農園、今年の野菜作りスタート
今日は4月5日、二十四節気の「清明」。春先のすがすがしい青空が広がる頃とされ、八戸も暖かく青空が広がる日が多くなってきました。
農園での野菜作り、今は夏野菜を中心に育苗しています。野菜はすべて固定種や在来種の野菜です。
育苗には高い温度が必須なので、専用の小さなビニールハウスで行っています。
今回はそんな野菜作りのスタートとなる育苗の様子をお伝えします。
今はまだ育苗中です
農園での野菜作りは種まきと育苗からはじまります。
2月ごろから始めて5月中旬までは育苗作業が主になります。
現在育苗しているのは
ナス、トマト、ピーマンなどの夏野菜
ケール、ブロッコリー
春菊、レタス、小松菜などの葉物類
コンパニオンプランツになるハーブや花
などなど。どれも2~3月中に種まきをしたものです。
育苗スタートは真冬の2月!
野菜の成長度合いはもちろんそれぞれ違っているのですが、栽培期間を大まかに分けるとこのようになります。
「トマト類」
種まき~育苗 2ヶ月 開花(この頃に畑に苗を定植)~収穫 2ヶ月
「ナス、ピーマン」
種まき~育苗 3ヶ月弱 開花~収穫 2ヶ月弱
「ケール・レタス類」
種まき~育苗 1.5ヶ月 定植~収穫 2ヶ月
「スナップエンドウ類」
種まき~育苗 1ヶ月 開花~収穫 1ヶ月
これは種袋に記載されている「標準栽培期間」などを参考にしたものですが、私たちの農園ではこの期間よりももう少し時間がかかります。
気温の低さや日照時間、肥料を使わないことが影響して、成長がゆっくりなのだと考えています。
この栽培期間をふまえると、7月に収穫したいトマトやナスは2月中旬ごろには種まきをしなければならないですね。
八戸の2月は極極極寒…
ところが八戸の2月というのは、想像していただけると思いますが、極寒です…。
日本では2月はだいたいどの地域も寒いのですが、北東北なので…極寒と書かせていただきます(筆者は寒いのがものすごく苦手です)。
気象庁のデータで八戸市の2月の平均気温(1991~2020年)を見ると、
・日中の気温 -0.2度 最高気温の平均 3.6度 最低気温の平均 -3.7度
ちなみに東京都内は、
・日中の気温 6.1度 最高気温の平均 10.9度 最低気温の平均 2.1度
八戸、寒いですね…でも当たり前ですが全国的にみても寒い時期です。
種を植えるとき、発芽に必要な地温があり、それを「発芽適温」といいます(種袋の裏などに書いてあります)。夏野菜の発芽適温は25〜30度くらいです。
平均気温を見てもわかるとおり、2月は外の畑に種をまいても野菜を育てられる気温ではありません。
(西日本の暖かい地域だとどうなんでしょう?可能なんでしょうか?)
そのため2月に種まきをして発芽させるためには、暖かい環境を作って保温することが必須です。
まずは育苗ハウスを整えて
発芽・育苗に最適な環境にするために育苗はビニールハウスで行います。2月の上旬からハウスを整えていきます。
ビニールハウスの中にさらに小さくて簡易なビニールハウスを設置し、そこに電気の保温マットや電熱線を敷き、そこにもトンネルを作ってビニールをかぶせて熱が逃げないようにしています。
こうすると、外は雪が積もっていてもハウス内の気温は、晴れた日で8〜10度くらい、曇りや雪の日は3〜5度くらいになります。
そして電熱線上におかれた育苗土の地温は、発芽適温の20〜25度くらいになります。
極寒の中で種まき
この2重・3重のビニールハウスの中で種まきをした夏野菜たちを見守ります。
ビニールハウスの中とはいえ、ちょっとしたことですぐに温度が下がってしまうので、温度確認はこまめに行います。とくに発芽後は寒さで苗がすぐにダメになってしまいます。
しかしビニールを厚くかけているとお日様の光を浴びることができないので、温度に注意しながらビニールを外して明るくするなどします。
そうこうしているうちに、頼りなげな苗たちも3月中旬ごろに双葉から本葉が出てきて、茎も太く大きくなってきます。温度管理にはまだまだ注意が必要ですが、少しほっとするのもこの頃です。
3月末の野菜苗たち
今はこんな感じです。
トマトは花が咲くくらいまで大きくしたいので、倍ぐらいの背丈にまでしたいところです。
まだまだ小さいですが、ゆっくり少しずつ大きくなってくる様子にほっとしたり、逆にほかのことに気をとられているうちにあっという間に大きくなっていて、成長の早さに驚くこともあります。
植え付けまではあと1か月ほど。
育苗作業はもう少し続きます。
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