平成最後の夏、一番怖い話をした奴が優勝! 〜ミッション◯ンポッシブル〜

夏といえば怪談。そして甲子園。怪談甲子園勝手に開催!

一番怖い話をした奴が優勝!

ということで私が先日体験した世にも恐ろしい出来事を文字に起こしてみました。幽霊は出ません!血もでません!脚色も一切ありません!でも微エロ要素はあるかもしれません。もしかしたらポ◯リもあるかもしれません笑。心臓の弱い方、お食事中の方、うちのお客様、数少ない私のファンの方はどうかこのままそっとブラウザを閉じてくださいませ。それでもどうしてもどうしても!読みたいという方のみ先にお進みくださいませ。







心の準備はできましたか?

大丈夫ですか?

本当に大丈夫ですか?

引き返すなら今ですよ?

最初に断っておきます。120%怖いです。めちゃくちゃ怖いです。それは保証します。そして200%おもしろいです。

でももしかしたら私を嫌いになるかもしれません。でも私のことは嫌いになっても蕎麦のことは嫌いにならないでくださいね。

それではひとヒンヤリしていってくださいませ。




7月末日。シェフをしている後輩が翌週からフランスに武者修行に行くので仲間達でささやかながら送別会を開くことに。それぞれの仕事が終わってからということで深夜1時集合。いつものBARに行くと酔客でにぎわっていた。一際目立っていたのは女の子3人のグループ。随分と飲んだのであろう、ひとりの子が友人の首筋にキスをしては甲高い声ではしゃぎ、随分と楽しそうである。「私、酔っ払うとキス魔になるのよねぇ」なんて言いながら今度は口に熱いキスを。唇を奪われた女の子は赤面し、周りからは悲鳴に近い歓声があがる。盛大に送り出したい私としては送別会にはふさわしい夜だと笑う。主役の後輩はまだ来ない。

私はというと、あるワインを用意していた。アロース・コルトン2009。数年前に初めて後輩と出会った夜、彼はまだ東京の一つ星レストランで働いていて帰省中であった。偶然飲み屋で隣り合わせ、意気投合し、10歳も歳下の未来輝かしい彼に何かしてあげたいと思った私は自宅に一度戻りセラーを開けた。ブルゴーニュが好きだという彼に選んだのがそのワイン。随分と喜んでくれたのを今でも覚えている。それと同じワインが運良くまだ残っていたので、いやどこかでいつか彼とまた飲もうと取っておいた、というのは後付けすぎるか笑。なにはともあれその秘蔵(笑)ワインを抜栓し彼の笑顔が来るのを待った。

ほどなくして現れた後輩。何も言わずとも彼は覚えていてくれた。「これ初めて会った夜に飲ませてくれたワインですよね!」サプライズを仕掛けた方としてはこんなに嬉しいことはない。大満足である笑。それから愉快な仲間達と飲んで騒ぎ未来を語りあい、終わらない夜は刻々とふけていく。

さて前置きが長くなりましたが物語はここからである。ちょっとトイレと中座する私。しこたま飲んだので結構な勢いで描く放物線。すると閉めたはずの鍵がガチャガチャと鳴る。入ってますよーと私。それでもガチャガチャが止まらない。ん?おかしいな?そのお店のトイレは男女で別れていて、なおかつ男性客は我々しかいないはずである。私が中座したのを彼らは知っているから鍵を開けようとするのは何故だ?イタズラ?その手のイタズラが私が好まないのも彼らは知っている。ということは後から来たお客さんがのっぴきならない状況で慌てているのだろうか。色んな疑問符が頭を巡るがまだ私のそれは止まらない。すると遂に「カチャッ」と鍵が開く音がした。

今も耳に強く残っている。あのカチャッて音が脳に響いた瞬間に背筋がゾクっとした。え?なんで?なんで?なんで鍵開いた?これから起こりうる可能性はどれも最悪しかないことに戦慄が走る。

そして私はもっと驚くことになる。





なんと入って来たのはなんと女の子だった。




あのキス魔の女の子。

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