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ハンチバック

思ったよりページ数少なかったので書店で立ち読みできるかと思いきや、なかなか立ち止まる箇所が多くて結局連れて帰って読了。

あらすじなんかはほかの人が書いてると思うので割愛。だけど、書き進めていくうちにネタバレになったらごめんね。いや、ネタバレとか言うのとは違うのかもしれない。ストーリーが分かったところで読んでみないと感じるところが違うというか、受け取り方もその人次第で変わるから、何通りもの「ネタ」が仕込まれている気もするから。

女性作家が性的な描写をすると眉をしかめる人が多いのは、読者数が多いのと比例するのだろうか?
女性の自慰行為も未だ「ありえない」と信じてる人たちは多くいるし、アイドルやモデルがうんこしないとか鼻くそほじらない、と信じてる人と同じくらい多いのかもしれない。にんげんだもん、毎日いろいろしますよ。

今回は、作者自身が父親の反応なんかを語ったらしいから余計にそこだけ強調されて報道されている向きもある。

瀬戸内寂聴や村山由佳が赤裸々に描いた小説に父親や母親が意見したとか話題にしますか?しませんよね?
そこからして作者が『身障者』で『守られるべき人』的な扱いをマスコミがしてるみたいでちょっとね、と思ったし、そもそも『身障者』ってひとくくりにできない幅広いワクグミなんだと思う。

この本の中で「紙の本が重くて持てない」エピソードが出てきて身障者に不平等である的な主張があるのだけど

じゃあ盲目の人は?すべての書物が点字化されるのはかなり難しい。
じゃあ失読症の人は?音読してもらうっていうのもかなり難しい。
じゃあいわゆる「健常者」でどんなに重い本だって手に取って読めるのに「読む能力が欠けてる人」は?

無いもの探しは永遠と続いてしまう。

私は健常者なので、身障者のつらさとか不自由さは明確に想像できない。
だから かわいそうとも思わない。
気の毒とも思わない。

きっと、今生ではそんな風に生かされていく意味があるのだろうし
私がこの先、身障者にならないなんて保証もないし

ただ、どんな作品にもいえるけど
その作家にしか創造できない「世界」を見せてくれるのが小説だと思う。

読み進めるうちに、作家の力量が伝わってきたのも事実である。
「絞り出すように」書き上げた作品だと思う。そこに身障者とか健常者とか関係ない。あるのは「作家魂」。

短めのセンテンスに込められた思い、独自の言い回し。

そういえば、私は「抽送」という言葉を初めて知った。
男性器の出し入れ、つまりピストン運動のことらしいけど

おんなが上にまたがって出し入れしてる時も使っていいのでしょうか?
動いてるのはこっちだけど…

いつもながらまとまらず申し訳ございません。

では

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