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FOMCの3つの注目点と通常のFOMCと異なる点【株式投資家向け】

いよいよFOMCの結果が3/21の未明に発表されます。
株・債券・FX・コモディティ・仮想通貨などのあらゆる市場に大きな影響を与えるので、しっかり予習して臨みましょう。

■FOMCのスケジュール

3/21(木)
・03:00 政策金利、声明文、経済見通しの発表
・03:30~ パウエル議長記者会見

まず午前3時に声明文等が発表されます。ここでは文書ベースの情報だけ発表されます。
そのあと午前3時半からパウエル議長の会見が1時間程あります。ここではパウエル議長の表情、話し方なども材料になるため、リアルタイムであらゆる市場が大きく乱高下します。

FRBのYoutubeリンク(リアルタイムでライブ配信されます)※クリックで飛べます。

■通常のFOMCと異なる点

今回のFOMCが通常のFOMCと異なる点は、経済見通しが発表されることです。
ここでFOMC参加者の「今の経済の状況はどうなのか、これからどういう風になるのか」という見通しをグラフを用いて示されます。
これは年4回(3,6,9,12月)のFOMCしか発表されないため、市場に大きなインパクトを与えます。そして今回は2024年初めての見通しを発表するFOMCとなります。これが通常のFOMCと大きく異なる点です。

経済見通しの例(2023年12月)

■3つの注目点

それでは今回のFOMCでの3つの注目点を解説します。結論はこの3つです。

FOMCの注目点3つ

①ドットチャート

ドットチャートというのは「FOMC参加者の金利予測図」になります。それぞれの予測が一つの点(ドット)で示され、それを集計した図です。

最新のドットチャート(2023.12)

2024.3.20時点の最新のドットチャートにおいて「2024年末の金利は4.5~4.75%(3回利下げ予想)」が最も多くなっています。ちなみにこれは市場参加者も同様です。

債券市場参加者の金利予測

つまり、現在はFRBと市場参加者との金利予想の乖離が無い状況です。もし今夜発表されるドットチャートに大幅な修正があれば、サプライズとなり市場は大きく動くでしょう。

②利下げ開始時期

上記の「債券市場参加者の金利予測」にあるように、「6月から利下げスタート」が市場予想です。これは「いまインフレ率に下げ止まり感がでているので、もう少し高い金利を維持して経済に対するブレーキをかける必要があるだろう」という観測があるからと思われます。

CPI(インフレ率)の推移

グラフを見ればわかるように、だいぶ下がってきたけど目標の2%まではまだ達していないと見られます。今回のFOMCでは、「いつ利下げ開始するのか」というヒントをパウエル議長の発言から探っていくことが注目点になりそうです。

③経済の見通し

今回は経済の見通しとして、GDPや失業率の予想も発表されます。細かいデータはここにのせませんが、簡単に言うと「景気はクラッシュすることなく、インフレは目標の2%に数年かけて近づいていく」とFRBは予想しています。つまりソフトランディングです。

株式市場が絶好調なのをみると、このソフトランディングシナリオをマーケットは既に織り込んでいます。経済の見通しにおいてこのシナリオに変更ないかが注目点となります。
もし失業率の増加やGDPの再悪化などに修正されれば景気後退懸念から株安のリスクは高まるでしょう。

■さいごに

毎回お伝えしていますが、現在の経済状況で一番大事なのはインフレが下がってくるかどうかです。インフレさえ収まればFRBは利下げをし、経済に対するアクセルを踏むことができます。

パウエル議長のちょっとした発言で株価が乱高下することはありますが、それはあくまで短期的な値動きです。パウエル議長はインフレを完全にコントロールできる力はもっていません。大きくは世界的な政治・経済・軍事の動向に左右されます。
個人投資家としてはFRBが早すぎる利下げをしないかどうかだけ警戒していればOKだと思っています。

パウエル議長の発言で一喜一憂しないようしましょう。

最後まで読んで頂きありがとうございました。
Youtubeでも解説したので、こちらも是非。

FOMC3つの注目点

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