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認知症になりたくない 脳の老化対策は40~50代の中年期から


認知症はある日突然、発症するわけではない。
認知症の原因の約7割を占めるアルツハイマー型認知症は、発症する20年ほど前から、脳の老廃物の一種であるアミロイドβがたまり始める。

そして、その蓄積とともに、記憶障害をはじめとする症状が現れる軽度認知障害(MCI)、アルツハイマー病へと進んでいく。
だから対策は早いほうが良い。

2020年に英国の医学誌Lancetで、認知症の発症につながる12の危険因子が発表された。

これらを改善することで認知症の発症リスクを40%低下できるとされている。

認知症の発症につながる12の危険因子

【若年期(45歳未満)】
① 教育歴の低さ
【中年期(45~65歳)】
② 聴覚障害
③ 頭部外傷
④ 高血圧
⑤ 過度の飲酒
⑥ 肥満
【高齢期(66歳以上)】
⑦ 喫煙
⑧ 抑うつ
⑨ 社会的孤立
⑩ 運動不足
⑪ 大気汚染
⑫ 糖尿病

出典
「Dementia prevention, intervention, and care: 2020 report of the Lancet Commission」The Lancet Journal.2020.7.30

12の危険因子から
若いうちは勉強や仕事でできるだけ脳を使って、情報伝達を担う神経回路を増やしておくと、年を取ってからも脳内の神経回路を書き換える力が発揮されて、記憶力や学習力が維持されると考えられます。


40~50代の中年期は、健康診断で高血圧や肥満、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病のリスクをチェックし、リスクがあれば生活改善や治療で是正していくことが認知症予防につながります。


60代以降の高齢期は、心身の活力が低下するフレイルや、社会参加(コミュニケーション)への対応が必要になります。



脳の老化防止に必要な3大習慣

(1)食事
(2)運動
(3)コミュニケーション

軽度認知障害(MCI)とは?

年齢や教育レベルの影響のみでは説明できない記憶障害が存在する
本人または家族による物忘れの訴えがある
全般的な認知機能は正常範囲である
日常生活動作は自立している
認知症ではない(認知症とは診断されない)

日本神経学会の「認知症疾患診療ガイドライン2017」によれば、MCIから正常な状態に回復する人の割合は1年で16~41%、MCIから認知症に進行する人の割合は1年で5~15%だとされている。

MCIのまま現状を維持できたり、回復したりするケースと、認知症へと進行するケースではどんな違いがあるのだろう。

 「主な違いは、MCIの背景にアルツハイマー病があるかどうかです。アルツハイマー病は認知症の原因の約7割を占めていますが、MCIでも約5割がアルツハイマー病によるものと見られています」

 認知機能の低下は、アルツハイマー病やレビー小体病といった認知症を引き起こす病気だけでなく、慢性硬膜下血腫などの脳血管障害や、うつ病、ビタミンB群や甲状腺ホルモンの不足、薬の副作用といったことでも起こり得る。そうした原因のためにMCIの状態になっている場合は、原因に対処することで、MCIから正常な状態に回復することも期待できる。

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