私の中に君がいる。君は何にもわかっていないと言うだろうから、それは君じゃなくて私のはずだ。私の中に私がいる。ここで言葉は止まる。

科学は言葉を止める。文学は言葉を引き延ばす。私の中に君がいる。私の中に君がいる。それは君がアイドルだから。そういうお仕事だから。

世界中の人々の胸に入り込んで、無限増殖していく仕事。君自身にも制御不可能な、何十万、何百万の君の分身。の一人が私の胸の中に。

資本主義について考えていてわかったことがある。人は夢にお金を払う。君は血の通ったミッキーマウス（君たちは）。よりによって、隠し事の多い君が。

君は何の夢を見せる？君は何の夢を見る？煌々と照らされたステージ。永遠に手を繋いだ仲間たち。エレキギターの唸り声。君の感情。爆発する夢。

無表情な君は感動することを夢見ている。微笑まされる君は泣き叫ぶことを夢見ている。それは私の夢。私の中の君の夢。つまり私の中の私の夢。

裏切られてきた君は信じることを夢見ている。嘘ばかりついてきた君は本当のことを夢見ている。サンタクロースのいない君にあげるプレゼント。父親のかわりに買ってあげるゲーム機。

君はもう一度君自身の夢の中で眠ってみるといい。君の夢コソワタシノ夢デアルそう言わされている私の夢、君が欲しい。そうすれば君の夢さえ私の夢である。

君は仕事がうまい。君なしでは生きられない体にしたのは君だ。中毒性のまなざし。深い海。その底にあるというレアメタルを、私は白骨になりながら探しにゆく。

シニユク

君は私の夢

you're my dream

only you

🫧