の関係性、コミュニティに反映されているような感覚があって。すっごい暗い顔をして編集会議に参加してきた人が、終わったころには「めっちゃ元気になりました!」って帰っていくこともよくあります。一人ひとりが弱さを共有し合って、一緒にがんばろうって気持ちを大事にしているから、場に“回復”の力が働いているのかな。それってまさに、soarらしいなって思います。

インターンの中には、難病を抱えている子もいます。彼女は自分の病気のことを周りに共有して、体調を考慮しながら仕事をする工夫が本当にすごくて。そういう仲間の姿を間近で見ていると、「私もいい仕事をするため、大事な人たちを大事にするために、ちゃんと自分を大事にしなきゃ」って気持ちになりますね。最近は「持続可能な松本を目指す」を目標に掲げて、事あるごとに周りに公言してます(笑)

――soarの中にもいろんな背景を持っている人たちがいて、その背景も日々刻々と変化している。そういうの、みんなで全部そのまま共有しているのが、素敵ですね。

松本:soarに関わっていると、正直でいることの大切さを実感します。つらいこと、ネガティブな気持ちを押し殺していても、どこかで生きづらくなってしまう。困難を感じていない人なんて、きっといないんですよね。そういう弱さをみんなで共有することで、「自分だけじゃないんだ」って感じて、そこが安心できる居場所になる。soarが“情報のセーフティネット”であろうとしているように、soarのメンバーの一人ひとりが、誰かのセーフティネットになっている気がします。

メディア以外でも、soarのビジョンを具現化していきたい

ーー今後のsoarの活動を通して、松本さんはどんなことを実現したいですか。

松本:いっぱいありすぎて大変なんですけど(笑)、直近では「あなたの毎日に、優しい回復の時間を」というコンセプトでつくったsoar teaをリリースできたのが、本当にうれしくて。これまではメディアやイベントでの発信が主な取り組みでしたが、これからはそれ以外の方法でも“回復”を伝えたり、生み出したりできたらいいなと。

soarカフェ、soarセレクトショップ、soarコミュニティ……長期的には就労支援施設とか、“回復施設”みたいなものもつくれたらいいよね、とか。アイディアを出しているだけでも、「こんなこと実現できたら素敵だな」って、ワクワクするんです。丁寧な取材と発信は続けながら、soarのビジョンを形にしていく手段を、いろいろと考えていきたいと思っています。

ただ、楽しすぎて“無理をしている自分”に気づけていないことが時々あるので、そこは気を付けていきたいです。休みはしっかり確保して、「休日は仕事の連絡を見ない、しない」など、メリハリを大事にしようと。代表がよく「私は癒しに余念がない!」ってTwitterで言っていて(笑)、それはとってもありがたいなって思ってます。「自分のケアを大事に」って、示してくれているから。

――人の回復を願うからこそ、自分の回復も大切しなきゃですね。これからもsoarが、そして松本さん自身も、持続可能であるために。

松本:はい、「持続可能な松本」を実現します!

松本さんが話したように、私たちはやりがいを感じていることほど、無理ができてしまうものです。何かに全力で打ち込むのは、一概にいけないことだとは言えません。だからこそ周りが、そして自分も気づかないうちに、楽しい仕事で自分を追い込んでしまうことがある。気づいていないだけで、そういう状態に陥っている人は、もしかしたら大勢いるのかもしれません。

「持続可能でありたい」と言う松本さんは、自身を大切にすることに、真摯に向き合っています。その姿勢や言葉に触れ、「自分も自分を大事にしよう」と感じました。同時に、彼女はこうした振る舞いを周りに見せることを通して、他者への回復にも貢献しているのだと気づき、なるほど、このやさしいつながりを生み出す感じが“soarらしさ”なのかもしれないな、と思ったのでした。

Written by 西山武志

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