英国の大学受験について調べてみた

今回の記事ですが、あまり纏めておりません。
こんなものがあります程度でお願いします。


まず前提に英国の大学受験

英国の大学受験は実にシステマティックです。
まず、英国大学のほとんどがUniversities and Colleges Admissions Service(UCAS) というシステムに参加している点です。
ブリティッシュ・カウンシェル(1934年に英国で王立憲章により設立された公共機関)のページにてUCASによる出願から合格通知までの流れが書いています。
大学受験に関わる手続きのほぼすべてがウェブページ上で完結できる、すごいですね。

https://www.britishcouncil.jp/studyuk/options/higher-education/ucas-application

もちろん、UCAS上では処理できないような大学個別での対応が必要なこともあります。
しかし各大学、ここではKCLを取り上げますが、KCLはKing's ApplyというアプリケーションがUCASと連動し、更にUCAS上で処理できない内容についてはこのアプリケーション上で対応すればよく、日本と比べ公共機関の電子化が進んでいるように感じられました。

大まかな流れだけ書くと
・受験生の出願
・大学側からのオファー(条件付き/無条件)
・試験結果の提出
・合格通知
・入学
です。

大学側からのオファー

オファーと書くと、まるで「受験生さん、ぜひうちの大学に入ってください!!」という打診のように思われますが、これはちょっと違います。
基本的に、オファーは日本の大学受験で言うところのセンター試験での「足切り」に近いイメージですね。
出願時点で大学側の入学要件にほど遠い場合のみUnsuccessful(不合格)となり、受験資格が無くなります。
逆にオファーの時点で無条件(Unconditional)合格、つまり即合格となるのは、その分野で実績がある人物が大学院に出願した場合くらいではないでしょうか。
通常、英国学生なり留学生のほとんどは条件付き(Conditional)オファーで、これは「受験資格を与えます」というレベルのものです。
こちらでもちょっと触れています。

試験結果の提出

KCLのこちらのページ。

英国は他国含め、様々な試験結果、学業成績を合格条件として利用しています。
・A-levels and AS-levels
・Access to HE Diplomas
・BTEC Level 3 Diplomas
・Cambridge Pre-U, Irish Laving Certificate, SQA Highers & Advanced Highers and Welsh Baccalaureate
・Degree
・Foundation Year (not at King's)
・Foundation Year (at King's)
・Hong Kong Diploma of Secondary Education (HKDSE)
・International Baccalaureate
・All other qualifications including English language tests

UCASから直接KCLに提供されるもの、されないものはありますが、受け取ったConditional Offerの内容の試験結果、学業成績を提出します。
UCASから直接KCLに提供されないものについては、King's Applyに出願者が期限までにアップする必要があります。

結果発表

上で貼ったKCLのページにもあるように、2023年の場合、2023/8/17にほとんどの出願者に対して結果発表がされるようです。
これ、何故2023/8/17(木)かなんですが、英国の大学試験システムに理由があります。

A Levels

学業成績を合格条件としてあったA Levels。
英国の人が大学に進学する場合は、大学入試の為のA Levels (Advanced Level General Certificate of Education)と呼ばれる高等教育コースに通う必要があります。
そして、このコースの終わりにA Levels試験を受けます。
試験結果は各科目ごとに7段階(A*、A、B、C、D、E、無印)で評価されます。

例えばKCLの戦争学科(WAR STUD BA)の入学要件を見てみると、A-LevelsはAAAとですので、対象とする科目全てA以上が必要となります。

A Levelsの試験日と合否発表日

2023年については試験日は5/15~6/29までの間であったようです。
日本のセンター試験と同様に、全国一斉の試験です。

当然、大学に出願した時点ではこの成績は出ていない為、ほとんどの出願者はA Levels試験の結果を条件とした条件付き(Conditional)オファーになっているのはある意味当然ですね。

つまり、大学側の選考はこの時点から一気に進んでいくと思われます。
(英国民枠、留学生枠という定員がそれぞれあるかは不明です)

なお、2020年、英国ではコロナのパンデミックでA-Level試験は中止されました。英国のコロナ禍に関しては、2020年にパンデミック発生、ロックダウンも複数回実施されています。
更に、A Levels以外の大学受験の成績要件(Foundation Courseなど)に使用可能な試験も軒並み中止になったようです。
恐らく英国内のA Levels以外の成績については、試験以外の方法(レポート、エッセイ等)で成績を付けることで対応したと思われますが、その評定方法について、正しく成績が評価されないとして、大荒れしていたという事実があります。
詳細は割愛しますが、「2020 A Level Result」で調べると英語記事が色々出てきます。

ではここで、もう一度KCLの入学選考についてのページを見てみましょう。

① 合格発表は8月の第3木曜日

結果確定日は8月の第3木曜日。2023年であれば8月17日。遅くとも8月18日には結果が出る。
これはA Levelsの試験結果発表と同日です。
A Levelsの結果はUCAS上で共有され、これをKCLが(人か自動かは不明ですが)確認して合否判定をするようです。
ですので、Conditional Offerの証明書類提出期限は結果確定日ではないかもしれません。

② 成績要件は足切り条件ではない。

成績が未達であった場合でも、出願者枠等の関係で合格となる可能性もあるとのことです。その場合もA-Level試験の結果発表(2023年は8月17日)に合わせて最終結果が出るようです。
2023年からは英語力条件については一切の妥協は許されていません。
※これはWaybackMachineでみると、2023年から法律が変わったから妥協無しの厳しい審査になったとのこと。それ以前は多少の妥協が許されていたのかもしれないです。

③ 成績等によっては代替オファー。別の専攻を勧められる場合もある。

志望した専攻に対しては条件付き合格の条件に達しなかった場合、別の専攻への入学を提示される可能性もあるようです。

2020年のUCASオンラインのXポストを見る限り、2020/8/13以降もConditional Offerのままである人達は多数いたようです。
2021年のツイート状況を比べると、明らかに混乱している状況が見て取れます。

クリアリング

クリアリング(Clearing)とは、イギリス大学が9月のコース開始時期に向けて、定員に空きのある学部課程コースの人数を満たすための受け入れを許可するシステムです。

https://www.kcl.ac.uk/study/undergraduate/clearing/release-me

クリアリング手続きは7月に開始し、9月に締め切られます。
なお、2020年のKCLのクリアリングは8/27に終了したようです。

この時点でその年の入学は締め切られています。
ただし、Pre-sessionalコースは上記クリアリング期間後に修了(Conditional ⇒ Unconditional)するため、Pre-sessionalコース受講者は入学者としてカウントされているようです。

2021年への再エントリー。

https://web.archive.org/web/20201112013527/https://www.kcl.ac.uk/study/undergraduate/apply/entry-requirements

Applicants who were holding a Firm or Insurance offer for any undergraduate programmes at King’s in 2020 admissions cycle (except Dentistry or Medicine programmes)

この部分にて「秋の試験を受けて結果が良ければ2021年のオファーするよー、結果よくなくても2021年のオファーはあるかもね~。でも2021年出願の人と同じ枠で選考をするからオファー無いかもね~」と書いてます。
ただし、条件付きオファーなので、結果はやはり2021年に発表のようです。

秋の試験というのはこれ。やっぱパンデミックで試験中止したし~やっとけ?みたいな?
A Levels他の試験が11月に試験は実施されたよーというページです。

入学延期(Defer)

英国の大学は、オファーを持ったまま入学の延期やDefer)が可能です。
以下のページ「Making Changing Can I defer my place on the course?」に説明があります。


通常、入学を1年間延期することが可能です。King's Applyを通じて、入学延期を希望する旨のメッセージをお送りください。コースへの入学を希望する場合は、出願年の8月までにすべての条件を満たす必要があります。

Deferは条件付き合格(Conditional Offer)でも可能

こちらのブログの方(別の大学)は、英語力のため条件付き合格、Pre-sessional Courseに通えば入学可能でしたが、いくつかの理由の上、入学延期(deferral request)したようです。
たとえば、英語力を上げてIELTS成績を条件付き合格を満たすようにすれば、翌年は無条件合格(Unconditional Offer)、Pre-sessional Courseに通う必要が無くすこともできますね。
なお、この方は翌年も同等の条件付き合格のまま、最終的にはPre-sessional Courseを受講の上、入学したとのことでした。

おわりに

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