見出し画像

牧野先生にあきれられます


先日公園を歩いていた時のこと。夫が「アジサイ真っ盛りだね〜」と呟いた。
若い頃は草花に全く興味がなかった夫でも、やっぱり年をとってくるとおじいさんらしくなるものなのだなぁ。とおばあさんもしみじみ、
していたら、次の言葉にびっくりした。
「ここのはまだ真ん中が咲いてないからもうちょっとだね」。

夫が見ていたのがこれ。

真ん中がもうちょっとと言われた方々

夫は、これがこの後

こうなると思っていた。
「おもしろい冗談言ってるつもり、なのかな?」
と言うと、きょとんとしている。
なんと、夫はガクアジサイはアジサイの咲ききっていない状態だと62年間疑わずに生きてきたらしい。

草花音痴という言葉があるのかどうかは知らないが、あまりの知らなさっぷりに驚く。
以前も十五夜の日に空き地でススキ採ってきてと言ったら、メヒシバを手に帰ってきた。

義母は牧野富太郎の植物図鑑を昔から大事に読み返し、植物検定の何級だかを持っている。
義父も草木が好きで定年退職後、区のシルバー人材センターの植木職に登録して修行を積み、10数年第二の仕事に勤しんだ。
そんな両親の遺伝子を、夫は全く受け継いでこなかったようだ。
小さいころからカブスカウト・ボーイスカウト活動をし、大人になってからもスカウトのリーダーをしていたのだが。
スカウトって野外活動の一環で植物にも精通してるんじゃなかったっけ?

先日、小型飛行機の墜落後赤ちゃんもいる子どもたちだけで40日間アマゾンのジャングルを生き延びたニュースがあった。子どもたちは先住民ウイトト族で、最年長のお姉ちゃんはまだ13歳。
でも幼いころから親や年長者から教わってジャングルの植物に精通し、サバイバル術を自然と身につけ、下の子の面倒も日常的にみていた。
なんという生命力。
墜落後はまだ生きていた母親の死を看取り、その後赤ちゃんを抱き弟妹たち一人も見離さず、草でシェルターを作り木の実や果物を食べて生き延びていたなんて、すごすぎる。

ガクアジサイから飛躍してしまったが、草花を知っているっていうのは現代社会では趣味や楽しみだけれど、原始的に考えると生存に大切なことだったのだな。
毒はないか、食べられるかどうかの知識って大事だものなあ。
毒キノコや、ニラと間違えて水仙の葉っぱで食中毒とか、私も他人事ではない。
夫のことは言えないのだった。
アヤメとショウブとカキツバタの見分け方、何度聞いても忘れてわからなくなるし、タイサンボクとホオノキがすぐごっちゃになる。

いい香りがする方がタイサンボク…でしたっけ?

葉っぱが大きい方が料理に使えるから
こっちホオノキ?

とか書いてて、昔撮った写真見てもやはり混乱している。
牧野先生に「何を言うとるですがろうじゃ」(すみません、想像土佐弁)
とか言われそうです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?