126th Boston Marathon (personal) Report!

4月18日(月)に行われた第126回ボストンマラソンのレースレポートです。

あくまでも一個人が体験した内容に過ぎないので、一つのケースとして読んでいただければ幸いです。

また、私はバリバリのランナーではなく、マラソンを走り始めてからダラダラと続けて10年ちょっと。

初マラソンが2011年のサンフランシスコで4時間12分。その後、10回の挑戦を続けてやっとサブ4を達成したスローですが、しぶといランナーです(と、しておきましょう)。

その間に年齢も重ねて五十路になった頃、やっとBQに追いついた感じです。(当時のBQは3時間55分)

いや、年齢を重ねて頑張っていると、段々とBQの方から歩み寄ってくれます!

なので、熟年ランナーは励みにしてくださると嬉しいですし、若いランナーの皆様も是非、続けて走って下さいね!

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今回のレポートもテクニカルな内容は苦手なので、レースレポートの内容は走行中の心拍数、ケイデンスなどの細かい分析はありません。悪しからず。

どちらかというと大会の雰囲気、個人的な感想などが主な内容になりますので、その点、どうぞご了承ください。

前置きが長くなりました。

さぁ、いってみましょう!

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ボストンマラソンは毎年4月の第3月曜日(マサチューセッツ州の祝日:「愛国者の日」(Patriots' Day))に開かれ、現地では「マラソン・マンデー」と呼ばれています。



コロナ禍の為、2020年はヴァーチャル、2021年は10月に開催されましたが、今年で126回目。毎年開催されるマラソン大会としては世界最古です。


私は、幸運なことに今回を含めて5回の大会に出場することが出来ました。

<過去の記録>(ま、参考までに。)
*2017年(初出場、暑さで撃沈。)4:23:29
*2018年(暴風雨で撃沈、川内選手優勝。)4:20:40
*2019年(晴れ、曇り、雨の変わりやすい天候。またも撃沈。何故か最悪のコンディションの前年より遅い。)4:23:41
*2021年(10月開催、秋のボストン美しい〜。まあまあ。)4:06:12
*2022年(天気良かった。やっとサブ4&ボストンでBQ達成!)3:56:51


<スケジュール>

ボストンマラソンは毎年月曜日に開催され、しかもベイエリアで開かれるレースに比べると開始時間が遅いので、私は大体以下のスケジュールで移動しています。

速いランナーであれば、レース当日にベイエリアに帰ることも可能(かな)。

土曜日: 移動(ベイエリア〜ボストン)
日曜日: エキスポ(ゼッケン受け取りなど)
月曜日: マラソン当日
火曜日: 移動(ボストン〜ベイエリア)

今回は予約していた直行便がキャンセルされ、ミネアポリス経由で到着。ボストン行きの飛行機にはランナーが多く乗っています!

空港でもこんなサインが。

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<宿泊先>
もうこれはどうしようもないのですが、ボストン市内のゴールに近いホテルに滞在しようとするとかなりの高額。ちょっと名の知れたホテルだと500ドル以上、しかも予約完売になる場合も多いです。

なので、私は去年/今年はチャールズ河を渡ったケンブリッジに滞在。
歩ける街なので地下鉄などもあまり利用せず、ひたすら歩いてました。

ホテル予約も直前ではなく、次回行けそうだったら取り敢えず宿泊先だけは確保しています。

ホテルの他にもエアビー(AirB&B)利用をしたり、東海岸の都市からやってくるランナーの皆さんは、滞在期間が短いこともあってホステルなどに宿泊(本当に寝るだけ!)されている方もいます。

もし、ボストンにお友達&ご家族がいらっしゃれば、泊めてもらうのが一番かもしれません。


<エキスポ/前日>
前日のエキスポの様子はいつも最終日にしか行けないので、なるべく午前中に。


記念グッズを売っているコーナーはめちゃ混みです。


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が、AdidasのOfficial Goodsの多くはオンラインで購入できます。

https://www.adidas.com/us/boston_marathon


また、FBで「元祖・ボストンうどんの会」という日本人ランナーのグループがあり、前日にあの川内選手!がレース前に食べていた「川内カレー」を食べる会があります。
https://www.facebook.com/groups/566852100012350

こちらは入会するのに申請が必要ですが、日本人ランナー間での情報交換の場にもなっているので、入会しておくのもいいかもしれません。

管理者を含め、素晴らしいランナーが多く、ボストンマラソン連続出場10回以上という方々もいらっしゃいます!

ちなみに今年は在ボストン日本国総領事館の総領事、62歳で年代別世界記録をもつ弓削田選手のコーチである、曽野政男さんが特別参加でお話し下さいました。


<当日:スタート地点までの移動>
当日はスタート地点のHopkintonまではバス移動。

レース後にSNSなどでシェアされていた情報を見ると、毎年このバス移動の問題が多く、以下のようなコメントが目につきました。

1)乗車するまでにかなり待たされる(長蛇の列)
2)バスの運転手が道を間違える。
3)スタート地点からかなり遠いところで降ろされて、1〜2マイル歩いた。

私も前回はバスの運転手さんが道を間違えて(本当に!)、かなり遅めのスタートになってしまいました。

今年は1)の乗車するところが長蛇の列で、今までの中で一番長く並んだかもしれません。

どのレースでもランナーを出発地点までに輸送するというのは、大きなチャレンジだと思いますが、ボストンは大きな大会でもあるので、毎年何かしら問題があるようです。

ただし、あまりピリピリしない事も大事かな。
何とかなるから。



<スタート地点からゴールまでの個人荷物の輸送なし!>

ボストンマラソンでは、スタート時点に持っていった個人荷物はゴールまで運んでくれません。その為、先にゴール地点でレース終了後に着る上着や食料などを先に預けた後、バスに乗り込みます。

このバッグ・ドロップの時間も考えておくことが必要です。また、午後も天気が変わりやすいので、気温が低くなる場合はゴールしてから着る上着なども忘れずに。

スタート地点で脱ぎ捨てた洋服などは全て寄付されます。

ちなみに私は脱ぎ捨て用のシャツや上着は、古いものを取っておいたり、Good Willなどで古着を買ってストックしています。

2013年の爆破事件後、持ち込み荷物についてはとても厳しくなり、最初に参加した2017年は応援に来ていた人達の荷物検査も徹底していたようです。

最近はちょっと緩いかと思いますが、他の大会に比べてセキュリティに関しては大変厳しい感じがします。


<スタート前/ゴール後の食料>

これはコロナ禍の影響だと思いますが、2021年(10月)の大会、今回の2022年もスタート地点の補給食糧はなし、ゴールではパッケージに入った食料&ゲータレードだったように思います(←あまりにジャンクフードばかりだったので、受け取らず)。

以前はスタート地点にベーグル、バナナ、コーヒーなどもありましたが、これからは期待せず自分の食料を持参していくのが懸命です。


<スタート時間>

先にも書きましたが、スタート時間は遅いです。

車椅子、プロフェッショナル、パラ・アスリートなどの選手の後に一般ランナーがスタート。

一般ランナーの一番最初でも午前10時。私はWave 3の午前10時50分のスタートでした。

スタート時間:
Wave 1, 10 am
Wave 2, 10:25 am
Wave 3, 10:50 am
Wave 4, 11:15 am

それぞれのWave もさらに8つに分かれていて、他の大会ではよく違うグループの人が混じってたりしますが、ボストンはすごーく厳しくて(監視する人が多くて)、周りは同じようなランナーばかり。

このグループ分けは提出したタイムできっちり分けられているようです。


<レース:スタート〜16マイル>

はい、いよいよスタートです。(ここまで長くですみません)

レースそのものについては、それぞれのランナーの能力やモチベーション、当日の体調などによってかなり変わってくると思います。

以下、ランダムに私個人が気づいたこと、感じたことを書いていきますね。

ボストンはあの有名なハートブレイク・ヒル(心臓破りの坂?)の印象が強いですが、全体的には下っています。

特にスタート直後は絶賛下り坂で、気合の入りまくった実力派のランナーがどーんと飛び出して行くので、スピードを出してはいけないと思いつつ、出ます。出ちゃいます。

ちなみにペーサーはいません。

ボストン・マラソンという名の大会ですが、ボストン市内を走るのは実は最後の方だけで、その他は小さな市や町を駆け抜けていきます。

そのため、それぞれのエリアの中心地には多くの人が繰り出して、その地域を挙げて!の応援をしてくれます。

それが大変嬉しい。

子供たちがトランポリンでぴょんぴょんしていたり、サンタクロースがいたり、有名な犬スペンサー君も!

老若男女、もう本当に沢山の人達。

そして、今年初めて目にしたこんな方も! (Will Smithさんの顔を叩けるんです。)

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Photo Credit: Janet Carey


13マイルを過ぎた地点には、ヒラリークリントン元国務長官、マデレーンオルブライト(女性初の国務長官)を輩出した名門ウェルズリー女子大(Wellesly College) の歓声の嵐。

これは絶対に見逃せません。(2018年の暴風雨の時は流石にいないだろうな、っと思っていたら、彼女達、ずぶ濡れになって応援してくれてました。もう涙もの)。

この女子大のところでちょうど半分!

女子大生からエネルギーももらい、16マイル当たりまで、いやー、楽しい。

ボストンマラソン最高!

それ程キツくないという錯覚。


<16マイル〜21マイル>

ところが。ここからが正念場。

ハートブレイク・ヒルというのは16マイル〜21マイル(25キロ〜33キロ)にかけて坂が4つあって、最後に登場する坂(21マイル手前)になります。

普通の練習でそれぞれの坂を走れば、そんなに大したことないかと思いますが(多分)、この微妙な地点(16〜21マイル)のところにあるのが曲者。

しかも飛ばしてはいけない前半をだーっと走ってきた後なので、そろそろ両足からストライキの合図が入り始めます。

「姉さん、そろそろちょっと休ませてもらいますわ。」っと。

4つの坂はこんな感じかな。

*一つ目(16マイル付近):だらだら長い。でも、登り切ったらちょっと下りで平になるので、ここで足をシェイク。何とかなる。

*二つ目(18マイル手前):ちょっと坂が急だけど短い。これもいける。そして、下り。シェイク、シェイク。

*三つ目(19マイル過ぎ):おー、また来たか!頑張る。あと一つ。

20マイル地点はニュートンという街。応援も沢山!
最後だー。頑張るー。気合い入れ直し!

*四つ目(20マイル過ぎてから):これが有名なハートブレイク・ヒル。長い〜。長く感じる。え、こんなに長かった? 
足もガクガク〜。スピードかなり減速。
歩いているのと変わらないぐらい失速。

やっとの思いで登りきる。ふー、ふー。

なんで毎年同じなんだろう。。。学ばないなぁ。

はぁ(溜息)。

でも、最後登り切ったところに「ハートブレイクの坂はもうあなたの後ろ!」というサインがあります。

これを見ると単純に嬉しい。


<21〜26マイル ゴールまで>

そして、21マイルぐらいからどーん下り坂がきて、調子取り戻すぞー。

ボストン近くではボストン大学の学生も多く沿道に出て、応援してくれます。

ありがとー。うれしー。

が、しかし。

毎回、最後2〜3マイルが苦しいのです。非常に苦しいです。
真っ直ぐにボストン市内を駆け抜けていくところなのに!

でも、ここからさらに沿道の声援が凄くなり、シャツに名前を書いておくと絶対に呼ばれます!

私は暫くジョーとクリスティンの後ろを走ってました。(←みんな呼ぶから、私も彼らの名前を覚えた。次回は自分の名前をシャツに書こう!)

実は今回、ゴールに向かうにつれて向かい風が強くなり、かなり冷たい風で手はガチガチ。

唇も真っ青だったはず。

また、ジェル補給が上手く出来なかったのか、軽い貧血みたいな状態になりました。

最初、飛ばしたし。(しゅん。。。)

その結果、少し歩いて食べ物補給しながらゴール目指しました。(この間も沿道からの励ましは凄い。)

最後1マイルのところにあるCITGOのサインが遠かった。

遠かった。全然近くに来ない。。。。

ここを過ぎればあと1マイルです!(歯を食い縛って頑張る)

そしてようやく最後の直線、

Boylston Street!


これはボストン走ったことある人は分かると思いますが、最後の怒涛の歓声は本当に凄い。

本当に凄いんです。

この為だけに走ってきた感じもします。

あれだけ苦しかったのに、最後。頑張れる!

そして、ゴールです!

(フィニッシュするとあっという間だったなぁ。。)

3時間56分51秒。

ボストンで初めてのサブ4。BQがおまけでついてきました。


<ゴール地点>
メダルを首からかけてもらい、預けた個人の荷物、袋に入った食料などを受け取って終了です! 

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ゴールでは、特に目を引くのがメディカル(救護隊)のボランティア。車椅子を押しながら、少しでも具合の悪そうな人がいると声をかけていました。

実際に立ち上がることができずに車椅子で運ばれた方も何人かいらっしゃいました。トレーニングを積んだランナーでも、やはり天候の変化やレースの運び方により体調が悪化する人も。

ボランティアの皆様、本当にありがとう!

<ゴール後>

私は参加したことがないのですが、スポンサーのサミュエル・アダムスがビールを提供しています。今回はゴール近くに ”Samuel Adams Run Pub”というのがあった模様。今回のために特別に作られたビールはこちら。

https://www.instagram.com/p/CcI7tJXFYWS/


<マサチューセッツの天候>
日本では「女心と秋の空」というように秋の天気が変わりやすいと言いますが、マサチューセッツの春の天候不順も有名です。

大会が近づくとボストンの天気を頻繁にチェックするようになりますが、「それは無駄!」とボストン在住の友人から言われました。

現地に到着してからも天候はどんどん変わるので、1)暑さ対策、2)寒さ対策の両方をした方がいいかと思います。


<World Major Challenge Group>

私が参加しているFBのグループ。
https://www.facebook.com/groups/1445631925462087

ボストンだけでなく、世界メジャーと言われるマラソン大会(ボストン、シカゴ、ニューヨーク、東京、ロンドン)の情報を共有しています。

特に管理者のロバート・ウォンさんは本当にマメで、痒いところに手が届くほどの情報を随時アップしてくれます。今回の大会についてもかなりお世話になりました。

ボストン以外にも世界メジャーを走ってみたいと思う方にもオススメの情報源です!


<その他、サーヴィス>

走った後にメダルにタイムを刻んでくれたり、オリジナルのバッグやポスターを無料配布するお店もあります! 時間に余裕があったら、是非!

*Marathon Sport - Medal Engrave
*Under Armour Hancock - Medal Engrave
*Track Smith - Free print with your time 

私はTrack Smithでタイムをスタンプしたポスターをもらったものの、帰る途中でどこかに忘れてきてしましました(涙)。

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私のポスターは何処に???


<ボストンマラソン10回連続出場!>

10回連続出場でBQに達していれば、カットオフのマージンなしで出場資格が与えられます。普通はBQを達成しても、タイムが速い順にエントリーが決まっていくので、必ずしも走れるとは限られていません。

ところが、10年連続でボストンマラソンを走ったランナーは、その条件がなく出走できるという特典があります!

なので、ボストンで出会ったランナーも10回連続出場を目指している人が多かったです。


<おまけ>
これはボストンマラソンだけに限ったことではありませんが、アメリカでは翌日もメダルをぶら下げて歩いている人をよく見かけます。

ゴツい感じのお兄さんやお洒落なお姉さん。いつも微笑ましいと思います。なんだか可愛い〜。

そして、帰路につく空港でも、ボスジャケの着用率はかなり高い。もちろん、ここでもメダルを首から下げている人も多し。

ただし、他の大会でよく見かける足を引きずって歩いている人は皆無です。さっすがだわ。ボストンランナー。


<たかがボストン、されどボストン>
BQ、BQと懸命になってしまいますよねー、最近は。

やはりアマチュア・ランナーの憧れの大会。
一度は走ってみたい大会であることも事実。

私もまた走れる機会があったら、参加してみたいと思っています。
淡々と走って、参加できるのが理想だけど。

思うままに書いていたら、こんなに長くなってしまいました。
長々と読んで下さって、ありがとうございます。

速く走れるようになるのも素敵ですが、心身を労わりながら、末長く続けられたらなぁっと思っています。

どうぞ今後ともよろしくお願いいたします!

p.s. 私でお答えできる事がありましたら、どうぞ遠慮なくお知らせ下さい!

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BQについて
https://www.baa.org/races/boston-marathon/qualify

BQ、今までのcut off の情報、その他の統計はB.A.Aのホームページなどにも出ています。

http://registration.baa.org/2022/cf/Public/iframe_Statistics.htm?fbclid=IwAR28VoBsRYfPj_z7wDgge_DIoy6-_cd9Ao0PrBOaQ3WsicyloPQTSd09vTk

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