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伝統工法への憧れはどこから来たのか

どうも、なおきんです。

前回はダンゴムシ目線から見た伝統工法の素晴らしさをお伝えしました。え、伝わったよね?

そもそも何故ダンゴムシ目線を気にしているのか。実は自分でもハッキリと分かっていません。何でだろう?
という事で、私が幼少期から高校生までを過ごしてきた魚沼での暮らしについて掘り下げる回にしてみようと思います。現時点で自分でも把握していないルーツがあるのではないかと、自分自身も期待しています。

それでは、どうぞ!

・大自然と米作りが当たり前

私が生まれ育ったのは、新潟県魚沼市(旧 北魚沼郡広神村)という山に囲まれたド田舎です。駅はあるけど数時間に1本、バスも1時間に1本あればマシ。2階の窓からはいつも変わらぬ権現堂の山並みと、広がる田んぼが一望できました。
夏は盆地の為ムシムシと暑く、冬は豪雪が日常。そんな寒暖の極端な地域だからこそ、全国有数の米どころ魚沼となりえたのでしょう。
まさに祖父が生粋の百姓という家に生まれ、家のすぐ横には脱穀機専用の小屋や農機具も沢山あり、幼い頃から祖父を筆頭に行われる米作りを間近に見ながら過ごしました。
いっちょ前に手伝えるようになると、春の田植えに始まり夏の草刈り、そして秋の収穫と当たり前のように家族総出で従事し、ある意味田んぼが子供の頃の遊び場でした。
おたまじゃくしやタニシを捕まえたり、無数のイナゴやトンボを追いかけたり。田んぼで営まれる生態系を自然と体験していました。

・血がたぎる夏の終わりの祭り

毎年8月31日と9月1日に神社で行われる集落の小さな小さなお祭りが本当に楽しみで、あの盆踊りの囃子が聞こえると未だに胸が躍ります。
花火大会なんかは当然なくって、やることは10前後の屋台めぐりと盆踊りくらい。2日間のうちどちらかの昼間にお神輿を担いで、地域を練り歩きます。この時ばかりは小学校も早上がりできたので、何だか特別感があって好きでした。それが毎年待ち遠しくて。

・地域の伝統芸能との出合い

小学校4年生頃から神社で伝統芸能の神楽を習い始めました。友達3人で何となく始めたのですが、リコーダーとは違ってそもそも音が出ない横笛(篠笛)が吹けるようになったり、太鼓が上手に叩けるようになったり、舞を覚えたり。これらは全て、地域の大人から身振り手振りで教わりました。教科書なんてないんです。完全に人から人への伝承そのものでした。
そして毎年の春に神社で行われる行事でちゃんとした衣装を着て、お面を被って、見に来てくれた地域の方へ向かって神楽を披露する訳です。いや、本当は神様に奉納していたのでしょうけど、当時は見に来てくれる親や地域の方へ向けて一生懸命やってました。

・真冬にも元気に鳥追い

そして雪深い冬にも「鳥追い」という行事がありました。真冬の1月に。
その集落の子供たちがある家に夕方集まって(この集まる家は集落内で持ち回りだったのかな?)持ち寄ったお菓子や食べ物を食べて、夜に鳥追いの歌を歌いながら集落を歩き回るという、今考えると珍しい行事がありました。
うろ覚えですが、私がまだ小さい頃に我が家で鳥追いが行われた時は、庭に大きなかまくらや雪山、落とし穴なんかを皆で昼間に作っておいて、夜は別の集落から襲撃に来た子供達と雪合戦が始まり、こちらも襲撃に向かうという陣取りゲーム的なイベントに発展していたように記憶しています。笑
本来の鳥追いの意味合いは全く別にあったようで、稲作の障害となる野生鳥獣の追い払いを祈念する行事だったようです。教わったかもですが、さっき調べるまで知らなかった…笑
こちらに詳しく推察が書かれております↓
里山のツキノワグマ 71 〜越後の小正月行事「鳥追い」に見る鳥獣被害防止への願い〜
新潟県立浅草山麓エコ・ミュージアムHPより

・四季折々の行事の意味

後に知ることになるのですが、この春の行事と夏のお祭りは実はセットで、毎年の豊穣豊作を祈念する行事だった事が判明します。
そして2019年に少子高齢化によるこれからの祭りのあり方を危惧した私が、保存に向けてのクラウドファンディングを行う、という行動にに繋がるのですが、それはまた別のお話。

・自然と産業の共生関係

春は田植えや種まきの前に祈念して

夏は収穫の前に祈念して

冬はこの一年の鳥獣被害を少なくしたいと祈念して

今になって思うのが、これらの行事が全て繋がっていたんだ、という事。

地域の大切な産業を少しでも良く、長く続いていくことを祈念されていたものだと、改めて大人になって気付かされました。

産業と暮らし。切っても切れない関係。
多分、それが私の根底にあるルーツな気がしてきました。

あれ、何か伝統工法とは直接関係ないけれども…まぁ、多分私の土台である大切な部分だと思っております。

次回は、遂に建築業界へと足を踏み入れますぞ!
お楽しみに!

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