ショーンKを生んだのは誰か

経歴詐称で全番組を降板したショーンKについての話題は尽きない。今になって「コメントに中身がなかった」「いやコメンテーターで一番マシだった」などど好き放題言われているが、経歴詐称発覚以前に問題にされなかったという点では優秀なコメンテーターであることは確かだ。今回、経歴詐称の記事になったきっかけはフジテレビの番組でも起用されることになったからであり、つまり露出が増えたことが原因だった。報道ステーションにも出ず、ラジオDJだけを続けていれば問題にはならなかったかもしれない。

重要なのは、ショーンKがコメンテーターとして何かミスをやらかしたわけではなく、例えば北野誠のように有力者の逆鱗に触れたわけでもなく、むしろコメンテーターとしては仕事をほぼ完璧にこなし、ステップアップをしようとしていたことだ。このような、ほとんど話題にならないようなコメンテーターに価値があるとされるようになったのは何故だろう。その理由は、ちょうど一年前に起きた、あるコメンテーターの言動によるところが大きいのではないかと思った。

ショーンKを生んだのは古賀茂明ではないだろうか。古賀茂明は「アイムノット安倍」で有名だが、それに隠されるようにして問題視されていないのは、自身の売名のために「テレ朝が官邸からの圧力に屈した」という大嘘を暗に示して自分の降板に重要な意味があるかのように視聴者を煽ったことだ。コメンテーターが政府に批判的なのはかまわないが、生放送において不規則に番組の名誉を傷つける言動をとる人間は起用できないだろう。その点で、ショーンKは古賀茂明のような問題行動をとらないコメンテーターとして価値を高めたのではないだろうか。

はっきり言わなければならないのは、古賀茂明のようなコメンテーターもショーンKのようなコメンテーターも視聴者にとっては害悪だということだろう。フジテレビではショーンKの代わりにモーリーロバートソンを起用するらしいが、外人顔なら誰でもいいということだろうか。報道ステーションは後藤謙次という政局寄りの人間がコメンテーターを務めることになり、まず間違いなく現状肯定のつまらない意味のない発言に終始する。このようなテレビ番組はつけているだけで偏見を助長する害悪な存在だということをしっかりと認識して、視聴者は煽られないよう騙されないように距離をとるべきであろう。

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