完璧じゃなくても

中学生の頃、テレビで見たJUDY AND MARYのボーカルYUKIさんのあまりの可愛さにノックアウトされ、以来自分の中での熱の上がり下がりはあるものの20年以上ずっとYUKIさんが好きです。
JUDY AND MARYの解散ライブのとき、まだインターネットがそこまで高速でも一般的でもなく、かつ世間知らずでチケットの取り方もわからなかったので、友達に付き合ってもらって朝かなり早く起きて「ぴあ」の売店に並んだものの、即効ソールドアウトしたためチケット買えずに撃沈して帰りミスドで友人に慰められたのは今となっては良い思い出です。

その後大学生になり、ソロ活動を開始したYUKIさんのライブにもちょこちょこ行けるようになりました。しかし、ある時期から彼女の人気がすごいことになってチケット全く買えなくなってしまったのと、「まぁそこまで行かなくてもいいかな・・・」みたいな自分の熱の波のタイミングもあって、スタジアムツアーやソロ10周年のドームは行けずじまい。
あと、この頃はYUKIさんの喉の調子が決して良いと言えない時期でもありました。時々テレビで歌っているのを見ても画面越しにヒヤヒヤしたし、実際キーを下げたりしていた。コンサートに行った友人からも「声が出ていなかった」という話を聞いたりしていました。
JUDY AND MARY全盛期の頃から彼女の信じられないくらいのパワフルな声を聞いていた身としては、「あのYUKIさんが声が出ないなんて・・・」と悲しくなり、その悲しさややるせなさも相まってしばらくライブにはいかない時期が続きました。

そして時は2018年。なんと岡村ちゃんこと岡村靖幸とYUKIさんが、武道館で対バンをすると情報が飛び込んできました!!!!!
この時期、あんなに距離をとっていた岡村ちゃんに何故だか段々心が惹かれてきており、YUKIちゃんも出るしせっかくならライブ行ってみようかなと当日券ねらいでのこのこと武道館へ。本当に最後尾ではありましたが、チケットも普通に買えました。武道館の傾斜は急なので、立ち上がって見るのがかなり怖く、私は岡村ちゃんを座りながら聞いていたような気がします。
「これが岡村ちゃんのライブ・・・!!!!」噂に聞いていたとおり、ライブ中の岡村ちゃんは歌って踊って楽器を弾いてに専念し、MCは他のバンドメンバー任せ。しかしキレッキレの歌とデンスは最高で、その後私はすっかりベイベになりました。

そして問題はYUKIさんです。先述した通り、YUKIさんの声の調子が悪いことは知っていたので、それも覚悟の上だと自分を言い聞かせ、失礼極まりないですが、そこまで期待せずに彼女の出番を待ちました。
そしてはじまった出番。1曲目は「プリズム」でした。

あれ、、めっちゃ声が出ている…?!?!??!というか、すごい力強いぞ…????!?!?!??!

私は非常に困惑しました。声が出ないプリズムを過去に聞いて、悲しい思いをしたことがあったからです。
あれれ???どうしたんだYUKI?!?!?!?!

その後、「ランデヴー」で踊り出すYUKIさんを武道館の一番後ろの席から見て号泣しました。。YUKIさん、復活している・・・
「復活」という言葉はひょっとしたら適切ではなく、むしろ「進化」しているというのでしょうか。
とにかく、声のパワフルさはこれまで以上でした。このコンサートの最後には、なんと岡村ちゃんと共演して「だいすき!」や「あのロン」を歌ってくれたのですが、「イケナイコトカイ」では岡村ちゃんがYUKIさんの声量とパフォーマンス力に驚いたのかピアノバンバン叩いて拍手をしていたと記憶しています。YUKIってすげーーーーーーーーー、と本当に思いました。
声がでない、というのは、悲しいかなファンも認めざるを得ない事実でもあり、パフォーマンスを見るたびに苦しい気持ちにもなっていました。もうあのパワフルな歌は聴けないんだな、と本当に思っていました。
それが、今は新しいYUKIさんになって、また元気に歌を届けてくれている。

声の調子がいまいちだったときも、YUKIさんはずっとライブをしていました。そして、歌うことを諦めずに、その姿をずっと会場にあつまった人たちに曝け出していました。当時、よく彼女は「今日は、上手に歌うのではなくて心を込めて歌います」と言っていたのだけど、本当にそうだったと思う。今思うと、コンディションが絶好調じゃなくて、本人も悔しいことがたくさんあったのかもしれないけど、それでもずっと私たちの前で「歌う」ことを続けていたYUKIさんは本当にすごい。
だから歌って、完璧じゃなくていいと思うのです。特にライブの場合は。それよりも、観客との一体感というか、コミュニケーションを音楽を通じていかに取り合うかがきっと一番大事で、一番心に残るのではないかと思います。

なので、私はルセラのコーチェラ1週目は本当に素晴らしかったと思っています。「やってやる!!!!!!!!!」という勢いがすっごくあって、気迫があって、とってもカッコよかった。
コンサートは、生だから本当に面白いです。これからも、いろいろな音楽を浴びに、コンサートに行きたいです。