第8回 山結び

寒い、寒い、寒い。

最強寒波の中、雪のちらつく福岡で先週の振り返り。

先週の山結びは、暴風と雨で山中での作業が難しそうでした。2ヶ月連続の座学か…と思っていましたが、宮地嶽神社の名物の大注練縄の掛け替え作業がちょうど重なっていたので、山結びメンバー総出で、日々の宮地山への感謝を込めてお手伝いさせてもらいました。

縄のかかっていない本殿は新鮮。宮地山が後ろから見守っている。

宮地嶽神社の大しめ縄は、重さ3トン。1.5トンの縄2本を、人力でよっていきます。

もう一度言います、人力でよります。

まずは、太い孟宗竹で組んだ梯子でつる形で縄を本殿前に運び込みます。

動画もでどうぞ。
https://www3.nhk.or.jp/fukuoka-news/20231216/5010022783.html

そして、二つの縄の片方を固く結束して、1.5トンを持ち上げて、よる、ねじる、しめる。ただ、ひたすらそれを行なっていきます。

まずは結束。

一回よるごとに、上に人がのって、飛び跳ねて固く固く詰めていきます。

上にのってぴょんぴょん

その後、結束バンドでビシッと決めたら、鋼鉄の杭を打って固定します。

結束バンド大活躍
杭を打っていく

5回より上げていく。最後の2回は、ユニックで吊り上げながら行い、これを重機がなかった時代はどうやっていたのだろうと、そればかり考えていた。

まずは午前中で縄がしめ上がって一安心。まさしく龍神さま。

寒さの中、神社が振る舞う神汁が身に染みます。

締め上がった縄のはじの養生を、藁を三つ編みにして行いました。みなさんお昼休憩に入ってしまったので、ほとんど山結びのメンバーで仕上げました。

さぁ、何結びでしょう?

午後からは、本殿に設置する作業になります。
まずは、縄のどこを正面(つら)にするかを決めます。そして、ローダーにみんなで真っ直ぐに載せ、上げていきます。

これ、毎年やるのか。。。

真ん中で仮止めをして、今度は外へ外へと固定する場所を決めていきます。
足場とジャッキと人力とを駆使して行なっていきます。

個人の力の無力さ、集団の力の偉大さ。
総勢40名ほどで作業。危ない作業、難しい作業の連続だったが、大きな事故や怪我もなく進んだ。

ここからは微調整につぐ微調整。2時間ほどその作業がかかった。

基本的には待ち時間になったので、雨風が少し落ち着いたタイミングを見計らい、お祓いを受けた稲穂を山頂にお返しするため、山結びメンバーは山へと向かいました。

東側の無風状態から、西側に出てからの暴風に吹き飛ばされそうになりながら、急峻な山道を登る。メンバーは皆落ち葉を抱えて登って行った。

2ヶ月前に丁寧に作られた道は葉も飛ばず、ふかふかと僕らを迎えてくれた。

御神木のヒメユズリハの根元に、稲藁を差し込み、落ち葉と石で通気通水する構造を作りました。もっと作業はしたかったけど、檜のきが1メートルくらい左右に振られる風の中、山を駆け降りていきました。

本殿に戻ると、締めの子も設置され、見事に縄の作業が終わっておりました。

今年も、無事に架け替えが終わり、美しいいつもの宮地嶽神社となりました。
ぜひ、来年の12月の山結びでもお手伝いさせていただきたいですね。

個の力の小ささ、集団の力の偉大さを感じる、年末の時間でした。

山結びもたくさんの方達に支えられて、一年を過ごすことができました。
1年間、ありがとうございました。

2月11日には高田宏臣さんをお招きしてフォーラムも行います。

2024年も、山結びへのご支援をよろしくお願いいたします

(文 マサ、写真 山結び参加者の皆さま)

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