見出し画像

Podcast 超相対性理論 ① 「数字の奴隷」

ポッドキャストの超相対性理論があまりにも面白くて、細かい内容も記憶に残しておきたかったので、メモしておきます。

このポッドキャストは、学びデザイン:荒木さん、COTEN:深井さん、Takram:渡邉さんの3名が1つのテーマについて、お互いの疑問や知見をベースに対話を繰り広げていくスタイルです。

Takram CastやCOTEN RADIOをよく聞いていてそれぞれ面白く、そんな方々が対話する番組というだけでも楽しめそうなのに、3名それぞれの掛け合いが指数関数的で、議論の深みがすごい。

番組の紹介文にもあるように、具体的な事象と抽象的な概念が対話の中で行き来して理解もしやすいのですが、1つ1つの会話に重みがあり何回も聞きたくなる感じ。

シーズンに分かれていて、1テーマが約30分×3回にまとまっているのも聞きやすいです。

シーズン1のテーマは「我々は数字の奴隷から脱却できるのか」

我々は、売上やフォロワー数など「数字」に囚われ過ぎているのではないかということをきっかけに、数字にできるもの/できないもの、調和、サイエンスとアートなど視点を広げながら、数字の奴隷から脱却するための1つの方向性も語られていました。

個人的に気になったキーワードを列挙。
※個人的な解釈や聞き間違いがあるかもしれません

・幸せとは調和(バランスが取れている状態)
・GNP ・GDPには、個人の健康さや楽しさは含まれていない。
・数字に含まれない部分も含めたバランス。
・Profit, Planet, People
・利益を追うことは分かりやすい。
・指標は「計れること」が重要視される。
・統計学的超自我(目的のためではなく、数字のために行動している感覚)
・人をコントロールするサイエンスの発達に対して、自分の身体性への理解を大切にする。
・人とリアルで対面した時の強制的な身体性が人を変化させる。
・アプリの奴隷(アプリに全てコントロールされる)
・Googleの検索結果が人によって違うこと。→PVや広告
・資本主義→民主主義のハック
・細分化(分けることで分かりやすくなる)から逃れる領域横断的な学問(データヒューマナイゼーション、非西洋社会的な価値観など)
・対立するもの間を曖昧化する技を数字の世界に埋め込んでいく。
・ネガティブケイパビリティ(答えをすぐに出さずに留保する力)とポジティブケイパビリティ(問題発見、解決力)の間。
・課題が複雑すぎる現代において、ネガティブケイパビリティの価値。
・経営判断するときは、ダブルスタンダードが存在する。
・アート、サイエンス、クラフト
・アートは数字で語りにくいので、組織内での議論に弱い。
・一人の中で、アートの時間と数字の時間をどちらも持つ。
・数字の奴隷から脱却→数字の外にあるものと数字との調和、移ろい。
・サイエンスの始まりはアートなのではないか。
・1つに固定せずに、移ろいでいくバランス
・科学を語る上で、「前提条件確定」していることへの違和感。
・リアルの世界では、前提条件が複雑すぎて決めきれない。
・自分がサイエンスに寄りすぎていることへ自覚を持つ。
 →組織で行う難しさ→教育の必要性
・人間は危機的な情報を優先的に見るようなDNAを持つ
・認知負荷を下げるためのサイエンス。
・時に本能に従わないことができるのが人間。
・困っている時に、脳の奥で考えてくれていることを信じる(意味のある混沌)
・比較する対象を作り、相対化し、名付けをすることで、比較対象との間で調和できる余地ができる。

自分の経験の中でも、数字にとらわれているなと感じることや数字にできないものの弱さみたいなものを感じることがあって、聞いていて共感するポイントが随所にありました。

2つの対立概念のどちらが良いのかという1つの結論ではなくて、その間で調和することや2つを行き来して移ろいでいくことが1つの方向性という話も興味深かったですが、調和するためには「まず比較対象を作って相対化し名前をつけることでその余地ができる」という視点も、なるほど感が強かったです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?