月9ドラマティック

月曜日、20時50分。

仕事が終わり、
最寄駅に着いた私は、
家までの道をダッシュで駆け抜けた。

家の前で私を待つ、
あの人に会うために。

どうしても今夜会いたい、
あの人に会うために。

それは、
1本の電話から始まる。
電車を降りてすぐのタイミングで、
スマホがブー、ブー、と震えた。

「はい、もしもし」

あの人からの電話だった。
聞くと、いま家の前にいると言う。

私は、はっ!とし、
「あと5分で帰ります!」と
勢いよく電話を切った。

そして、走った。

それはもう全力で走った。

会いたい一心で、走った。

会いたくて会いたくて、
震えていた。

20時55分、
私は息を切らし、家にたどり着いた。

あの人は、家の前で
しゃんと立っていた。

そして、微笑みかけてくれた。





再配達をお願いしていた、
小包を小脇に抱えて。

その日の19時〜21時で時間指定をして
再配達依頼していたことを
すっかり忘れていた私。

宅配のおじさんは、
時間指定で再配達依頼してきた小娘が
不在なもんだから、
わざわざ電話をしてくれた。

私は、
「今帰ってます!すみません!」と
全力で謝りながら全力で帰った。

到着し、
「すみません!すみません!」と
ひたすら謝る私に

おじさんは、
「いや〜よかったよかった
渡せてよかったよ〜
走らせちゃってごめんね〜」
と優しく荷物を渡してくれた。

21時になる5分前、
無事に荷物を受け取り、
おじさんは笑顔のまま帰っていった。


ありがとう、宅配のおじさん。

あなたの笑顔、忘れません。

上京してもうすぐ2年。

他人と他人が冷たく行き交うこの街で、
ほっ、とする
懐かしいあたたかさに触れた。

そんな、冬のはじまりです。

#エッセイ
#日常
#たわごと
#会いたい
#全力疾走
#月9


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2

ミカミ

朗らか。
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