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【レース回顧Vol.431】第84回皐月賞


レース結果・収支

1着【◎】ジャスティンミラノ(2番人気)
2着【○】コスモキュランダ(7番人気)
3着【△】ジャンタルマンタル(3番人気)
・・・
5着【△】シンエンペラー(5番人気)
6着【▲】レガレイラ(1番人気)
・・・
10着【△】ミスタージーティー(9番人気)
・・・
単勝1点的中!(4.8倍) 馬複5点的中!(35.5倍) 3連複10点的中!(59.4倍)
レース収支:+8,370 累計回収/投資:33,020/57,700(57.2%)
※ノーベット収支:0 ノーベット累計収支:+2,010


率直な感想

ん?メイショウタバルに誰も鈴を掛けに行かないの?フリーにさせたらアカンって。・・・1,000M通過57秒5?!これは速過ぎ!しかしジャスティンミラノは普通に対応できているっぽい。4コーナーでちょっと押っ付けて、外に持ち出して、しっかり伸びる!レコード勝ちするスロ専爆誕。スロ専と決め付けて軽視した方、お疲れ様でした。私も13年前の朝日杯フューチュリティSで痛い目に遭ったから分かるよ、その気持ち。


トラックバイアス分析・展開予想の振り返り

レース前の見解

  • 中山は火曜に44ミリの雨が降った以外は概ね好天。土曜朝時点のクッション値は9.3と数字上は良好だが、含水率が稍重寄りで馬場は緩い。土曜の芝4レースは少頭数かつスローのレースばかりで基本的に前残りで、ラスト加速ラップも散見された。バイアスは例年に比べてフラット。

  • メイショウタバルが内枠を活かして逃げ。スタートが速いアレグロブリランテも枠が近くこれに追随。シリウスコルト、ホウオウプロサンゲも行くとすると前は結構賑やか。出遅れ癖持ちや行き脚の遅い馬もいて、隊列は縦長。3コーナーからペースアップしての持久力勝負。ここ2年のような外差し一辺倒ではなく、内を突いて上がって来れる馬が盲点になりそう。

レース指標

LAP:12.2-10.5-11.5-11.7-11.6-11.8-12.0-12.1-11.7-12.0
勝ち時計:1.57.1 R(良) テン3F:34.2 上がり3F:35.8

レースの振り返り

レース発走直前にダノンデサイルが出走を取り消して17頭立て。ビザンチンドリームは微妙に得をした。しかしそのビザンチンドリームが大出遅れ。ゲートが開いてもすぐ出ない悪癖、今回も顕在化。わざわざ200万円の追加登録料を払ってこれは泣ける。内のほうではアーバンシックも出遅れ。レガレイラはまあまあだったが、他と比べると行き脚が遅い。

ジャンタルマンタルが抜群の行き脚で前へ。スタートが抜群に上手いアレグロブリランテにシリウスコルト、メイショウタバルが加わっての先行争い。最高速度は70.7km/h。これはスプリントGI並の速さ。結局内枠のメイショウタバルがハナ、ジャンタルマンタルは引いて3番手。ジャスティンミラノも余裕で5番手付近に押し上げてきた。よしよし。

メイショウタバルが軽快に逃げる。どうせ止まるから放っておいて良し。・・・ん?何で他の馬は鈴を掛けに行かないの?フリーはアカンよフリーは。縦長は想定通りだけど、前フリーはアカン。・・・1,000M通過57秒5?!なるほど、速過ぎて深追い厳禁ってことか。

ペースが速過ぎて後続の動きは殆ど無し。レース実況画面下のGPS位置情報も動き無し。4コーナーでメイショウタバルと後続の差が一気に縮小、直線の持久力勝負に移行。ジャスティンミラノも流石に押しまくって鞭まで入っていた。しかし止まる感じは無し。これに先駆けてジャンタルマンタルが動いて早くも先頭。川田さん、勝負に出た!

ジャンタルマンタルが完全に抜け出して2馬身のリード。マズい、これは勝たれたか?しかし外からジャスティンミラノ、シンエンペラー、コスモキュランダも来ている。シンエンペラーが遅れてジャスティンミラノとコスモキュランダが並んでジャンタルマンタルを猛追。そしてゴール前、ジャンタルマンタルの脚が止まった。チャンス!ジャスティンミラノが突き抜け!

ジャスティンミラノは未知のハイペースにも難なく対応、4コーナーで押っ付けまくっても直線でコスモキュランダの差しを抑えながら突き抜け。「スローしか走ったことがないし、ペースが上がりそうなここは軽視」とかいう謎理論は13年前の朝日杯フューチュリティSで卒業した。思わず頷きかけたくなるけどそれ違うよ!経験が無いだけなのに何でそう言い切れるの?ってことが競馬予想においてたまに生じる。このような「予想エラー」を逆手に取る(大衆の思考の裏を突く)のが競馬予想の醍醐味。

ちなみにジャスティンミラノは一週前まで藤岡康太騎手が稽古を付けていた。このことを知って今回ジャスティンミラノの単勝を買った人も多かったと思う。競馬ってたまに人知を超える何かが生じる。このGI制覇には間接的に藤岡康太騎手が関わっていたということをここに書き留めておく。

コスモキュランダは中団追走、4コーナーでシンエンペラーの後ろから猛チャージを掛けて大外ぶん回し。あの乗り方は最初から外に振る気満々。幾らか距離損しても、馬場の良い外でフリーを確保するほうがメリット大といった判断。モレイラ恐るべし。100%の騎乗だったが、ジャスティンミラノがその上を行った。弥生賞勝ち→皐月賞2着はマカヒキやタスティエーラでお馴染みのダービー制覇フラグだが果たして。

ジャンタルマンタルは完璧に乗っても最後はタレるとみていたので、ゴール前でしっかり止まったのを見てやっぱりなと思った。しかし早めの競馬をしてコンマ1秒差の3着は良い意味で想定外。今回は流れが速過ぎて掛かる暇が無かった。マイル通過が1分33秒4で、単純計算ながら前日のアーリントンCを凌ぐ時計で走っている。普通に考えれば次はNHKマイルC。

アーバンシックは毎回のことながらスタートと行き脚の無さが惜しい。通ったコースはコスモキュランダと同じ。位置取りが後ろの分届かなかった。ローテーションからしてダービー狙いがミエミエだし、優先出走権ゲットの4着で万々歳ではある。但しダービーでアーバンシックが2~3番人気、コスモキュランダは皐月賞メイチでダービーでは要らないと思われて青葉賞勝ち馬よりも軽視されて6~8番人気になりそう。壮大な「予想エラー」の予感。

シンエンペラーは直線3頭併せであっさり遅れた。そもそも凱旋門賞馬の全弟に日本の硬い馬場のレコード決着を差せというほうが無理な話。ダービーは今回以上に適性が全く違うので、仮に人気大暴落でも1円も買うつもりはない。矢作さんは海外好きなのに、何でこの馬をフランスに連れて行こうとしないのかよく分からない。ちなみにコスモキュランダより人気していたのは「弥生賞は休み明けで本気ではなかった、皐月賞ではコスモキュランダより上に来る」という「予想エラー」の影響が考えられる。

レガレイラはスタートもさることながら、ペースが速過ぎて押し上げようにも押し上げられず、直線半ばで大外に振って差し届かず。後ろから行く馬の宿命。牝馬だからとかではなく、馬の特性の話。ミスタージーティーは好位から内を通して、直線も一瞬ググっと来るような手応えがあったが坂下で止まった。


レース結果からの教訓

  • 未経験を想像で否定しないこと。「スローしか走ったことがないのにペースアップをこなせるわけがない」、「左回りしか経験していないから右回りは不安」といった否定論はダメ。「ラスト3ハロン推移11.4-10.9-10.8なんて見たことがないからコイツはヤバいはず」といった肯定論はアリ。

  • 前走上位着順馬が下位着順馬より人気が下なら疑うこと。「予想エラー」が生じている可能性あり。

  • 前走着差を鵜呑みにしないこと。後続に1秒差を付けて逃げ切っても、次走は勝ち馬から2秒2差で負けるのが競馬。今回のメイショウタバルは光る(=人気でマークされる)逃げ馬という点からも切り易かった。

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