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恋するレゲエ・ミュージック。レゲエのサブジャンルの一つ「ラヴァーズ・ロック」を特集!

J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:あっこゴリラ)。番組では、毎回ゲストを迎え、様々なテーマを掘り下げていく。

1月12日(水)のオンエアでは、「恋するレゲエ・ミュージック! ラヴァーズ・ロックの世界! 」をテーマにお届け。ゲストには、リリースした作品が即完売するなど、シーンに新風をもたらしているラヴァーズ・ロック専門レーベル「It's a Romance Production」のズングズングさんが登場。

■レゲエのサブジャンル「ラヴァーズ・ロック」とは
番組では、レゲエのサブジャンルの一つである「ラヴァーズ・ロック」を特集。近年、リバイバルしているアナログレコードのマーケットを中心に、国内外から新しい作品やコンピレーションが登場し、改めて、いま注目を集めている。

あっこゴリラ:「ラヴァーズ・ロック」とは、どんな音楽なんですか?
ズングズング:ラヴァーズ・ロックは、イギリスで誕生したレゲエのサブジャンルで、ジャマイカのレゲエとは違い、洒脱で洗練されたサウンドが特徴です。個人的にはレゲエのビートに、ソウルやディスコのようなフィーリングが合わさった音楽だと思っています。
あっこゴリラ:なるほど~。いつ頃からあったんですか?
ズングズング:1970年代初期からそのようなスタイルはありましたが、70年代中期にロイド・コクソンという人物がプロデュースしたルイーザ・マークというシンガーの『Caught You In A Lie』がヒットし、これが実質最初のラヴァーズ・ロック作品と言われています。
あっこゴリラ:そこからいろんなアーティストが、そのスタイルを継承していくみたいな感じですかね。
ズングズング:そうですね。ルイーザ・マークの登場以降、Brown Sugarやジャネット・ケイ、キャロル・トンプソンといったシンガーが現れて、ラヴァーズ・ロックというジャンルが確立されていきました。


あっこゴリラ:このラヴァーズ・ロックの始まりは、イギリスのジャマイカ移民の黒人ってことですよね?
ズングズング:厳密に言うと、イギリスに移り住んだ移民の子供たち、いわゆる2世たちですね。
あっこゴリラ:ラヴァーズ・ロックは、どんなことを歌っているんですか? 
ズングズング:内容は、主に男女間の恋愛的な歌詞が多いですが、友達に対しての愛や人間愛を歌った歌もあるのでラブソングだけとは限らないですね。
あっこゴリラ:レゲエっていうと、プロテストな面が強い印象があるんですけど、ラヴァーズ・ロックに関してはどんな位置づけだったんですか? 
ズングズング:若い男女に向けて作られた音楽ではあるから、やっぱり若い人たちが共感しやすい恋愛的歌詞が需要があったじゃないかなと思います。
あっこゴリラ:2世がってことだったので、プロテストなものよりラブソングの方がスッと入りやすかったのかもしれないですね。
ズングズング:当時のイギリスでのレゲエといえば、主流はラスタファリズムについて唱える社会的な歌詞が多かったんです。ラスタファリズムとは、黒人の歴史に関係してくるのですが、アフリカから強制的に連れ去られて、奴隷としての人生を余儀なくされたアフリカ人たちによるアフリカ回帰運動のことで、そういう思想について歌った歌を言いますが、イギリスに移り住んだ移民の2世にあたる若者たちにとっては、やっぱり共感しにくい部分があったんだと思います。
あっこゴリラ:なるほど~。ラヴァーズ・ロックの登場でシーンの流れは変わりました?
ズングズング:そうですね。クラブやパーティーでの集客も減っていましたが、ラヴァーズ・ロックが登場して以降、イベントの集客も取り戻せたという話がありますし、そういう意味で表裏一体となって支えてきたと言っても過言ではないかと思います。

■世界初! ラヴァーズ・ロック専門書
ここからは、ズングズングさん監修の世界初のラヴァーズ・ロック専門書『LOVERS ROCK RECORD GUIDE Romantic Reggae Selection 1970s-1990s』について伺った。

あっこゴリラ:ズングズングさんは、世界初のラヴァーズ・ロックの専門書を発売されたそうですね!
ズングズング:はい。私が、執筆と監修をさせていただきました。
あっこゴリラ:この本、真っピンクで超かわいいんですよ~! どういった内容になってるんですか?
ズングズング:今まで知らなかったラヴァーズ・ロックの歴史について、かなり的確にまとめた内容になっています。他にも、主要なシンガー、バンド、レーベルについての解説やレコードの紹介や著名人によるお気に入りの愛好盤の紹介もしています。
あっこゴリラ:へえ~!
ズングズング:あとは、UKラヴァーズ・ロックで活躍したシンガー、プロデューサー、ジャーナリストによる貴重なインタビューも載せています。ラヴァーズ・ロックって、ジャンルとしてあまり認知されていなかったので、こうやって初めて専門書を出せたことはすごく嬉しいですね。海外からも問い合わせがきていて、英語版を出してほしいって要望がきています。
あっこゴリラ:絶対そうですね! すごい! いま、改めて注目されている「ラヴァーズ・ロック」ですが、現在進行形のアーティストっているんですか? 
ズングズング:70年代、80年代だけではなく、現在進行形で今も若い世代によるラヴァーズ・ロックなアプローチの楽曲は存在します。ラヴァーズ・ロックのみを歌うという形で活動している人は少ないと思いますが、一人、現行のラヴァーズ・ロック歌手として活躍しているホーリー・クックというシンガーがいます。
あっこゴリラ:どんなシンガーなんですか?
ズングズング:パンクバンド「セックス・ピストルズ」のドラマー、ポール・クックの娘さんなんです。新星のザ・スリッツのセカンド・シンガーとしてスカウトされ、その才能を開花させたシンガーで、今ではラヴァーズ・ロック歌手として有名です。


■日本のラヴァーズ・ロックシーン
ここからは、日本のラヴァーズ・ロックシーンについて教えてもらった。

あっこゴリラ:ズングズングさんは、なぜラヴァーズ・ロック専門レーベル「It's a Romance Production」を立ち上げようと思ったんですか?
ズングズング:相方がいるんですけど、もともとはその相方とイギリスやジャマイカなどのラヴァーズ・ロック作品の歌詞を研究する企画として、2019年に始めました。日本ではあまり知られていないレゲエのサブジャンルですが、その歴史を紐解きながら、歌や演奏だけではなく、楽曲一つ一つの「歌詞」に着目し、それをブログに書き起こしてたんです(笑)。
あっこゴリラ:へえ~!
ズングズング:それが、全国各地のラヴァーズ・ロッカー並びにレコード屋界隈の間でジワジワと話題となり、2020年に日本でのシーン拡大を目的とし、ラヴァーズ・ロック専門の音楽レーベルを立ち上げました。
あっこゴリラ:素敵ですね~。日本にもラヴァーズ・ロックのシーンがあるんですね。
ズングズング:まだまだ小さい規模ではありますが、しっかりとしたシーンがあります。日本での代表的なラヴァーズ・ロック歌手は、やっぱりasuka andoさんです。日本のラヴァーズ・ロック・クイーンだと言っても過言ではないと思います。
あっこゴリラ:おお~!
ズングズング:僕もかなりasukaさんの影響を受けて、asukaさんの歌を聴いたときに日本語でラヴァーズ・ロックをやるってすごくいいなと思ったんです。それで、もっと日本語の歌詞でいろんな人に歌ってほしいと思って、楽曲プロデュースを手掛けたりしています。実は僕、本業はプロデューサーなんです(笑)。
あっこゴリラ:そうなんですね! おもしろい! 最近の日本のラヴァーズ・ロックシーンは、どんな感じなんですか? 
ズングズング:ここ最近ではソロの歌手だけではなく、「Bagus! 」というラヴァーズ・ロック専門のバンドも出てきたり、ラヴァーズ・ロックのレコードをプレイするDJも増えてきたりと、徐々にシーンが広がっていると思います。


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【番組情報】
81.3FM J-WAVE『SONAR MUSIC』
放送日時:月・火・水・木曜 22時-24時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/

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