桃原

どうせ、すぐ飽きる

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スカイツリーとエビフライと墓参り

「もう一本頼むか」。瓶ビール大瓶を指差し、叔父は私にそう言った。一口だけつきあうつもりだったが、料理が来る前に瓶は空になっていた。私と母は、お墓参りでたまたま鉢合わせた祖父母に誘われ、お寺の近くの洋食屋に居た。まだ午前中だ。ビールの喉越しが良かったのは1杯目までだったが、叔父につきあい、瓶ビールをもう一本頼んだ。窓からはスカイツリーが見えていた。 母と叔父は祖母と血が繋がっておらず、幼い頃に知り合いの大学教授家族に養子に出された。これは終戦まもない頃であり、学業に秀でていた

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