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ドーム映像作品『HIRUKO』感想

舞踏家最上和子さん出演、飯田将茂監督作品ドーム映像作品『HIRUKO』、アフタートーク押井守監督、感想メモ

プラネタリウムで映像作品体験

こちらの作品はギャラクシティ 2Fプラネタリウムで開催されたフルドームの映像作品です。

・初めての映像体験で3Dメガネをかけてないのにすごく立体的で、観ているだけなのに体がぞわぞわした。

・映像に触ってみたくて思わず手を伸ばしそうになった。誰もいなかったらやってたと思う。

・映し出された顔や魚が実物以上に大きくて現実感がないはずなのに妙にリアルで不思議だった。音も関係してるのかなと思う。

・最上さんの動きがとても静かでゆっくりなのに緊張感があってその空気が伝わってきた。
前に能のドキュメントで、演者はとても静かな動きだけど心拍数は200近くて実はすごい運動量だというのを思い出した。

・魚の場面は水っぽい感じがしたり、顔の場面は息がかかりそうな感じがしたり、最初の場面は目が回りそうになったり、空気を感じるような体験は後のトークセッションで押井監督が仰っていたフレームがないからということだったんだと納得。確かに日常にフレームないよね。でも気づけばスマホ、テレビ、パソコン全部フレームだし、インスタとかどう美しくフレームの中に収めるかを考えているから限定して風景を見てるんだな。

フレーム外の事は究極どうでもよくて、綺麗に見えるデータだけ残ればいいもんね。これは多分写真や映像だけの話じゃないと思う。また改めて考えよう。

・最上さんの衣装綺麗だった。最上さんも仰ってたけど真上から初めて人を見たから不思議な感覚。人魚感あった。

・音もよかった。映像から響いてくる様だった。

<トークセッション>
飯田監督、最上さん、押井監督の話が本当に面白くて大学の授業になりそう。
4時間くらい聴いていたい。

・飯田監督
過去の作品も気になるし、撮影の時からドームでどう映るか計算して撮ってるのかとか気になった。
前に美術の先生が静物画を描くときは実物以上に大きく描いてはいけないと言っていて、でも私は描いてしまって案の定あまりいい出来ではなかった事を思い出した。今回魚のアップがすごくリアルで、絵画とは違うと思うけど、それがなんでなんだろうと思ったら、自分が魚に寄って見た時の感覚に近いのかなと。

・最上和子さん
映像や写真で姿を撮られる時はいつも自分が表したい事は写されないと仰っていた。同じ空間で体験しないと。
内面を表現、観客と共感。
観客側として、共感について聞いてみたかった。演じていて共感できたと感じる瞬間ってどういう感覚なんだろう。
多分客側も集中したり過去の経験を呼び起こされたり、ハマる瞬間があるんだと思うけど、観る側の訓練も必要なんだろうなと思ったり…
舞踏観てみたいです。

・押井監督
映像のフレームについての話が面白かった。言われてみたら本当にフレームで世界を認識しているし、そにハマっているからストレスなく物事が見れて、他のことが考えられるけど、フレームなかったらどこみていいかわからないし、疲れる。いちいち自分で選択しないといけないのがストレスなんだろうな。

🐟に興味があるというお話も面白かった。魚はあちら側。水の中を生きるって確かに別の世界の生き物だ。体温も違うし。

もう一度観たいです。ところでHIRUKOってどういう意味かなと思ったら、日本の神話に出てくるイザナミ、イザナギの間に生まれた手足がない子で船に載せて流されたという話が…どろろの百鬼丸じゃん


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