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人と関わる度にがっかりしてきた私が会った最高の人間

人と生きるとはとても不憫で
期待を持てば裏切られ、
信用しなければ冷たいと言われ、
人に尽くせば利用されてしまう。

私の性格は一番人口の小さいグループのENTJ-T(指揮官乱流型)だそうなので、
『生きづらい』は『仕方ない』。


1.何にがっかりしてきたのか

私は何にがっかりしてきたのだろう。最高の人間に出会った話の前に。

子供時代

大人にがっかりし続けていた。

怒りたいから怒る大人、どなり散らせばなんでも通せると思うオヤジ。いきなり呼び捨てにして、気難しい子供ともうまくやれることをアピールしたがる水泳の先生。暴力と暴言を振るう空手の先生。『子供好き』という年上の信頼できなさ。

家族はもう上の子の子育てを経験しているからか、末っ子の私に飽きていたのだと思う。何をしても当たり前、与える側になろうとも幼さゆえになれない、大人になるまでなにもできないのだと解釈してしまう。

親の教えや方針に矛盾が見えてしまい、がっかりする。人との関わりへの期待値が高すぎるのかもしれない。

関東の園に通っていた。
友達はいい子達で従順だった。

私は、だれか私と同じ勢いできてくれよ、もっと私が知らない刺激をくれよ、という思いを遠足の海辺に打ち上げられたクラゲにペチペチぶつけるだけだった。投げたクラゲがみやのちゃんに当たった。

私が笑ったのでみやのちゃんも笑った。クラゲをさわりたくなかった子達も触りだした。元からクラゲをペチペチしてた私は冷めてしまった。

引っ越しで関東と関西を往復する。
何が私をがっかりさせたって、関西で効くコミュニケーション手法が関東では不快に捉えられることだ。逆もしかり。

関西ではいかにプライド捨てられるか、素を見せて相手と対峙できるかがクールさを決める。
対して関東は
努力してないけどなんでもできます~
あなたが私のことすごいこと悟ってください~
という態度でいられる立場にあるのがクール。
私からすれば、関東のクールはただの恵まれた環境に生まれただけ。

いったい関東の粋な人間は、見せびらかし以外に何ができはりますの?
回転寿司も面白いコンテンツも、いいもん全部、関西で生まれとるんやけど、それら東京に持って帰って金にしてまたその金こねくりまわして、でも技術もない、泥水すする気概もない、カッコ悪なりたくないって調子よすぎとちゃう?
という関東人へのがっかり感から、私は関西派に落ち着いた。

10代

先生にがっかりした。皆質問に答えてくれない。

奨学金をもらって新しいコミュニティに入った、会社や政府機関で働いてみた…
その場所に行くまでが地方、情報、学歴格差で難しいのに、いざ入ってみるとその度にがっかりしてしまう。

どいつもこいつも保身と自分のプライドのためだけで
そこに思想も思考もない。

就職

社会の上に行けば行くほど、金にものを言わせて軸も志もないのにキラキラした者が自己満足の行為をしまくっていた。
軸をもった人はどこぞへ?
私が憧れていたものはなんだったのか?
それはただのプロテインで膨らまされた身体であって機能しないのでは?
それはコーチングではなく誘導質問では?
患者を治す気0、診断書にサインするのが仕事となっている都内の精神科。点数稼ぎの歯医者。
それは外資といいながら日本の会社じゃないか。

皆適当で仮面をかぶっているだけの偽物だった。
本物なんて幻想だったのかもしれない。

2.最高の人

そだち

育ちがいい人がいい、なんてのは婚活市場では聴きなれた言葉なんだろう。
でも、私が最高だと思う人はいつも正反対だった。
自分の地獄を持ってる人。

家族からネグレクトまがいの対応をされて育ち、
ゆえに愛に飢えていて中性的だった。
生きるために愚行をも行い、人に諂う、人に好かれる、騙す、騙されたふりをする、交渉、色事、なんでもできるようになっていたと言う。
関西で体罰を受けながらスポーツをやりとげ、団体をまとめ、戦略に生き、世と人への洞察に優れていた。そしてその力を社会のために使う人だったし、関西で鍛えられた話術も秀逸だった。

生き様


自責の念や後悔、苦しみを幼い頃に学んだからこそ、己の軸を持ち、覚悟をもって判断を下す事ができる人。

コミュニケーション


何を質問してもほしい答え以上の回答をくれたし、
えらそげに難しい言葉を遣うのではなく
私の脳みそレベルに砕いて話してくれる人。

そこに傲りもオナニーもなく、
キラキラしたワードで本質を隠そうなんて意図はなく、
強いて悪いことを言うなら、
沢山のことを経験したからこそ、苦しみながら選んだホモソーシャル気質が時々垣間見える。

苦しみが分かってしまうからこそ、人に優しい人間だった。自己犠牲も命も厭わずすべきことをする人だった。

人垂らし、と呼ばれているこの方を、
私は悪く思わない。
周りをたらすべくして生きてきてくれた、とさえ思ってしまう。
よく新卒でリクルートに入った男が
『人タラシって言われるんですよ』なんてふざけた事を抜かしていたが、違うと思う。垂らして喜んでる時点で人垂らしにはなれていないのだ。

本当の最高の人は私のことを『優しい』『普通レベルに賢いからコミュニケーションが可能だ』『有能』と言っていた。
私があなたの人生を乗っ取ってしまいたい、と願っているから、そう言ってくれたのかもしれない。

こんな風になれるなら、
私も殴られながらスポーツをやりとげ、
ホモソーシャル気質を備えたいとさえ思ってしまった。

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