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『大阪のインディーズシーンを活性化させたい』シンガーソングライター アダチケンゴさん

JR大阪駅を抜けた先に広がる「うめきた広場」。そこでは毎日のように音楽が鳴り響き、沢山のイベントで賑わいます。中でも注目を集めるのが「MUSIC BUSKER(ミュージックバスカー)と呼ばれるインディーズミュージシャンのストリートライブイベント。今回はこのイベントに情熱を注ぐアダチケンゴさんにお話を伺いました。

■アダチケンゴさんプロフィール
出身地:兵庫県宝塚市
活動地域:関西を中心に全国
経歴:様々なバンドを経て2010年12月よりソロ活動開始。 

2013年
グランフロント大阪とFM802がタッグを組んで企画しているMUSIC BUSKERのメンバーとして活動中。
FM802 GRAND FRONT OSAKA GET THE CHANCE SPECIAL LIVE 2013に出演。 2000人の前でゲスト「ポルノグラフィティ」と、前座として共演を果たす。
2015年
「MUSIC BUSKER AWARD LIVE」において初代グランプリを獲得。
その確かな集客力と歌声で現在もうめきた広場を盛り上げている。
2015年
心斎橋BIGCATにてワンマンライブを平日ながらソールドアウトの大成功に収める。 
2016年
JR大阪駅前のグランフロント大阪内うめきた広場にて1000人ストリートライブに挑戦し、成功に収める。
2017年
大阪umedaTRADワンマンライブにて、4th mini album『The Last Day』をリリース。
11月10日には、地元関西から離れた茨城県民文化センターのホールに於いてワンマンライブを開催。

現在の職業及び活動:シンガーソングライターとして全国各地でライブを行う。グランフロント大阪・FM802主催「MUSIC BUSKER」のイベント仕掛人として活動中。
座右の銘:継続は力なり

記者 よろしくお願いします。
アダチケンゴさん(以下、アダチ) はい、よろしくお願いします。

大阪の公認のストリートライブ「MUSIC BUSKER」

記者 現在「MUSIC BUSKER」やさまざまな土地で活躍されているアダチさんですが、アダチさんはどんな夢やビジョンをお持ちですか?

アダチ 私は今30代なんですけど、夢は30代のうちに地元・大阪城ホールの会場で1万人単独公演を実現することです。

記者 動員目標1万人ですね。それを具現化するためには、どんな目標や計画を立てていますか?

アダチ インディーズミュージシャンって圧倒的に知られていないんですね。全国の人たちに存在を知ってもらうことがまず難しい。テレビやメディアを使うというところも難しいですし、1万人集まらないです。
だからこそ、一人一人に生の音楽を聞いていただいて、そこから1万人に繋げるという方法です。本当に地道なんですけど。
具体的には、大阪の公認ストリートライブだったり、インストアライブやライブハウス、YouTubeなどの活動で少しずつ大きくしていきます。

記者 何年後にファンを何人集めるなどの目標はありますか?

アダチ 目標を立てても変わることもあります。
でも1000人までは自力で増やしたいですね。1000人のライブが単独でできれば、「一人でアダチくんは1000人集められるんだ」と思ってもらえる。そして、一緒に夢を追ってくれる、僕の音楽に可能性を感じてくれる人と出会いたいです。

グランフロント大阪での1000人ストリートライブ達成は快挙

アダチ 1000人ストリートライブは、振り返ってみればグランフロント大阪としても結構残ったイベントみたいで、すごい足跡でしたね。やっぱりインディーズがあれをやるってなかなかできないことで。
ストリートライブを地道にして、見に来てくれた人に「興味があったら来てください」と声をかけていった成果だと思っています。

僕はミュージシャンとして純粋にアダチケンゴの音楽が良いなと思って出会ってくれた人に来てもらいたいので。そう思ってもらえるためには、原点に戻るんですけど良い曲を書いて良いライブをしていくしか道はないな、と思います。

「2流だ」と言われ続けて悔しかった日々

記者 私は沢山のインディーズミュージシャンのライブに行っていますが、中でもアダチさんはものすごく沢山ライブをされているなと感じています。その地道な努力が結果に繋がったのですね。
アダチさんが夢に勝負するきっかけとなったのは何でしょうか?

アダチ 僕はずっと「2流だ」と言われ続けてきました。さんざんコケにされて、悔しかったです。当時はユニットで活動をしていたのですが、解散してソロ活動をするときに「応援してくれた方に恩返しをしたい」という思いがありました。「夢は叶う」という趣旨の曲を歌っていたから、「大好きな音楽で夢を叶えることができるんやで」って。
そして、目に見える形で「恩返しできたな」と思う形を考えたのが大阪城ホールでの単独公演です。

記者 それで大阪城ホールでの1万人単独公演なんですね。
音楽が大好きとのことですが、音楽が大好きになったきっかけは何ですか?

アダチ 僕は2歳の時に父を亡くしています。小学生の時に再婚するまでは母親と二人で暮らしていて、母親がずっと音楽を聴いていたんですね。そして、高校生の時に亡くなった父のデモテープを聞いて、父がバンドをやっていたことを知ったんです。ちょうどその時、再婚した父親がアコギを持っていて「興味あるんやったら弾いてみ」と言われて始めました。
地元宝塚の音楽イベントに出たり、老人ホームや介護施設・障害施設、地域の祭りでもボランティアで歌いました。

それまでは周りから「歌が上手いね」と言われていたんですが、初めての挫折というか、本腰を入れてやってみようと思ったのは、オーディションを受けて落ちたことがきっかけです。敗北感がありましたね。そこから音楽にどっぷりハマりました。

「まだストリートライブやってるの?」

アダチ 高校2年生の時にストリートライブを始めました。その頃ちょうどゆずさんやコブクロさんが売れ出したんですね。阪急の川西能勢口駅は兵庫県の中でストリートライブが盛んな街で、コブクロの黒田さんや植村花菜さんも来られていました。

記者 そうなんですか!

アダチ 凄かったよ。10組くらいストリートライブしてました。お客さんも沢山いたし。当時はストリートライブがブームだったので、歌ったらとんでもない数の人が聞いてくれる時代だったんです。

記者 私がストリートライブにハマったのは大学2年生の時で福岡だったんですが、福岡も沢山人が集まっていましたよ。

アダチ 沢山いたでしょ、天神のコンコースとかね。

記者 そう!皆で真ん中に集まって、両サイドを通り道として開けて、思いっきり手拍子してましたね。

アダチ お客さんもやっぱり青春やったやろうね。

記者 青春って言ってましたね。・・・なんだか切なくなってきました。

アダチ 今はね、「ストリートライブってまだやってんの?」って感じの位置づけになってるんですよ。僕らもやっぱり感じてて、特に大阪とか主要都市はストリートライブをやってる人も多いので風景化しちゃってるんですよ。「またやってるわ」って。街行く人、歩いてる人がまず見ない。スーッと通って行くんです。それがすっげぇ上手い、どれだけの実力者に対してもです。最近は動画ブームで生の音楽に価値を見出さなくなっている人が多いですし。そんな時代なんです。

「MUSIC BUSKER」はJR大阪駅前の一等地で、ストリートライブが許可されていて、 関西最大のラジオ局「FM802」も入っていても、実際にストリートライブをやっても人が止まらない。結果が出ない人が多いので結局「MUSIC BUSKER」から離れていってる人が多いです。

記者 私の知っているグループもやらなくなっていましたね。

アダチ 本当に一時期大変で、ストリートライブをするミュージシャンが激減してしまって危機感を感じていました。でも久々にオーディションを受けたのが「MUSIC BUSKER」なので、無くしたくないという思いがあります。

「MUSIC BUSKER」を活性化させたい

アダチ 僕はコンテストが好きではなくて、音楽でナンバーワンを決めることが僕には合わないなと思っています。それでも久々に自分が携わったものはやっぱり潰れて欲しくないですね。「MUSIC BUSKER」でグランプリをいただいた時から、足跡をしっかり残していこうと決めました。

それで、1000人ストリートライブをやったり、うめきた広場にあるShip HALLでワンマンライブをやったり、グランフロント大阪内での活動を広げていっています。自分のためというか、「MUSIC BUSKER」を活性化させるために発案しました。こうやって色んな挑戦をする方が生まれたら良いですね。

「MUSIC BUSKER」をもっと盛り上げる方法を考えて、昨年10月から「MUSIC BUSKER FREE WILL」というイベントを立ち上げました。
平日にやっているストリートライブとは違い、200人くらいの観客が集まりました。うめきた広場でアーティスト10組くらい組んで、ストリートライブの延長線のような形で毎月行っています。
今年の10月にはスペシャルイベントをやって、のべ1000人ライブをやれば、「MUSIC BUSKER」としてより形に残るんじゃないかな、と思いますね。音楽をやっている人には10代の若い人もいるので、「こういう風にやったらいいんやな」と気づいてもらえると嬉しいです。

記者 熱い思いを語って下さりありがとうございます。
では最後に、読者の方へメッセージをお願いします!

アダチ 「MUSIC BUSKER」にぜひ来てください。
50組以上のアーティストが毎日路上ライブをしているので、お近くに寄られた際はぜひ聞いてほしいです。

僕は「MUSIC BUSKER」に思い入れがあるから盛り上げたいんです。
無くしたくない。「MUSIC BUSKER」からメジャーデビューした人もいるので、そういう人たちが帰る場所でもありたいなと思っています。もっともっとそういう環境を作っていきたいし、そういう人たちが羽ばたける足がかりになってほしいなと思います。

記者 どうもありがとうございます。「MUSIC BUSKER」をぜひとも活性化させたいですね!本日は貴重なお話をありがとうございました。

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アダチケンゴさんの詳細情報はこちら
HP︰http://www.adatikengo.com

【編集後記】
インタビューの記者を担当した西脇です。
約10年前、私が大学生の頃はストリートライブが全盛期で、週末の夜は街に音楽が溢れていました。
期待に胸を膨らませ、就職のため帰ってきた大阪で目にしたものは、アダチさんの仰る通りの寂しい景色でした。
「大阪をもっと音楽溢れる街にしたい」と私も願っています。
アダチケンゴさんの今後の益々のご活躍を応援しています!

この記事はリライズ・ニュースマガジン“美しい時代を創る人達”にも掲載されています。
https://note.mu/19960301/m/m891c62a08b36

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