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企業間決済の種類は?効率化する方法やおすすめの決済を紹介

企業間決済と聞いて思い浮かべるのは、「末締め翌20日払い」などの条件を定めた掛け売りではないでしょうか。
企業間の掛け売りは、最も多く利用されている決済ですが、その他にも決済方法はあります。
どのような決済方法があるかを知り、自社に適した決済を導入することが大切です。
今回は、企業間決済の種類や、決済業務を効率化する方法を解説します。

この記事は20年以上金融サービスを提供してきたソモ㈱が執筆しています。
弊社のホームページはこちらです。


企業間決済の種類

企業間(BtoB)での取引は、代金を現金で支払うだけでなく、さまざまな決済方法があります。
ここでは、企業間決済の種類を紹介します。

請求書払い(銀行振込)

請求書払いは、一定期間の取引を請求書に基づき、まとめて銀行振込する決済方法です。
一般的には、1ヶ月毎に請求書を発行します。
企業間の取引は毎月多くの商品やサービスが売買されていて、取引量や取引額が膨大になります。一回の取引ごとに代金を決済していると、お互いに手間が増えてしまいます。
請求書払いであれば、1ヶ月分の取引をまとめて請求・支払いできるため、煩雑な作業を減らせるのがメリットです。

ただ、事業規模が大きくなり取引先が増えると、請求書発行の作業量も増えてしまいます。
請求書を発行するには、データ入力・印刷・封入・郵送・入金確認などの、多くの手間が発生します。
また、取引が完了してから入金されるまでに時間があり、資金繰りに悪影響を与える可能性もあります。

口座振替

口座振替は、家賃や水道光熱費・スクール代・サブスク料金のように、毎月一定の取引がある場合に、登録した銀行口座から引き落とされる決済方法です。
支払う側は、銀行での振り込みの手間を削減できます。振り込み忘れにより、信用を失うことも防げます。請求する側は、請求書を発行する手間を省けるのも特徴の一つです。

口座振替は請求側・支払側ともにメリットの多い決済方法ですが、継続的かつ定期的な取引に限定されていることがデメリットです。

クレジットカード払い

クレジットカード払いはBtoCでの利用率が高く、ショッピングやECサイトなどで頻繁に利用されています。
採用している企業は多くないものの、BtoBでもクレジットカード払いは行われています。
取引金額が比較的少なく、取引回数が多い企業間の決済に向いています。

支払う側は振込手数料が掛からず、24時間いつでも決済できるのがメリットです。
請求側は、請求書の発行が不要で、未回収のリスクがありません。ただし、数%の手数料をクレジットカード会社に支払う必要があります。
また、クレジットカードには利用限度額があり、大きな金額の取引はできないことがデメリットです。

アメリカン・エキスプレスの調査によると、企業間決済は銀行振込が最も多く94.1%、クレジットカード決済は19.6%と低くなっています。

出典:アメリカン・エキスプレス「2022年度 中小企業の企業間決済に関する調査」

分割PAY

分割PAYは、クレジットカードを持っていない人にも、分割払いを提供できるクラウドサービスです。
各種スクールやコンサルティング・HP制作など、サービスを提供する事業者に向いています。

分割払いの代金は口座振替で回収するため、毎月請求書を発行する必要はありません。クラウド上で入金や未入金の確認ができ、電車での移動中や自宅での隙間時間を活用できます。

分割PAYについては、SOMOのホームページで詳しく解説しているので、併せてご覧ください。

企業・一般消費者間取引(BtoC)との違い

企業間取引(BtoB)と企業・一般消費者間取引(BtoC)の違いは、取引金額の大きさや、取引回数の多さが挙げられます。

企業間取引は、1回の取引が数億円・数百億円になるケースもあります。
売上金額が大きい分、利益も大きくなり、取引が成立するまでに数か月以上かかるケースもあります。
1回の取引金額が大きいため、主要な得意先からの注文が無くなると、経営に大きな打撃を受けるのが特徴です。

BtoCは、スーパーでの買い物やAmazonなどのECサイトでの取引などがあります。
基本的に取引金額は小さく、購入するたびに決済を行うことが特徴です。
BtoCがメインの企業は、多くの一般消費者を相手にしているため、顧客が数人いなくなっただけでは経営に打撃を受けません。
BtoBに比べるとリスク分散がしやすいと言えるでしょう。

企業間決済を効率化する方法

企業間決済は、クレジットカード払いや決済代行サービスの利用で、効率化することが大切です。

ここでは、企業間決済を効率化する方法を解説します。

クレジットカード払いをメインにする

クレジットカード払いは、請求書を発行する必要がないため、メインの決済方法にすれば請求業務を効率化可能です。
クレジットカード決済をすれば、代金の未回収リスクも無くなります。
請求書払いなどで代金が未回収となると、問い合わせの電話や督促などで、多くの手間が発生します。
未回収が発生しなくなるだけで、大きな業務効率化に繋がります。

先ほども解説したように、クレジットカード払いは大きな金額の決済はできません。
取引額が少なく、取引回数が多い企業は、クレジットカード払いの比率を上げていくのがおすすめです。

しかし最近では、利用限度額が1億円以上ある法人向けクレジットカードも登場しています。
発行手数料や年会費が無料で、カードの利用履歴が明細に即時反映するサービスもあり、BtoBの取引に最適です。
企業間決済の分野には多くのフィンテック企業が参入しているため、より使いやすいサービスが発展していくでしょう。

決済代行サービスを利用する

決済代行サービスは、企業間取引の代金の支払いや受け取りを代行するサービスです。
決済代行サービスを利用すると、与信管理や請求書の発行・売掛金残高の管理など、手間がかかる決済業務を自社で行う必要がなくなります。
また、未回収が発生した場合に、決済代行サービスが代わりに督促をしてくれるオプションもあります。

未回収を発生させないためには、取引開始前に与信管理をすることが大切です。
信用度が高い企業とだけ取引を行えば、未回収のリスクを減らせます。
しかし、与信管理のノウハウがない会社は多く、細かな管理ができていないのが現状です。
決済代行サービスに与信管理を依頼すれば、豊富なノウハウでリスクが高い企業を発見してくれます。
手間や負担の掛かる業務を外部に委託することで、自社はコア業務に集中して売上を伸ばしていけるでしょう。

まとめ

企業間決済には、請求書払い・口座振替・クレジットカード払い・分割PAYなどがあります。
それぞれのメリット・デメリットを把握して、自社に最適な決済方法を選ぶことが大切です。

決済業務は売掛金残高や未回収の管理、請求書の発行など、多くの手間がかかります。
振り込みの金額確認などミスが許されない作業も多く、社内のリソースを無駄に消費しないためにも、効率化することが重要です。

企業間決済を効率化するには、クレジットカード払いをメインにする・決済代行サービスを利用するなどの方法があります。
決済の効率化をしてコア業務に集中することで、売上を伸ばして事業を成長させてください。


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