異世界アニメのお約束_2023.6.24

友人はたまに「異世界系」のアニメや漫画について、僕に聞いてくることがある。それは僕が大学4年間、ひたすらに《小説家になろう》でネット小説を読み漁っていた、という自慢できない実績に基づいている。

友人とアニメ『無職転生』の話をしていたとき、友人に「無詠唱って何?」と聞かれた。どうやら作品内に“無詠唱”という言葉が出てきたが、説明がなかったのだろう。僕は呪文を唱えずに魔法を使うことだと伝えた。

そのほかにも「異世界系のやつって、エルフとか獣人って何でよく出て来るの?」という質問もされた。そういう質問をいくつかされて気づいたのだが、異世界系の作品は約束事が多い。暗黙のルールと言っても良い。

例えば、エルフは美男美女で長寿で、魔法が得意。ドワーフはチビで酒飲みで、馬鹿力。呪文は基本的に詠唱するが、強者は詠唱をしなかったりする。そして世界観は中世ヨーロッパ(だけど設備は近代ヨーロッパ)など約束事だ。これらは「異世界系」の基本フォーマットと言ってもいいだろう。それくらいのお約束だ。

このフォーマットはネット小説ではほぼ共通してるように思う。事実、そのためそれらルールについての解説がないことも多々ある。

「え?無詠唱とか高速詠唱とか、言わなくてもわかるっしょ??」みたいな空気がある。

なので、基本ルールを知らない人が「異世界系」アニメを見たら、どういうこと?となるのも当然だ。
ましてや、そのフォーマットにはそこまで深い意味はないことも多い。友人はエルフや獣人など種族が多数出る意味を聞いてきた。しかし、そんなの「その方が楽しいから。以上。」だと思う。

乱暴かと思うかも知れないが、逆に「そんなに考えないで楽しめるよ!!」という表れだと思う。

異世界系フォーマットは、知らない場合こんなデメリットもある。しかし、もしフォーマットを1度理解してしまえば、ほぼ全ての作品に応用可能できるというメリットがある。

そうすると、色んな異世界系作品に触れるハードルが一気に下がる。新しい作品に触れる時は、世界観を理解するために頭を使うが、フォーマットを知っていればその頭も必要ないのだ。素晴らしいシステム。まさに「そんなに考えないで楽しめる」システムだと思う。

友人がフォーマットを覚えて、たくさんの作品に触れていくことを願う。



あと関係ないけど、最近、小説家になろうに投稿されてる『アルマーク ~北の剣、南の杖~』のコミカライズ版の一巻が発売して嬉しかった。小説の面白さをとても上手く漫画で表現し、さらに魅力引き上げていた。2巻の発売日が待ち遠しい。