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被害者を責める心理とは?

こんにちは、心理カウンセラーのまつうらです。

事件があったときに被害者を責める人を見かけます。なぜ加害者ではなく被害者を責めるのか?その心理を学ぶことで人の価値観が理解できます。個人的にわからない人への対処法は理解しようとすることだと思います。

理解できなくてもいいけれど、無関心でいていいわけではありません。より良い世界を作るためにもそのメンバーがどのように考えているのかを知ることは大切です。また、自分がそのような考えをしていないかを調べるためにも必要です。

知らず知らずのうちにあなたが加害者となって人を傷つけているかもしれません。この被害者を責める心理を学んで自分や周りが大丈夫か確かめてみてください。


なぜ被害者を責めるのか?

例えばニュースなどで夜に強盗にあった女性がいたとします。被害者の女性に対して「夜に一人でそんなところを歩いているから悪いのだ」と責める人を見かけます。この人はなぜそんな発言をするのでしょうか?どういった心理が働いているのでしょうか?

これは「自分が安心したいから」です。自分の環境は安心安全であるということを確かめるために被害者を責めているのです。

そもそもこのような発言をする人の中には「公正世界仮説」という考えがあります。公正世界仮説とは行為に伴った結果が必ず訪れると考えることです。

例えば「努力は報われる」「信じるものは救われる」といった考えです。努力すれば必ず良い結果が出る。信じていれば神様が絶対に救ってくれる。このように行動と結果が必ず結びついていると思うことを公正世界仮説と言います。


被害者を責める人の心理にはこの公正世界仮説が結びついていると思われます。つまり、自分は良い行いをしているのだから良い結果が出るはずだ。犯罪被害に会う人は犯罪被害に遭うような振る舞いをしているから犯罪に遭って当然だ。

このような思考が少なからず影響していると考えられます。悪い結果を得た人は悪いことをしていたから当然の報いである。このような考えがあるのです。

しかし、現実はそこまでうまくはないですよね。報われない努力もあるし、信じていても神様が救ってくれるかは分かりません。このように行為と結果が結びつかない事態に陥ると公正世界仮説信者は原因を否定しにかかります。

すなわち、結果が出ないのは努力が足りないからだ。あなたが救われないのは信仰心が足りないからだ、と行為を否定しにかかるのです。これと同じ流れで被害者を批判することが行われています。

被害を受けた人は傷ついています。そんな時に余計にダメージを与える必要はないのではないでしょうか。反省を促すにしてもタイミングがあります。傷が癒えたところで確認しても遅くはないでしょう。

そもそも被害者を責める心理は自分の安全を確かめたいからです。自分は良い行いをしているから被害に遭っていない。よかった。そんな思いをするために人を責めるのは間違っていると思います。

どんな人にも事情があるのです。そのような背景まで考えてから発言をするように気をつけたいものです。言葉は人を傷つけもするし、癒しもします。

ちょっとした考え一つで人を救うことができるのであれば私は言葉を癒しに使いたいと思います。

被害者を責める人は言葉を武器に使っています。傷つけるのではなく、癒す側に回れるようさまざまな人の心理を知ってもらいたいと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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