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音楽の聞き方

曲を滑っている 歌が流れ込んでくる

心地よく滑ることができたらいい
文字を見なくても、意味を聞き取れなくても

潜ったら浮いて
流れてくればまた滑らせて、繰り返し明ける


音楽を聞くことが苦手でした。

集中して聴かなければ、言葉も映像も、自分の中に取り込まなければ、と思っていたからかな。
いまの気分にぴったり合った曲を選んで、好きな曲を好きな歌手を、決めておかなければ、と思っていたからかな。自分が測られるように感じていたからかな。好きって言えなかったからかな。

だからシャッフル再生も苦手でした。

初めから深くに入れなくても、流れている曲を好きになったらいいんだ。当て字でも何でも、滑っているだけでもいいんだ。
歌詞を流し込みたくなったら、曲を聴いてもう一回好きになればいいんだ。また好きなところを探してみればいいんだ。

何を言っているんだと思うけれど、最近はそんなことにはっとして、音楽を聞くことが好きです。
集中して自分の中に取り入れようとしなくても、歌詞がわからなくても曲を覚えられなくても。

仕事はやりながら覚えればいい、と言ってもらって楽になるように。初めから一人で読むだけで理解なんてできないように、耳が指が少しずつ覚えていくように。

歌が最初に流れ込んでこなくて、心地よく滑れる曲の良さがある。滑っているうちに、流れ込んでくるものがある。

実はその感覚が好きで、滑ったり流れたりしたくて、楽器も外国語も好きでいたのかもしれない。
続けるにつれて、深く入らないといけないと思って、少し遠くなってしまったけれど。

移動の間、音楽を聴いていればよく眠れると気づいたのはいつだろう。眠りすぎてイヤホンを落とし悲しくて、しばらく買い替えられなかったことも懐かしい。

子どもの頃、家に着く直前で眠くなって、布団へ運んでもらったことを思い出す。そんな夜に、自転車で歌を追い越しながら、曲に乗って帰るのが好き。

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