ソラ
鴨、カラス、カモメなど、鳥に関するお話をまとめましたが、私は決して鳥が好きなわけではありません。
2010.11.26 新宿御苑にて。 正直、動物は苦手なので犬も猫も触れないけれど、あえて自分を人間以外の動物に例えるなら、絶対に犬より猫だと思う。 人懐こくないし、ふらりひとり旅が好きだから、リードに繋がれて散歩とかきっと耐えられない。雪が降ったら全然嬉しくないし、こたつで丸くなって過ごしていたい。 でも、一度入ったら最後、そのまま出られなくなってしまうので、自宅にこたつは絶対に置かないと心に決めている。 と、ここまで書いて放置したまま、なんと4ヶ月が過ぎてしまった
2010.6.29 鎌倉・明月院。 別名、あじさい寺にて。 こちらの円窓だけど、悟りや真理、大宇宙などを円形で象徴的に表現していて、悟りの窓、というらしい。 写真という、四角いフレームに収められた景色ばかり見ているせいか、角のない円形に切り取られた景色が新鮮で、まるで望遠鏡を覗いているような不思議な気持ちになる。 この写真から思い浮かべられたお題になりそうな事柄は、東京メトロ丸ノ内線の新型車両の円窓と、ヒッチコックの「裏窓」くらい。 そこから何か文章が書けない
2010.5.21 葛西臨海公園にて。 ウディ・アレン監督の映画で「男と女の観覧車」という作品がある。 ネタバレしたら申し訳ないのであらすじは割愛するけれど、この作品の中で、観覧車は、ぐるぐる同じ出来事を繰り返す人生の象徴として描かれているようだ。 観覧車から見える景色の範囲は同じかもしれないけれど、時間や季節によって見え方は異なるだろうし、例えば建物が取り壊されたり、あるいは反対に新しい建物が建てられたり、常に同じものが見えるわけではない。 その違いに気付けるかど
2010.4.30 浅草にて。 出来上がった写真を見てびっくり。 隅田川の水面に、夕暮れ時の空の色とネオンの灯りが反射して撮れた、奇跡の風景。 多分、フィルムカメラで撮り始めてから初めてうまく撮れたかも、と満足できた写真だ。 そして、同じ日に撮影した写真の中から、まだ建設中のスカイツリーを発見。 今まで私は、スカイツリーに3回登ったことがある。 初めて登った帰り道、一緒に行った男性から交際を申し込まれたのだけど、その一年くらい前に別れた彼氏(カメラを勧めてくれた
2010.8.17 千葉県・金谷港から出港直後の横須賀行きフェリーの甲板上より。 多分、solarisというフィルムを使って撮影した写真。 青色が深く濃く映えて、少し粗めでレトロな雰囲気が出せるからよく使っていたフィルムだったけれど、残念ながら数年前に製造終了となってしまった。 solarisは、ラテン語で"太陽"という意味らしい。 都会にカラス、湖に鴨、そして海にはカモメ。 鴨よりもカモメの方が動きが速く移動範囲も広いから、撮影する際の難易度はより高い。
2010.3.29 国立市・大学通り まだまだ厳しい残暑が続く折に春の話をするのも何だけど、私は以前、4年間東京の国立駅から徒歩5分程のアパートに住んでいたことがある。 文教地区に指定されているから治安が良く、素敵な喫茶店はあるし、落ち着いた雰囲気で住みやすくて好きな街だけど、通勤に不便で致し方なくこの地を去ったのだった。 国立といえば、駅から一直線に伸びている大学通りの桜並木は有名で、毎年この時期になると大勢の見物客で賑わっていた。 桜の花を撮るのは、難しい。
2009.10.16 東京都立川市・昭和記念公園にて。 できるだけ古い写真から掘り起こしていくつもりだったのに、再び2009年の風景に逆戻り。 バラバラな並び順を気持ち悪いと感じるのは、几帳面な典型的A型人間の性なのか。 空、海、鴨に野良猫、古くて細い路地や階段。 今更だけど、"ソラ"というペンネームは、空が好きだからというとても安易な理由で決めた。 程よく白い雲が浮かんでいるよく晴れた日の青空や、飛行機雲を目にすると、思わず写真に収めたくなる。 朝日や夕日の
2018.9.28 宮崎県・高千穂町 国見ヶ丘にて。 まだ暗い内にホテルを出た。 前日まで降っていた雨は上がり、空気は少しじめっとしているが肌寒い。 既に展望台には人が集まり始めていて、もしかしたら見ることができるかもしれない、という期待に胸を膨らませる。 程なくして朝日が差し込み始める。 徐々に眼下に広がる雲の海に、思わず眼を見張った。 神様が住まう街。 まさに、神様が隠れていてもおかしくないと思える光景。 神秘的で、果てしない。 でも、温かさと優しさにも
2010.2.26 銀座にて。 歌舞伎座が間も無く建て替えとなるため、記念に撮影した一枚。 さよなら公演まで、あと64日。 恐らく私は、アナログなものが好きだ。 手巻きの腕時計、レコードの音に、古い建物。本は電子書籍ではなく紙に印字された文字で読みたいし、料理も圧力鍋を使って時間を短縮するよりも、土鍋でくつくつ時間をかけて作る方が楽しい。 今はお休み中だけど、書道教室にも通っている。 そんな私がフィルムカメラを10年以上愛用している最大の理由は、どんな風に撮れたか
2015.7.28 宮城県東松島市・大高森にて。 松島の夕陽を撮影したい。 まだ真新しい駅舎に降り立ち、駅前に一台だけ停車していたタクシーに乗り込み、行先を告げる。 JR仙石線・野蒜駅から15分程だったろうか。大高森登山口までの道のりは、空き家と更地ばかり。 この辺りは東日本大地震で津波の被害に遭われ、野蒜駅はこの年の5月30日に営業を再開したばかりだった。 雲に隠れて夕焼け空に浮かぶ太陽は見えなかったけれど、雲の隙間から射すオレンジ色の光に照らされた松島の海を
2010.2.21. 栃木県 湯ノ湖にて。 なんと愛らしいお尻(笑) 見るからに寒そうな光景だったけれど、ほっこりあったかい気持ちになれた。 同じ鳥類なのに、我が天敵カラス(「本題はカラスではなくて。」参照)とは雲泥の差である。 この差は何故か。以下、項目別に違いを書き連ねてみた。 あらかじめお断りしておくが、あくまで私的感情が入り混じった、個人的に抱いているイメージに基づく偏った見解である。 【鴨とカラスの違い】⑴見た目 鴨:小柄で可愛らしい。 カラス:黒
2009.12.22. 六本木・けやき坂にて。 季節はクリスマス直前。 多分、サントリーホールで少し早い第九のコンサートを鑑賞した帰り道だと思う。 六本木というと派手、もとい華やかすぎて近寄りがたい場所だけど、それでもたまに、ほっとしたい時に行きたくなる老舗の喫茶店が二軒ある。 一軒目は、六本木ヒルズの向かい側にある明治屋辺りから脇道にそれてすぐ。 初めて訪れたのは丁度40周年を迎えられた年で、昨年訪れた際には、マスターさんが常連らしきお客さんに「50周年を迎えら
2009.11.4 夜の新宿にて。 フィルムカメラで撮った写真は、基本的に紙にプリントしないと見ることができない。 スキャナーなどというハイテク機材を所有していない私は、自室の壁にそれらしく飾った写真をスマホで撮影して取り込むという、超原始的な方法を採用している。 個人的には特に問題はないと思っているが、黒い写真だと鏡のように向かい側の光景が反射してしまうため、自分の姿が写り込まないよう注意が必要だ。 新宿駅南口。 バスタ新宿ができるのや、大塚家具のお 家騒動の勃
2009.8.13 等々力緑地近くの多摩川沿い、歩道橋の上から見た夕日。 今年の春先のこと。 朝方、ベランダから聞こえてくるカチカチという妙な音で目が覚めた。 カーテンを開けると、夜の内に洗濯物を干していたのだけど、くちばしでハンガーを咥えてTシャツを振り落とそうとしているカラスと目が合った。 ベランダには、無残にも他のTシャツが一枚落ちており、ハンガーが一本足りなくなっていることに気づく。 丁度数日前に、カラスが巣を作るために針金ハンガーを集めている、というニュース
2009.7.10. 羽田空港にて。 そういえば、この頃は早朝の展望デッキから、薄ピンク色に染まり始めた空を眺めるのが好きだった。 正直、飛行機に乗るのは苦手。 離陸時の、激しい揺れや、うっとなる重圧感が息苦しくて、内心ドキドキソワソワ。これから楽しい旅の始まりのはずなのに、憂鬱な気持ちになる。 出発前、まだ人もまばらな展望デッキに立ち、空を見上げて感じる開放感と、この空間と空気を独り占めしているかのような優越感。 すっとした朝の空気の中で深呼吸。 飛び立つ飛
2009.6.30. 井の頭公園にて撮影。 当時付き合っていた人がフィルムカメラを使っていたのがきっかけ。 たまたま実家に眠っていた、父が学生の頃に使っていたフィルムの一眼レフカメラを譲り受け、彼の真似をして写真を撮り始めて今に至るのだけど、気づけば10年経っていた。 全くの自己満足。 趣味だからそれで良いと思っていたけれど、最近考えること。 それは、私は過去の経験をその後に活かせていない、ということ。 人間関係、仕事、プライベート、様々な場面で感じた