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親の老いに向き合う - おばあさんは布物が大好き

 また老母の様子見に実家に帰ってきている。今回は遅れてお盆休みを取る夫も後半に1週間合流する予定。
夫が私の実家に来る際は、夜は一人市内のホテルに泊まることにしている。
婿がヨメの家に泊まるとなると、双方色々と気遣いもありお互い疲れてしまうので。
 しかし今回は諸事情あり1日だけ実家泊ということになった。
そのため数年使っていない客用布団を干しておかねばとなったのだが、押し入れから出すのが一苦労。

 実家はL字型平屋の4LDKで、地方の家にしてはコンパクトでそっけない造りだ。でも昭和家屋なので収納は各部屋にたっぷりあり、3つある縁側にも押し入れや納戸がある。
余裕があった収納場所も、父亡き後母がどんどん物を詰め込み始め、今やどこもギチギチだ。

 客用布団は座敷の縁側の大きな押し入れに何組も入っているのだが、前回7月の帰省時に生花教室の道具を縁側に移したため、ものすごく取りづらい状況になってしまった。廃棄にハードルが高い剣山の山もまだそのまま。これをうっかり踏んだりしたら、リアルな地獄絵図だ。
この際客用布団のうち2組だけ、取り出しやすい座敷側の押し入れに移動することにした。

 が、座敷の押し入れには当然目一杯先客が入っている。下の段はものすごく分厚い客用座布団が沢山。上の段にはお中元・お歳暮、内祝いの熨斗がついたシーツやタオルセット、毛布の箱がテトリス状態でみっしり。

箱に入ったままなのにあまりにも年数が経ちシミがついている物は捨てようとしたら、「それは家で使う」と言い張る。
家用のシーツはきれいな新品が何組もスタンバイしているのだが、絶対に捨ててはいけない!
と譲らない。「漂白剤で洗えばシミも落ちるんだから」と言うが、たぶん、いや、絶対にやらないだろう。
着物とか服とかタオルとか、布物についてはすごく執着があり捨てさせてくれないというのは過去の片付けでわかっていたので、「はいはい、そうですか」と素直に引き下がった。

母を説得し、きれいな状態の物はバザーに出すことにして仏間の縁側に移動(ここは既にバザーに出す物専用スペース化している。コロナで数年バザーも開催されないので溜まる一方)。

レース類が詰まった箱も何個もあり、それも全部持って行こうとしたら、「あっ!レースはダメ!バザーに出しちゃダメ!それはそのうち全部使うんだから」と譲らない。
いや、お母さん、レースがあったこと今の今まで忘れてたでしょ?

いつの間にこんなに集めた?
父は家の中を飾り立てるのを好まなかったのでカーテン以外レース小物が部屋のどこかにあった記憶がない。
でも母は「レースはきれいでエレガントだから♡」と、箱から出して広げてうっとりしている。その中のいくつかは、やはりシミがついたり変色したりしているのだが。
千代紙とか紙ナプキンとかハンカチとか、使うあてがなくてもコレクションして時々眺めて楽しむという気持ちはわかる。
ということで、レースの箱は全てまた押し入れに。他にも母が一時期凝っていた刺繍作品も残らずキープ。
でもしまった時点でまたすぐに忘れちゃうので、母が自分からこれらを出して愛でることはこの先ないだろう。

以下は押し入れの奥から発掘されたおまけ。

作った記憶はうっすらある

私が小学校高学年か中学の時に作ったミニクッション。

こっちは技術の未熟さから小学3、4年生ごろの制作?夏休みの工作か何かだったのかな。
よく覚えていない。

ネコですか?

特に思い入れがある物ではないし、かなり汚れているので「捨てるね」と言ったら、母、こちらは全く関心がないようで「どうぞ。」とあっさり。

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