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米国CPI(消費者物価指数)の速報と分析

■結果

3/13の21:30に米国のインフレ率を示すCPIが発表されました。

CPI(消費者物価指数)

結果はほとんどの数値が市場予想を上回りました。ただしCPIから食料品とエネルギーを除くコアCPIは前回の数値よりインフレ率は鈍化しました。
次に項目別のインフレ率を見てみましょう。

項目別インフレ率

ポイントとしては①エネルギー価格の下落率縮小(前月比では+2.3%)、②食料品と住宅価格のインフレ鈍化でしょう。特に食料品と住宅価格はCPIの構成割合としてPCEより高いので、ポジティブ材料です。

CPIとPCEの構成比率(ニッセイ基礎研究所)

つまり今回のCPIは、ぱっと見の数値は市場予想を上振れて悪い印象だけれども、項目別をよくみるとそこまで悪くない、と言えそうです。

それではもう少し長い期間で見てみましょう。

CPIの推移

インフレがピークアウトしているのは明らかですが、下げ止まり感も感じられます。FRBはインフレの目標を「持続安定的に2%」としているので、その目標をまだ達成できていないのは明らかです。

■マーケットの反応

マーケットはドル高・株高と珍しい反応です。

CPI発表前後のドル円のチャート
発表直後のS&P500先物のチャート

通常であれば金利予想の変化によりドル安株高か、ドル高株安の反応となることが多いですが、今回はドル・株どちらも買われる反応となりました。

特段の理由は見当たりませんが、まだインフレ率が2%まで低下するのを見通せない結果だった点を考慮すると、株式市場の参加者は少し楽観的すぎるのではないかと危惧してしまいます。また、恐怖指数VIXは14まで低下をしています。

■今後の投資戦略

CPIの結果自体は上述の通り、ぱっと見の数値は市場予想を上振れて悪い印象だけれども、項目別をよくみるとそこまで悪くない、と言えそうです。

まだまだインフレ退治完了の時期が見えないものの、インフレ再過熱の兆候はないので悲観的になる必要はないと考えます。

ただしインフレの先行指標ともいわれるCRB指数(様々なコモディティ価格を合計した指数)は年初来から上昇しています。

CRB指数の日足チャート

なので強気にも弱気にもなれない。という中途半端な意見が今回のCPIを受けた私の正直な感想です。

来週はFOMCが予定されていますが、おそらく利下げは見送りでしょう。その次のFOMCは5月となるので、3~4月にでる経済指標でまた市場の金利予想は変化します。それらの経済指標を見ながら、投資戦略を修正していきたいと思っています。

最後まで読んで頂きありがとうございました。
少し前にYoutubeで3月の高配当株5選という動画を投稿しましたので、こちらも見て頂けると嬉しいです。
https://youtu.be/lqFGV3ZZBaE


■【参考】CPI(消費者物価指数)とは

消費者物価指数(CPI)は毎月発表され、消費者が購入する商品とサービスの価格変動を測定します。
米国におけるインフレを測定する重要な手段であり、金融政策を決定する上で参考にする重要指標です。


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