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ピンチはチャンス

パリから帰省中のミシュランスーシェフの友人とディナー。

人気のビストロ
コロナ禍でも満席は素晴らしい。

知り合いやお客さんもいらっしゃる。
みなさんどうもこんばんは。

久しぶりに会う友人。
パリの話や
これからの夢を語り合い
楽しい時間を過ごしていたら

となりのおじさんがグラスを倒して
ばっしゃーーん!
ワインが派手に飛び散り
白いカウンターが真っ赤に染まる。

まぁ誰しも経験があること。
こぼすこともあるし
こぼされることもある。

私だってどちらもある笑

昔、焼き鳥屋さんで
白ワインを倒して
隣のマダムの洋服にかけてしまった。

平謝りをして許していただいたけれど
クリーニング代は受け取っていただけなかった。

「気にしないで、飲食店あるあるよ、私だってやったことあるから」と。

なんとお優しい人なんだと。
でもそれでは申し訳なかったので
先に帰るふりをしてお会計を持たせていただいた(内緒で)

そう飲食店あるあるなのだ。
別に怒ることでもないし
怒られることでもない。
それより店中の視線を浴びる方が恥ずかしい笑

「大丈夫ですよー、気にしないでくださいー」

申し訳なさそうにするおじさん。
お隣には綺麗な女性
デートかしら
気にせず楽しんでくださいませ。

おじさんがマスターになにやら小声で話してるのが聞こえた。こちらを指差して

「あちらの〜会計を〜」

あー、ちゃんとしてる方ね
内心ホッとした。
女性も連れてらっしゃるし
そら下手なことはしはらへんわなー。

実は
ん?冷たっ!と思ったら
服にまで飛んでいた…涙
黒いジャケットだったので気づかなかったけれど
おしぼりで拭いたら赤く染まる…泣
ばっくり濡れとるやないかーい
これはさすがにクリーニング代…と
もやもやしていた。

でもそういうの野暮じゃん。
言えないじゃない笑
察してくれてよかった。
流石、身なりもきっちりしてらっしゃる。

しばらくして、おじさん達はお帰りに。
するとマスターがやってきて

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