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The Economistも毎日配信のニュース番組を開始。情報収集手段として注目のポッドキャスト

創刊175年を迎えた老舗政治経済週間誌「The Economist」が平日の毎朝6時(米国東部時間)に配信される20分程度のポッドキャストをスタートするようです。エコノミストは既に5種類ものウィークリーのポッドキャストを配信してますが、今回スタートする「ザ・インテリジェンス(The Intelligence)」では、主要ニュースの分析や読み物、軽いトピックなども織り交ぜた構成で毎日配信されます。必ずしもヘッドラインを追いかけるのではない、エコノミストらしいコンテンツを配信するつもりだ、とDigiday の記事で紹介されています。

海外、特に欧米のニュース視聴や情報収集の手段として「どうやらポッドキャストが流行っているらしい」と聞いたことがある方もいるかもしれません。ただ、今回のエコノミストの試みを知り、改めてここまでトレンドが進んでいるのか、ということに驚きました。

2年ほど前から気になっていて、折に触れて聞いているニューヨーク・タイムズの看板ポッドキャスト番組「The Daily」は、今では500万人の視聴者を抱え、その他の大手主要ニュースメディアも次々と毎日配信のポッドキャスト番組をスタートしています(いずれも2018年に配信開始)。

ワシントン・ポスト→"Post Reports "
フィナンシャル・タイムズ→"FT News"
ガーディアン→"Today in Focus"
BBC→"Beyond Today"

ロイヤリティの高い視聴者を獲得し、ブランド認知を高めた上で新規購読者獲得を目指す意図はもちろんありながらも、広告の機会としても魅力的な場所となりつつあるようです。エコノミストのポッドキャストには既にインテルが出稿を予定しているとのことです(プレスリリース)。

日本ではあまり流行っている感じのしないポッドキャストではありますが、欧米のトレンドを見渡すと本当にポッドキャストのトレンドが「来ている」と感じます。

ポッドキャストの統計データに関するインフォグラフィックによると米国では44%はポッドキャストを聴いたことがあり、49%は家で、22%は車の中で視聴するとのこと。その他にもポッドキャストの成長ぶりを示す統計データはこちらのページに数多くまとめられています(広告費の上昇、国別の浸透度比較など(韓国が世界で一番)。

ざっくりとした印象ですが、ポッドキャストを聴く人は配信者が自分だけに耳元でささやいてくれているような親近感を感じやすいメディアであると感じます。かつて深夜ラジオを聞きながら「ハガキ職人」(もはや昭和用語ですね)をしていた人には懐かしい感覚かもしれません。エンゲージメントがとても高く、全エピソードを全て聴いているファンも数多くいる、という話も以下のデータで示されています(全てのエピソードを聴いている人は35%!、ほとんどを聴いている人は45%だそうです)。

日経新聞社がVoicyと業務提携、新しいメディアとサービスを共同開発というリリースも今月始めにありました。「スマートフォンの次」として「音声に注目」というのは、シリコンバレーの著名投資家であるアンドリーセン・ホロウィッツ氏も次のように語り、その重要性を強調しています。

「現在、本当に重要なのは音声です。音声は一般的に重要性を増していて、特にAppleにとってのAirPodsはホームラン級の大当たりです。これはその小ささ故に、どれほど重要なものかがあまり認識されていないプロダクトなのです。ですが、基本的に必要ならばいつでも利用者の耳に届く音声だという意味で、私はこれがとてつもなく重要なものだと思っているのです。

ちなみに、個人的におススメの仮想通貨・ブロックチェーン関連のポッドキャストが2つあり、最近よく聴いています。一つ目は元Forbesのライター、ローラ・シンさんによるもので、クリプト業界の著名人をゲストに招いて分かりやすくホットなトピックについて毎回1時間程、奥深くまでインタビューが行われます(最近サイトがリニューアルされ、過去全ての番組の文字起こしを閲覧することが可能になりました)。2つ目の「あたらしい経済」は幻冬舎により運営されていますが、国内の文脈を丁寧に踏まえた仮想通貨・ブロックチェーン分野のトレンドを、分かりやすくコンパクトにレポートしてくれています。

ぜひご興味ある方は以下の記事もご覧になってみてください。2019年、ポッドキャストブームが国内でどこまで拡がるか、興味を持って注目してみたいと思います。


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