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ワンド9のカード


頭に傷を負っている男は、かつての敗戦経験から、不安や恐怖でとても慎重になっている。彼にとっては、守備をしっかりすることが最大の任務なわけで、能動的エネルギーは失われたままだ。

よくよく考えを巡らせてみれば、守備体制は一概に弱さとは言えない。動きはないが、男は、逃げ出してはいない。むしろ、屈しない精神力がうかがえる。


会社組織に所属している場合、会社の方針に従う事は当然の務めであり、
また上司の指示に従う事は、慣れない新人であれば、仕事を覚える上でも欠かせない。


傷を負ってもなお、諦めずに頑張る兵士の姿は、会社組織の新人になぞられる。やがてスランプに打ち勝つであろう未来が目に浮かぶ。

このカードのアドバイスがあるとすれば、受身体制は、決して弱さではないという事。目の前の困難さや障害を乗り越えて、いつの日か成功してみせるという、気構えがそこには潜んでいる。決意と勇気を携えた立派な守備体制なのである。


もう一枚のカードを見てみよう。
洞窟から解放された女性からは、開放感と安堵感がみてとれる。

守る事と解放する事は、表裏一体の対義語であるといえよう。守る事を十分に行った後には、身体と心の準備が整い、やがて、自由な活動の世界へ変化するのである。

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