"タイムマシン ストックオプション"のメリットまとめ
前回書いた"タイムマシン ストックオプション"の続きです。
前回は"タイムマシン ストックオプション"のスキームの概要等と、大まかな効果を記載しました。
今回の記事ではより具体的にどのようなメリットがあるのかについて説明したと思います。
"タイムマシン ストックオプション"に興味を持った方は、お気軽にinfo@soico.jpまでご連絡ください。
まずは従来のSOの問題点の確認
"タイムマシン ストックオプション"のメリットを解説に当たり、まずは従来のSOの問題点について確認したいと思います。
従来のSOの問題点を解決するために"タイムマシン ストックオプション"が作られていますので、
従来のSOの問題点を認識していただくことで、より一層"タイムマシン ストックオプション"のメリットが理解しやすいかと思います。
従来のSOの問題点
1.SO発行時点でバイネームで割当先を決めなければならない
従来のSOは、発行のタイミングで割当先の役職員を決めなければなりません。
ですのでよくある失敗として、活躍を期待して最初に多くのSOの付与を約束してしまい、入社してみたら思ったように活躍せず、SOを付与したことを後悔するという事態が発生します。
2.事業拡大によって行使価額が高くなり、キャピタルゲインが減る
SOは事業拡大と伴に行使価額が高くなり、将来株に転換し売却する時のキャピタルゲインが小さくなるという問題点があります。
そのため、IPO前の上場準備のために入ったCFOなどは、行使価額が高くなったSOしかもらえず、株数をある程度もらっても、創業当初からいる従業員よりもキャピタルゲインが少ないという事態が生じます(もちろん創業期にリスクを取って入社した人が評価されるべきですが)。
3.税務が複雑、税率が高い
従来のSOは税務上”給与”と見なされ、株に転換したタイミング(売却していないタイミング)で課税され、税率も給与と同じく総合課税となり最大約55%が税金として徴収されます。
4.創業者に割当できない
従来のSOは、3で記載した税務上の使いにくさを解消するために、「税制適格ストックオプション」という形態で発行することが一般的です。
税制適格ストックオプションとすると、株に転換した際には課税されず売却時にのみ譲渡課税として約20%のみの税金がかかります。
しかし、この税制適格という要件を満たすためには、複雑な要件を満たす必要があります。
その要件の1つとして、議決権を1/3以上保有する者には割当ができないという要件があります。
そのため、従来のSOは実務上、創業者には割り当てることができないという事になっていました。
"タイムマシン ストックオプション"であればこれらの問題点を解決できます
"タイムマシン ストックオプション"がなぜこれらの問題点を解決できるのか解説していきます。
1の発行時に割当先をバイネームで決めなければならない問題については、"タイムマシン ストックオプション"では一旦SOを信託に割り当てます。
そして、信託にSOが入っている間は、ポイントプログラムにて将来SOと交換できるポイントを役職員に付与します。
ですので、SOの発行時にSOをバイネームで割り当てる必要はなく、SO発行時に入社していなかった役職員に対しても創業当時の行使価額の低いSOを付与することが可能になります。
また、このポイントプログラムを使うことで、対象者の成果に応じてSOを付与するということも可能になります。
従来のSOでは、入社のタイミング等でSOの付与を約束しなければならない場合が多く、また、入社したあと業績が拡大すると行使価額が高くなってしまうため、成果に応じた付与ということができませんでした。
この点、"タイムマシン ストックオプション"であれば、低い行使価額のSOを信託に保存しておくことができますし(この点がタイムカプセルに入れているようなので、"タイムマシン ストックオプション"という名前にしています)、
ポイント付与プログラムにより、成果に応じたSOの付与ということも可能になります。
2の事業拡大によって行使価額が上昇してしまいキャピタルゲインが減ってしまうという問題については、
上述の通り、"タイムマシン ストックオプション"では行使価額が低いうちに、信託にSOを保存しておく形になりますので、事業が順調に拡大した後でも、行使価額の低いSOを役職員等に付与することが可能です。
3の税務が複雑、税率が高いという問題については、"タイムマシン ストックオプション"は、有償ストックオプションを信託に入れる形を取りますので、SOをもらった人の課税関係は、売却時の譲渡課税(約20%)のみとなります。
税務は非常にシンプルかつ税率も低くすることができます。
4の創業者にSOの割当を行うことができないという問題については、3の問題で記載した通り、"タイムマシン ストックオプション"では税制適格・非適格という議論自体が出てきませんので、
税制要件を満たすために議決権を1/3以上保有する者に割当ができないというような問題は発生しません。
最後に
"タイムマシン ストックオプション"は、現在考えうるSOに係る様々な手法、法律等々を駆使した総合ソリューションとなっています。
採用での惹きつけとして使うのも最適ですし、
最近ではクライアント様の中には、非常にユニークな使い方をしている会社もあります。
具体的にご相談頂ければ、そのような使い方についてもご紹介させていただきます。
ぜひお気軽にご相談下さい。(info@soico.jpまでご連絡下さい)
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