令和5年度 土地家屋調査士試験を振り返って


まずは土地家屋調査士試験を受験された方、大変お疲れ様でした。そしてご指導頂いた各予備校の先生方、大変お世話になりました。心より感謝いたします。
私は令和4年に引き続き2回目の受験となりましたが、内容的には非常に厳しいものとなりました。

【択一について】
初見の問題もたくさんありましたが、選択肢の組み合わせには優しさを感じる問題も多かったと感じました。特に複数年受験されて過去問をやり込んでる方は17〜18問くらいは取ってくるのでは思いますが、昨年と比べると一段階難しくなった印象です。概ね35分ほどで解答できました。

【記述について】
建物に関しては登記の目的が分かるまでかなり時間を要しました。小問1の内容が今回の登記申請にリンクしていなかったらおそらく解けていなかったと思います。この穴埋め問題に関しては難化してゆく本試験の中で唯一解きやすくなった部分かなと思います。ただ図面で小さなミスを連発してしまい、勿体無い減点が多くなりました。また昨年は鉄骨造の壁厚の論点が出ましたが、今年はその代わりが屋根裏部屋の箇所で、連鎖的な減点を誘う落とし穴だったと思います。これを食らうと致命傷になりかねませんが、そこはかわせました。
土地に関しては本当に手が出ませんでした。
座標値までは出せましたが、依頼者が何を求めており、土地家屋調査士としてどのような登記を申請しなければならないのか、限られた時間で答えを見つけることは出来ませんでした。途中から残り時間で完走するのは無理だと判断し、部分点を狙う作戦に出ました。結局、地積測量図はタイムオーバーでデタラメ。予備校模範解答の片方に似た申請内容になってはいますが見事に惨敗です。ここ数年土地で複雑な計算はほぼ出ていませんが、代わりに長文の文章がトレンドになってきており、しばらくはこの傾向が続くのかなと思います。H17年以降の問21では間違いなく今年が一番難しく感じました。

【最後に】
昨年よりも実力を付けた〝つもり〟ではありましたが、今年の本試験には立ち向かうことが出来ず無念の思いです。
勉強に多くの時間を費やしましたが、勉強したつもり、やったつもり、覚えたつもり…でまだまだ努力が足らなかったのでしょう。自分の不甲斐無さと共に応援してくれていた家族の顔を思い出すと、なんとも言えない気持ちになります。本当に申し訳ない。
試験後、迎えに来てくれた妻に『ありがとう』と感謝の気持ちを伝えました。
今年の試験内容に対して様々な意見があがっていますが、特に私から不平不満を言うつもりはありません。問題が簡単でも難しくても上位400人が合格する。となれば問題を理解していようがなかろうが、取れるところで1点でも多く点を稼ぎ、上位に入り込むしかありません。
ただ一点。今後は過去問をただやり続けるだけは合格が難しいように感じました。初見の問題に対し、数ある情報の中から必要な論点を絞り出し、いかに正確な登記申請を行うか。そこのトレーニングが更に必要となりそうです。今後の対策については色々と自分で考えます。
記述が惨敗なので結果は厳しいとは思いますが、とりあえず択一基準点は突破していそうなので、勉強を再開しながら合格発表を待とうと思います。
自分はいつ受かるかなぁと漠然とした不安に襲われることもあります。予備校にかけるお金も増えていく。家族からも心配されるかもしれません。
でも受かりたいなら往生際悪く、諦めずにやるしかないですね。この試験を受けると決めた時、私は受かるまで何度でも挑戦しようと覚悟を決めました。今年の結果がどうであれ、前を向いて頑張りたいと思います。
自分の備忘録のつもりですが、今回の振り返りがどなたかの役に立てば幸いです。最後まで読んで頂きありがとうございました。

試験会場にて。
私が座っていた列は答案用紙が配られるのが少し遅めでした。試験官が隣の列を配るのを見た時、建物の解答用紙に多数の四角い欄が。『これは自分が得意な合体だ!』と確信し、承諾書、持分記載、1000分の4と…と少ない脳ミソメモリーを引っ張り出していた矢先、配られたのはセンターに(所在省略)と書かれた見たこともない謎の区分の申請書。あの時間返して。
おしまい。

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