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底のほうってこんな人

大人になれば結婚して子供を作ることが
普通だと思っていた昭和生まれの自分
20代前半にお客さんと店員として出会い
なかなか別れられない男性と結婚
その先になにがあるかなんて考えもしなかった

私は子供の頃、住居を転々として育った
小学校は7校、中学校は2校経験した
高校はもう転校したくないと抵抗をして
初めて3年間入学から卒業まで通えた学校だった

理由は父
口ばかり達者で何かを始めては
上手くいかず壊し放置して逃げる
言い訳をしながらまた別の場所で始めるの繰り返し
それに伴って自分の住処も変わっていった
常に転校生で新しい友達を作る必要があった
方言や習慣も違う中、友人を作るために人の顔色を窺い続けた

母はその父を支えるためにひたすら働き
家にいなかった、常に出稼ぎに行っていて
たまに家にいる人
帰ってきてもいつも疲れていて
甘えるなんて無理だったし
家にいる時に休まないと休めないって分かってた
そんな家庭に育ったので勝手に自分は
帰宅したらママが家にいて3時のおやつが出てくる
普通の家庭を作るんだと信じていた

でも、どうやっても別れられなくて
結婚した男性はバツイチだった
前の奥さんとの間に3人子供がいた
(付き合ってかなり経ってから知った)
付き合い始めた時は働いていたが
仕事を辞めてから精神的に病み働けなくなった
妊娠したから頑張ってくれるかなと思っていたが
そうはいかなかった
すでにもう自分が思っていた普通とは違った

でも生まれた娘は可愛いかった
生まれたてなのに首が動いてたし
よく寝るし、あまり泣かなかった
早めに歩き、卒乳もおむつも苦労しなかった
子供の頃は手のかからない子だった

でも、働かないと生きていけないから
子育て中でもできるネット販売を始めた
当時はネット販売は少なく、オークションなんかも使って
なんとか生きていく分は稼ぐことができた
でも徐々にレッドオーシャン化していき
厳しい状況がつづいた

その頃には、娘も小学生になっていたので
自分が働きに出ることにした
なんの資格もないバブル期の短大出の自分に
正社員として十分なお給料をくれる所はなかったので
ひとまず契約社員として近くの書店に勤めた
大好きな本と一緒にいられると喜んだが
配属先はレンタル部門
綺麗にして貸し出しても汚く傷だらけで帰ってくるDVD達
研磨してもしても傷だらけで帰ってくる
何かわからないものがこびりついたアダルト作品達
食べかすや飲み物で汚れた子供向け作品達
自分の子供のように思えて切なくて悲しかった
他にも毎週大量に発売される新作に埋もれ疲弊し退職した
本を並べて働きたかった

次に勤めたのは県内のブランド鶏の普及員という名の
スーパーによくいる試食販売の仕事
毎日、ホットプレートでブランド鶏を焼いて売る
日々違うスーパーでその日の分を販売したら仕事終了
日給だったのでどれだけ効率よく売るかに注力した
同じ作業の繰り返しが苦痛なADHDの自分には適した仕事だった
だって毎日職場が違うんですもん、全く飽きがこない
小さなスーパーだと準備量も少なく午前中で帰ることもできた
気に入っていた仕事だったのに、同僚の男性に言い寄られて辞めた

次は少しでもお給料がとりたいと思い、転職活動を頑張った末
大手通販会社の契約社員になることができた
最初は受信の注文要員だったが
しばらくしてなぜかカスタマーサービスへ移動させられた
毎日違うお客様へさまざまな商品の使い方や故障の対応など
お客様の困っている状況を聞き取り症状を改善させることが
とてもとても楽しかった
これは一番性に合っていた為、しばらくは幸せだったが
ある日急にクレーム部門へ回されることになった
上席対応率が少なく適性があると判断されたと言われた
HSPは電話越しでも相手の空気を読むのが得意なんですとは言わなかった

大手通販会社のクレームはもうすさまじいもの
さらにSV達が何次対応したかもわからないくらいの歴戦のお客様
上席対応はもうできない最終地点
東日本大震災やテレビの地デジ化などさまざまな要因も重なり
今までのようにお客様に寄り添う事も難しい状況の中
メーカーへの交換や補償交渉までやらされ
お客様へNOを言い続ける毎日で心が壊れた
電話がなると蕁麻疹と吐き気がとまらなくなり
毎日300~400名のオペレーターがいる社内は盗難も多く
財布からお金を抜かれたりなど悲しい思い出しか残らなかった

そんな自分を正社員として拾ってくれたのが今の会社だ
いわゆるサービス業だが、個人の裁量が広く自由度が高い
毎日、慌ただしいが違う業務なので自分には合っていた
なんの資格もなく、実績のない女に対して
面接時に定年まで働けますか?と聞かれた
本当に拾ってもらったと思った
その方に任せていただいた店長業を今頑張っている

私、底のほうと申します
こんな普通じゃない出自の女ですが
よかったらまた来てください

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