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未来にこだわる者ほど、未来を失う。

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東日本大震災の直後、首都圏の家電量販店では電子辞書が爆発的に売れたらしい。これは実際、電子辞書で有名な某企業の方から聞いた話である。

あの日を境に、世の中の消費トレンドは確かに変わった。わたし自身、当時セールスの仕事に就いていたので、まさに消費トレンドの転換点という現場を間近で見ていたし、取引先を通じてもその声は耳に届いていた。

人は不安定な状況に直面すると、“確実な”ものを求めたがる傾向がある。けど、人が思いつく確実なものや安定的なものほど、不安定なものはない。

みんな、安心とか安定という言葉が大好きだ。だから、年寄りや病人、情報弱者はいつの時代もカモにされる。

わたしは、あるときから「未来を信じない」ことに決めている。いずれ、やることは“いま”やればいいし、いずれ、やめることは“いま”やめてしまう。これができなければ、新しい自分を迎え入れることは極めて困難になるはずである。

ずっと未来を信じて生きてきて、いまこの瞬間の生活に心底満足していなければ、それは自己不信や自己嫌悪を超えた恐怖以外の何ものでもないとわたしは思う。

キラキラした未来を前借りした人は、その返済に一生追われる

ある作家がこんなことを言っていた。
“クスリの使用は、才能の前借りである”と。

夢ばかり語っている人、未来を過信している人にもこれは当てはまる。キラキラした未来を夢見るのは当然自由だけれども、現在の自分と夢の中の自分との“差額”を一生払って生きるのはツラいと思う。

人の脳ってホント意地悪で、望む未来をイメージすればするほど、その未来はやってこない。どうやら、時間という概念を脳は理解できないらしい。だから、すでに未来を手に入れたと思って満足してしまうようである。

けど、その打開策というものが実は存在する。
それは、望む未来を“いま”この瞬間に再現すればいいだけのことである。

自由になりたければ、いま自由になればいい。言い訳は、自分で作った鎖にすぎない。未来への入り口を探す前に、現在の出口からとっとと出てしまうほうが実は簡単だったりもする。

フットワークが軽ければ、心も軽くなるようにできている。だから、わたしはどこにも属さない。過去にも未来にも。

そして、愛するのだ。いまの自分を。

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