愛着障害の母親とその子どもへの対応は?|子どもはいいので、母親を支援しよう

【質問】私には兄の姪っ子が2人います。義理姉が愛着障害があり(診断はついてますがカウンセラーは続かず)長女にかなり厳しく当たっていました。それをみて次女の子は家庭内をうまく生き抜くために、または、ことを荒立てないためにも、我慢をしている様に私には見えていました。 2人の姪っ子が心配で児相に相談したり、兄に話したりしてみましたが、なにも変わらず時が過ぎて行きました。最近次女の様子が変わり、母親いない場所では反抗的な態度や不機嫌さ、苛立ちがあり、話しかけても反応が薄くなりました。年齢は10歳になります。何か救いになる事が出来たらと思うのですが、どのような声かけをしたらいいか、またどの様な行動をしたらいいかなどアドバイスがありましたら教えてください。

【お返事】詳しく事情を書いていただきありがとうございます。関係性がよく理解できました。おっしゃる通り、愛着障害の母親の場合は育児が厳しくなります。どのように厳しくなるか、質問箱に届いた感想をご紹介します。

※今回の記事はラジオでも視聴できます。テキストを見ながらどうぞ▼

※この記事は、Twitterの質問箱に来た質問を深掘りして回答したものです。

■愛着障害の母親のきびしさ

次は、同じ日の別の質問箱にいただいた方の感想です。

【感想】私はひとりで大人になったのに!と、娘の甘えを受容できない自分に罪悪感がありました。 でも先生の子育てのnoteやラジオを聴くようになって、娘の甘えについては、私の母よりは娘を甘えさせられているのかもしれない、と思えるようになったり、昨夜の「積極的な受容行動」について拝聴した今朝は、いつものようにダダをこねる娘の行動を、かわいいと思えてる自分がいました。 私のように「世界は、怖い、逃げたい」と思わずに、どうか伸び伸び育ってほしいです。

これに対して私の回答もご紹介しておきましょう。この感想でいただいている「積極的な受容行動」については次のnoteをご覧ください。このnoteの最後にも、下記記事をコンパクトにしたツイートを張っておきました。

【お返事】あなたはひとりで大人になったのですね。大変でしたね。ご自身が娘さんを甘やかすことができていると気が付いたのは、とても良かったです。ダダをこねる娘さんをカワイイと思えている、これも素晴らしいことです。いつもできるわけではありませんが、10回に1回程度、そういうことができるようになると、あなた自身のこころの滋養にもなっていくでしょう。娘さんも嬉しいし、あなたの世界も恐怖が減っていくでしょう。娘さんと一緒にお幸せにお暮しください☺

この感想をいただいた方は愛着障害とは書いていませんが、「世界が怖い」という表現からすると、おそらく愛着に問題のある方だと思います。愛着障害の母親は、自分がひとりで生きてきて、いまでも世界が怖いので、子どもに対しては「ちゃんと育てないと大変なことになる」と厳しい育児になりがちです。その育児は厳しいですが、そこには愛はあるのです。

しかし、質問者さんのように、その厳しさの理由が理解できず、児相に相談したり、通報になったりのケースも少なくありません。普通の愛着家庭に育った人々には、この理由を理解することは困難を極めます。こういう場合、どのような支援があるのでしょうか。

■愛着障害なら母親を支援する

義理の姉が愛着障害であるなら、まず、義姉の育児を支持してあげてください。育児方針に助言などせず、「義姉さんは偉いね!」というメッセージを出し続けてください。そうすると最初は拒否している義姉の厳しい育児が、だんだんと緩和されると思います。

その結果、次女の反抗もマイルドになるでしょう。子どもを助けるのではなく、義姉を助けるのです。これはあなたの兄さんと協力してやればいいでしょう。支持とは【〇〇してあげる】のです。

このコツは、あまり接近しすぎないことです。さじ加減難しいですが、様子をみながらやってみてください。

■愛着障害の母親の子どもへの対応

次女の反抗は自然なものでしょう。そろそろ思春期に入ってくることも手伝って、母親にその厳しい育児を抗議しているのです。次女は比較的自由に自分の気持ちを表現できるのでしょう。長女はどうでしょう。自分の不満を隠しているかもしれませんね。

あなたが姪たちの世話を焼くこともできますが、もともと母子関係は厳しいだけで、悪くはないのでしょうから、見守っていることです。「あなたたちのお母さんは厳しいけどよくやってるよ」とメッセージを出しておく。

あなたが子どもたちのためにできることはあまりありません。いえ、できることはありますが、それは余計なことになる可能性があります。それによって実際の母子関係が悪化するかもしれません。もし余裕があるなら、義姉のサポート以外に兄のサポートもしてあげるといいでしょう。

■まとめ

  • 愛着障害をもつ母親の子育てはきびしい。周囲の人は、子どもでなく母親をサポートしましょう。

  • 母親サポートのコツは、「あまり接近しすぎないように、見守っている。何かをしてあげる。」です。押し付けにならないよう注意しましょう。

◇上で紹介した「積極的な受容行動」(ラビングプレゼンス)については、私のツイートも参考にしてください。

子どもにやさしい言葉をかけられなくて悩んでいる親御さんへ。それはあなたの中にいる小さな子が「私にもやさしくして」と叫んでいるからかもしれません。そんなときは子どもの表情の中にあなたが「快」を覚えるパーツを見つけましょう。例えば笑った目じりとか。快なので言葉は優しくなり子は満足します☺
これをラビング・プレゼンスといいます。満足した子どもの表情をみて、あなたも満足し、あなたの中の小さな子どもも満足します。満足のさざ波が親子で広がっていきます。

⇒解決しない悩みのある方は、ソレア心理カウンセリングセンター へご相談ください。

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