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【レビュー】 まさかの久保トップ下起用 第32節 ヘタフェ - レアル・ソシエダ

6位以上が今季の目標として定まったソシエダ。
前節は20位アルメリアを相手に痛いドローでの決着となり、次節には首位レアル・マドリードとの対戦も控えている。
良い流れでシーズン最終盤を迎えるためにも、アウェイとはいえ、勝たなくてはならない試合となる。



コンディション

  • スベルディアとスビメンディが出場停止

  • マジョラルが負傷により欠場

空中戦が多くなるヘタフェとの試合で、スベルディア不在は痛い。またビルドアップの点でも主軸を担っていた両名を欠くということで、攻撃面にも影響を及ぼすものと思われる。
ヘタフェの方は、得点源のボルハ・マジョラルが先月に大怪我を負ったことで、スコア的に物足りない試合が続いている。

スターティングメンバー

4-2-3-1 対 4-3-3

スベルディアの代役にパチェコ、ボランチにトゥリエンテスを起用。他は前節アルメリア戦と変わらない。
その試合で調子の良かった、両サイドとインテリオールの連携に期待。



試合結果

スタッツ

相手コーナーを0に抑えたのは素晴らしい

交代

  • トラオレ → オドリオソラ

  • バレネチェア → 久保

  • ベッカー → サディク

  • ザハリャン → アリッツ

  • ル・ノルマン → ティアニー

得点

  • バレネチェア (アシスト:ベッカー)


試合内容

両チームの思惑がしっかり見て取れたという点では、面白い試合だった。

ソシエダのビルドアップ

ヘタフェは守備時に4-4-2に移行する。そのため4-3-3のソシエダにとっては噛み合わせが良い。中盤のエリア(緑枠)で数的優位が生まれるからだ。ただし、ボランチだけで考えれば常に数的不利。なのでいかに相手の中盤、セカンドラインを越えるかがソシエダのビルドアップの肝となる。

一方のヘタフェは後方からのロングボールを多用する。ペナルティエリアの角あたりを狙ったボールを味方FWに競らせる。うまく収まらなければ、セカンドボールに対して素早くプレスをかけて奪い返すという戦術が特徴的だ。

この試合でもル・ノルマンとパチェコが競り合うシーンはやはり多かった。同様に、ボールの出しどころが無いトゥリエンテスが、プレスに引っかかってロストするシーンも度々見られた。


前半13分、ソシエダの先制ゴールから振り返る。

パチェコからのビルドアップ。相手20番が正面をブロックし、14番が中へのパスを切る。フリーのル・ノルマンに横パスを預けたタイミングで、14番がスピードを上げてプレスに来た。

ル・ノルマンはレミーロにバックパス、と見せかけてのターンで14番をいなす。すぐさま相手MF間に縦パスを通し、セカンドラインを抜ける。
ザハリャンがトラップと同時に前を向いたことで前線で5対4の数的優位が生まれた。(パスのスピードもトラップも、めちゃくちゃレベル高い)

ヘタフェの中盤4人が全力で戻る。だがソシエダも一切スピードを落とすことなく、ベッカーを経由しバレネチェアでフィニッシュ。
パスもクロスもヘッドも、全てのプレーが一級品で美しいゴールだった。



ヘタフェとの噛み合わせ

先制したものの、その後はあまり良い崩しが見られなかった。
これにはフォーメーションとしてではなく、ヘタフェというチーム自体との噛み合わせに問題があるように思われる。

ソシエダは3トップが前から積極的にプレスをかけにいくチームだ。
対してヘタフェの4バックはパス回しで丁寧に崩していくということにはこだわらない。自陣の低い位置からでもロングボールを放り込んでくるため、全体が間延びしてきてしまう
結果、ソシエダの両ウイングにボールが入っても相変わらず孤立してしまうケースが散見された。もう少しコンパクトなエリアで試合が展開されていく方が、ソシエダ的にはパスや連携にリズムが出やすいだろう。
この辺は、ヘタフェのボルダラス監督の意図するところだとも思うが。



まさかの久保トップ下起用

ここまで最前線のオヤルサバルに良い形でボールが入っていなかった。
そもそもの話だが、オヤルサバルは9番タイプではない。オフザボールの動きや味方との連携、シュートを含めたワンタッチプレーで力を発揮する。

同点のままなんとなくヘタフェの流れが続いているところに、アルグアシルはサディクを投入し、ツートップに切り替えた。

後半20分からの3-4-1-2

ツートップは時々あったが、久保のトップ下起用は今季初。驚いた。
3バックにして攻撃の人数を増やしたのも良い。ハビ・ガランの前を空けたのも良い。ロングボール対策にメリーノをボランチに下げたのも良い。オヤルサバルの活躍も期待できる。
なんたってついに久保をトップ下で使ったのが最高すぎる。

残念ながらこの後スコアが動くことはなかったが、ソシエダの攻撃は久保を起点に活性化したのは間違いない。キープ力を活かした溜めで味方の上がってくる時間を作ったかと思えば、アイディアを感じるポジショニングからのドリブル突破でチャンスを創造する。もちろんディフェンスだって手を抜かない。
どこかシルバ味を感じるプレーに、やっぱり久保さんが一番だなと改めて。



次節を見据えて?

次節はついに首位レアル・マドリードとの対戦になる。
ソシエダの次にマドリーを推している身としては、とても楽しみにしていた一戦だ。もちろん今季のマドリーはとても強い。実力的にももちろんだが、それ以上に、とにかく勝負強いという印象が先行する。

そんな大一番を目前に控え、右WGは好調なベッカーなのか久保なのか、なんて言っているのはとても勿体無い話だと思っていた。だがこのヘタフェ戦のラスト30分の3-4-1-2なら共存できる。次節を見据えて久保のトップ下を試したという側面もおそらくあっただろう。

どんな試合になるのか想像が尽きない。
あぁ、楽しみすぎる。

https://g.co/kgs/1i823oY

ベティスとバレンシアがすぐ後ろに…


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