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ご報告と今後について

こんにちは!ボイストレーナーの安田結衣です。
日頃お世話になっている皆さまへお知らせです。
6月末で現在のボーカル教室を退職し、7月からボイストレーナーとして独立します。

この決断に至った経緯を以下に書いていきます。ものすごく長くなってしまいましたが、お暇な時にでもお付き合いください。

主に書いていくのは
・ボイストレーナーとして働くことになったきっかけ
・安定の職場を離れボイストレーナーとして独立を決めた経緯
・今後の活動について 
 
です。

様々な働き方が選択できる時代だからこそ、自分のキャリアについて悩む人は多いはず。私もその中の一人です。そんな悩みとぶつかった一ボイストレーナーの考えとしてご覧頂ければ幸いです。

ボイストレーナーになったきっかけ

私は4年制の私立大学を卒業後、新卒採用で京都の印刷会社に入社しました。そこでは2年間印刷物の検品作業や制作に携わり、ポストカードや冊子など様々なものづくりを経験しました。仕事自体にはやりがいも感じていたし、仲間にも恵まれていたけれど、納期優先の仕事柄どうしても夜勤勤務は避けられず。やりがいとは裏腹に身体は悲鳴を上げていました。
そんな夏のある日、高校時代にライブ活動をしていたライブハウスのPAの方から「いきなり変な質問やねんけど、今のお仕事ってしばらく続けるやんな?」とメッセージが。「しばらくは続けるつもりです!どうされたんですか?」と返信すると、その方はPAからボイストレーナーへと転身し、職場のボーカル教室で新しくボイストレーナーを募集していました。その時は「興味はありますが、今のお仕事をもう少し頑張りたいので、すみません。」と返したのを覚えています。

音楽は昔から大好きでした。吹奏楽部、軽音楽部、弾き語りでのライブ活動など音楽一筋で、音楽によって思春期の心のつらい部分を緩和し、大学まではずっと音楽が心の支えでしたが、就職してからはずっと綺麗な思い出としてしまっていました。
部活では指導の役割を担っていたこともあり、音楽を教える仕事に憧れもありました。それでも頭をよぎったのは私がボイストレーナーになれるのかという不安と、このタイミングで転職することで職場の方に迷惑をかけてしまうという心配でした。
そこから数日は、今の仕事とボイストレーナーとしての人生を天秤にかける日々が続きました。私は誘っていただいた方にボイストレーナーの仕事内容や、生活していくためにどんな勉強が必要か、教室にいる生徒さんはどんな人がいるのかなど質問攻め。そのボイストレーニング教室の生徒さんはカラオケ目的の音楽好き。必要な勉強は歌の勉強、身体の勉強、音を聴き分ける練習、人に伝える勉強など沢山ありました。話を聞けば聞くほど自分も挑戦してみたいという気持ちが大きくなり、最終的に決断に至ったのは、話を聞いた10日後のことでした。悩んでた割には早く決断しました笑

ボイストレーナー修行、面接通過

そこからは今の会社で働きながらボイストレーナーとしての勉強をする日々が始まりました。面接までは会社で働きながら月2回レッスンを受ける日々。そこでは沢山の勉強ができ、どんな風に生徒さんと向き合っていくのか、どんな声の悩みがあってどう解決していけばいいのか、教室の課題、働き方、体験レッスンの仕方なども教えてもらうことができた。この時間はとても充実感があり、心から楽しい時間でした。
そして面接を終え、晴れて採用。就職後の研修が始まってからはレッスンの見学をしながら、レッスン方法や雰囲気を掴んでいきました。決まったメソッドがない教室だったため、身体からのアプローチがメインの先生や、論理的に指導する先生など様々なレッスン方法を知る事が出来ました。そして退職される先生からの引き継ぎの準備も進み、約20人の生徒さんを担当できることに。

ボイストレーナーの現実と新たな悩み

トレーナーデビュー後は出勤前にレッスンのタイムスケジュールや練習内容、雑談の内容まで計画を立てて通勤電車で頭に叩き込む日々。レッスン後にはレッスンの反省点と今後の課題をそれ以上に書き足していました。
3ヵ月後には体験レッスンも増えていきましたが、お給料は前職の半分程度。それでも一人一人のレッスンに精一杯だった私にとっては生徒数が増えない方がむしろ良かったのですが、それでは教室の売り上げが落ちていくばかり。
私は何とかして教室を活性化させるべく、自らの勉強以外にも発表会後に親睦を深めるためのカラオケ打ち上げを企画しました。そこからは毎月行われるBBQやハイキングなどのイベントの効果でどんどん生徒さんの輪が広まっていきました。

それでも講師としての不安は消えませんでした。ボイストレーナーは基本一人対生徒で行います。企業で共同作業を経験していた私にはその責任が恐怖に感じました。

独学での勉強に危機感を感じ、会社員時代にコツコツ貯めた貯金を使って自主的に勉強会に参加したり、他のボイストレーナーとの交流を始めました。(ここぞの時のために貯金してた自分を褒めたい!笑)
そうして技術的にも精神的にも数え切れないほどに助けを借りながら、1人の恐怖を徐々に克服していきました。ボイストレーナーとの交流で様々な働き方を知る事ができ、「自分はどんなレッスンをしていきたいのか」「どんな時間が心地いいと感じるのか」「この焦りと疲れは何に対してだろう」「将来もずっとトレーナーをするためにはどうしたらいいのだろう…。」と自問自答する日々が始まりました。

独立を決めた理由

それらを考えていく中で固まってきた自分の考えは
・トレーナー業は勉強と実践の連続で終わりがないこと
・仕事の充実度と私生活の満足度は必ずしも比例しないこと
・声の楽しみ方は沢山ある
ということでした。
トレーナー業は勉強と実践の連続で終わりがない
これは本当に日々痛感しています。レッスンの不安は昔より無くなったけれど、素晴らしいトレーナーほど本当に多角的に声を聴いていると感じます。ボイトレ本やメゾットも沢山あるし、発声学・音響学・解剖学・心理学・脳科学などなど様々な分野で勉強と実践をしています。そんな有り難い刺激を受け、この春にはアメリカで人体解剖実習にも行かせていただきました。ここでの学びはとてつもなく深く一筋縄では語れないので、新しく勉強を重ねて来年も参加します。
仕事の充実度と私生活の満足度は必ずしも比例しないこと
私の場合は決めたらとことん突き進んでしまう性分とレッスン時間が土曜や平日夜がメインということもあり、プライベート時間はほとんど勉強に費やしてしまっていました。一応新婚の身なのですが、新婚旅行よりも解剖研修を優先する始末…笑 いつも応援してくれる夫のためにも、これではいかん!と思い仕事と生活のバランスをとりながら働ける環境を整えたいと考えました。
声の楽しみ方は沢山ある
私が考えるボイストレーナーとしての一番の喜びは「受講者が掲げる声の目標をサポートできて、実感してもらえること」です。教室で様々な受講者に出会えたことで、声の楽しみ方の幅広さを知りました。「お子さんの結婚式で歌を届けたい」「趣味の落語のために声を磨きたい」「とことん身体の事を知りたい」など単純に人から上手いと言われるためではなく、自分のために声を磨くことの素晴らしさを知りました。

今後の活動について

7月からは高槻と草津を拠点にボイストレーニングをします。今まで以上にレッスンも私生活も一つの道に絞らずクリエイティブに楽しみます!今まではあまり行けなかった遠方の勉強会にも参加したいし、受講者の方が安心・楽しいと思えるレッスンとトレーナー像を追求したいです。そして家族との時間も大切にしたい。そのためなら頑張れます。

独立を決める前の自分へ

今悩んでいることのほとんどは解決していますが、また新たな悩みが出てきます。人は悩みが尽きない生き物ですね。でもその悩みが人としての伸び代です。あなたは今ボイストレーナーを続けるのはもう無理かもと思っているかもしれませんが、向き合う事をやめなければ必ず改善します。独立することで一人になってしまう不安があるかもしれませんが、あなたが一生懸命取り組めば、見てくれる人や応援してくれる人が現れます。他の人の価値観に惑わされず、自分が居心地の良い時間・良いなと思う人・考え方をよく観察して真似してみてください。段々と進む道が見えてきます。あと独立後には新婚旅行にも行けるので安心して下さい笑

7月からのレッスンを引き続き受けてくださる受講者の皆さまへ

安田結衣のレッスンを継続して下さりありがとうございます。ますますのサービス向上を目指して精進いたしますので、これに飽き足らず今後もどうぞよろしくお願いいたします笑 それぞれの目標に向けて一緒に声を育てていきましょう!

安田結衣のレッスンを検討しておられる方へ

私のレッスンは受講者が安心して声を出せる場所を作りたいと願っています。メゾットに拘らずお一人お一人の声に関わる目標やお悩みを解決するために善処いたします。先生と生徒という上下関係を抜け出し、音楽や声が好きな者同士で遊びましょう!

日頃から支えていただいている皆さま、刺激的な学びをくださる先生方へ

いつも暖かい応援感謝します。まだまだ人間としてもトレーナーとしても未熟な身です。これからも歩みを止めず精進して参りますので、今後もご指導・叱咤激励のほどよろしくお願いいたします。そして今後はますますフットワーク軽くいきますので、ぜひ色々なセミナーなどあれば参加させてください!

長文にお付き合いいただき誠にありがとうございました。


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