大人になると、注意されなくなる。

よほどのことがない限り、「その言動はやめたほうがいいよ」なんて、公私ともに言われない。

たとえ「よほどのこと」があったとしても、言語化して伝えた自分が「なーにをエラそうにっ」と思われたり、恨まれたりしても嫌だし……ということで、そっと見て見ぬふりをする。

私は片手で数えられるくらいには、他人に注意をしたことがあるけれど、たいていは「反面教師にしよう」と“インプット的傍観”をしてきた。

逆に、自身の振る舞いも他人から傍観されてきたはずで、「池田さん、その言動はやめたほうがいいよ」という言葉を飲みこんできた人も数々いるだろう（今後はむしろ注意してほしいです。注意される機会がないので、ありがたく受け止めます）。

互いに「それはしちゃダメ」という物差しは違うから仕方ない、といえばそれまでの話。

ただ、「自分は誰からも注意されない」という現実は、常に頭に置いておいたほうがいいと考えている。

特に私のように、小さな会社でも「代表者」という肩書が付いてしまうと、立場がある人のように思われ、まったくと言っていいほど注意されなくなる。会社で役職についている人や独立している人も同じようなものだろう。

注意されないから、行動が変わらない。行動が変わらないから、現実が変わらない。この手の流れはあると思う。

もちろん、注意されなくても自身の行動を省みて、現実と照らし合わせて、この行動は変えようと実行に移せる人もいるだろう。

ただ、そんな人ばかりではない。

自戒を込めて、私自身も「誰からも注意されないんだ」と言い聞かせ、自分の振る舞いをできる限り客観視し、よろしくない行動は変え、現実をより良い方向へと流していきたい。