南野拓実が復活した理由


そんな南野選手、21-22シーズンまでリバプールで活躍すると、翌シーズンから、
フランス一部(リーグアン)の強豪チーム、ASモナコに移籍します。
南野選手はリバプールという世界有数のビッククラブから移籍してきたことや、約30億円とモナコの中では大きい移籍金で来たこともあり、当時メディアを中心にかなりハードルが上げられていたことを覚えています。しかも、リバプール最終シーズンでは公式戦

しかし結果は、初年度シーズンリーグ戦 18試合 1ゴール 3アシスト 

と、期待されていた活躍はできず。

そんな南野選手ですが、今シーズンは打って変わって大活躍。

シーズン途中の2023 年12月月末段階ですが、 16試合5ゴール4アシスト

8月には、リーグアン月間最優秀選手にも輝いています。

なぜ「復活」したのか。よくいわれているのは、監督が変わって、南野のポジションが変わったことです。
そのポジション変更がどのように作用したのかを言語化し解説していきます!

南野拓実選手の得意なプレー、苦手なプレーは以下の通りです。

得意
•ライン間でのターンで相手をかわす技術
•決定力の高さ
•ライン間で効果的なワンタッチパスなど相手が対応できないプレー
•攻守の切り替えの速さ
•両足で精度の高いパスやシュートが打てる
•守備のプレスの激しさ

苦手
•サイドでの一対一などで相手をかわすのではなく、抜き切る

昨年のモナコ監督、クレマンがどう南野を起用したのか。

さまざまなフォーメーションを試しましたが、私が見る試合は4-4-2が多かった印象です。南野選手は、その左サイドハーフ、左ウィングという左サイドの攻撃ポジションで起用されました。2022年8月21日の試合です。1-4でモナコが敗れた試合を例にします。
クレマン監督が具体的にどのような指示を選手にしていたのかはわかりませんが、ポゼッションの現象として、4-4-2そのままの形でビルドアップしていました。
詳しくは下記画像1の通りです。

図1
図2

図1からわかることは、サイドバックが低い位置でボールを受けそこから南野選手にボールが入ることで後ろ向きでボールを受け、相手のプレッシャーも来るためチャンスが作れません。だから、4-4-2そのままでビルドアップするとチャンスが作りづらく南野選手のせいにされてしまうのです。


また、図2のように運良く前向きでボールを受けられたとします。12番のエンリケがサポートしてもそれにもマークがつかれ、10番のベン イェデルもセンターバックにマークがつかれます。こうなることで一対一になりやすいですが、南野選手の苦手なシチュエーションであることがわかります。しかも、サイドでライン間やゴールから遠いため得意なプレーも引き出せません。それをみたサポーターやメディアは、南野選手のこの現象を見て批判に繋がってしまうのです。
ちなみに、この一対一が日本で最も得意なのが三笘選手です。


続いて、今シーズン。

新監督のヒュッターになってから、南野は
選手は3-4-3の右シャドーというポジションを任されています。
シャドーは、図3の通り、サイドよりも少し内側にポジションをとります。
つまり、南野選手が得意なライン間でボールを受けやすいですね。

図3


図4

そこでボールを受け、図4のようにターンで交わしたりするとと一気にゴールに近くなります。これが戦術的に南野選手が復活した理由といえます。

だから、南野選手はメディアへのインタビューで監督によるシステム変更が良い影響をもたらしていたり、自信を持ってプレーできていると言っているのでしょう。

戦術面が、心理面にも良い影響を与えるということが言えます。

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