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お客様の声:試合を一人の視点だけで見るよりも、色々な人の意見を聞けることは大事だ

《自己紹介とこれまでの経緯》

まず初めに簡単な自己紹介を。
日本で高校時代に選手として過ごしたが、怪我をしてプロ選手を目指す道に見切りをつけ、指導者として活動していくことを決めた。
高校卒業後、アメリカの大学に渡り運動学を専攻、栄養学を副専攻して卒業。その後ロンドンで分析と指導を中心に勉強し、UEFA B コーチングライセンス、メディカルライセンス、分析ライセンスを取得してドイツに渡り指導、分析を行っている。

私が考える理想の指導者は、チームが様々な専門家集団(監督、分析官、キーパーコーチ、フィジカルトレーナー、栄養士、フィジオ、用具係等)の集まりだと認識しながら、その各々の知識があり専門家達と話のできる監督だ。

その第一歩としてトレーナーの勉強をしようと思い調べていると、サッカーのリーグはトップレベルではないものの、アスレチックトレーナーという分野ではアメリカが一番進んでいると話を聞き、アメリカの大学に進学した。

大学を4年間で卒業した後、ドイツでのコーチを目標にしていたが、一先ず英語で資格を取得する方が早いと考え、コーチの勉強をするべくロンドンに渡り、2年半でUEFA Bライセンス、FAが開講しているMedical ライセンス、Prozoneが開講している分析ライセンスを取得した。

Prozoneは本社はイギリスにあり、プレミアリーグをはじめ、全世界、様々なリーグで使用されている分析会社。
このProzoneがコースを開講しており、そこではチーム戦術分析、フィジカル分析、大会やリーグを通しての分析、スカウティングの為の分析と、コースが別れており、それぞれに比重をおいた内容をリバプール大学内で受講する。僕はレベル1〜レベル3まで全て取得した。
はじめに使用方法を学び、チームを組み、課題を与えられプレゼンをするという形。
当時は分析がまだまだこれからという時で僕が組んだ方はバレンシアとポルトで活動している方達もわざわざ受講に来ていた。
ここで受講したことで、どこかチームがProzoneを使っていた際には使用できるメリット、分析のノウハウを学べた。
印象的だったのは現ベルギー代表マルティネス監督の分析は素晴らしいもの、だけど一つの方法であり絶対ではない。でも分析が出来る事で選択肢が広がり、目的達成の道筋が増えると。
今もこの言葉を胸に分析が目的にならないように、一つの手段、強みとなるように心がけている。

また、同時に現地の育成チームでも指揮を執りリーグを戦った。
その後、当初の目標だったドイツに渡りアシスタントコーチと分析アナリストとしてFSV Frankfurt というチームで活動している。
現在はU19を担当して、コーチとして週に数回練習メニューの組み立てや、指導、分析官として選手個人の分析、練習量や疲れ、試合出場時間、フィジカル面から試合のための相手チーム分析、ビデオ作成、ミーティング資料作成をしながらブンデスリーガを戦っている。

育成という事もあり、指導にあたった選手がブンデスリーガーになったり代表に選ばれる事はとても嬉しく、やりがいを感じる。
現在は育成という部分にフォーカスしているが、将来的には分析技術を磨き、それを体現出来る能力のある選手の元で指導していきたい。

《オンラインアドバイザリー経緯》

そんな中、今回オンラインアドバイザリーを受けた。
まずなぜ応募しようと思ったのか。

まず僕は、時間が許せば1日に3試合程試合を観る。年間にすれば1,000試合程観戦している。選手の中には試合を全くみない選手もいた。
だが単純にサッカーを観るのが昔から好きだった。目まぐるしく変わるサッカー界の状況を追っていきたい、変化が楽しい。

そして海外にいることもあり、情報収集をインターネットから得る事も多々ある中、日本サッカー周辺で『言語化』という事が囁かれ始めた。
そんな折、アナライザーさんやらいかーるとさんの分析には前々から注目して拝見していた。そして今回のアドバイザリーの募集があり、日本で言語化を体現している方の意見を聞いてみたいと思い、応募した。

僕の考えでは、現場の指導者以上にネット上のサッカークラスタ達は試合、状況分析に本当に長けているということ。
これはもちろん、現場のトレーニングが上手くできること、チーム作りが上手くできることとは一致しない。
だが、僕の当初の考えであるチームはそれぞれのスペシャリスト、専門家の集まりだということを考えれば、彼らは試合分析のスペシャリストに近いと感じていた。

そして現場で色々な指導者と関わっているとわかるが、そこら辺の指導者より知見、理解力があると感じた。その表現をする過程で使用している映像にもとても魅力を感じた。そして分析の過程、方法、実際に感じたかった。

僕は自分が凄い、興味があると思うことがあれば、それがどんな相手だろうとその人から何かを感じたい、学びたいと思う。
たとえそれが小学生だとしても、僕がそう思えればその人が師になるのである。

《実際にアドバイザリーを受けてみて》

そして実際に今回アドバイザリーを受けてみて、自分とは違う視点、同じ視点などを聞くことができてとても面白かった。
当初は映像だけ見ての分析は素晴らしいけれど、実際現場の監督が指示している内容を聞いた上でどのようにその場面をアナライズしてくれるのだろうか、できるのだろうかと気になっていた。
しかし受けてみると、とてもスムーズでフレキシブルにアナライズしてくれた。
相手や監督がとった形、フォーメーションがこれで、どこにスペースを空けるべきだったのか、選手が動くべきだったのかなどを話し合うことが出来た。

共感した点はこれが正しいというような言い方をせずに、選択肢は他にもあったと話をしてくれた点。強制せずにその場面を冷静に見られている点は現場でもやってる方だと感じた。

《最後に》

今回のアドバイスを受けて感じたことは、自分の根幹は大事だが、試合を一人の視点だけで見るよりも、色々な人の意見を聞けることは大事だと思った。
その中で自分にはなく、良いなと思ったことを取捨選択して取り入れていくこと。
サッカーに限らず、情報が錯乱する中で取捨選択する力を求められる昨今だが、それはサッカーにおいてもまったく同じだ。

現代は戦術がソリッドされ、選手がよりオートマティックな判断が出来るようになると予測される一方で、選手はチームの前提の上で更にリアルタイムでの取捨選択が求められる。これを個人戦術の能力と言っていいのかもしれない。
分析官は映像での流れ、今後は試合中での情報の取捨選択が需要になってくる時代だと思っている。
試合前後に相手やチームの分析を中心とする形から、試合中に監督と話し合い、ハーフタイムでのロッカールームが最重要になる時が来る。

大袈裟かもしれないが、それを再認識させてもらえたアドバイザリーだった。

サポートありがとうございます。ただ、もしよければそのお金で育成環境の改善、試合分析の勉強、ご自身の指導・選手としての向上などに使ってもらえたら日本サッカー界のレベルアップに繋がりますし、嬉しいです。