職業、女。#18 「比べない」は幸せをつくるもと

 「女がたくさん集まるといろいろあるのよ」

 つまり、大変ってことよ。大人の女性がそう言うのをぼんやりと聞く。はぁ、いろいろあるんですねぇ。

 そのとき、心から共感できなかったのは、私が「同性で群れること」を避けてきたせいかもしれない。

 「女友達ZERO時代」で、大人になってからは同性と楽しく関われるようになったと書いたものの、大勢で集まるのは今も得意ではない。1〜3人くらいの少人数で親睦を深めたい派である。

 加えて、誰にどう思われるかといった考えはとうの昔に捨て去り、明日死ぬかもしれないのだし、自分が思うように生きていけばいい(他人に迷惑をかけない範囲で)という思想も関係していそうだ。

 別の女性はこう言う。「女の活躍を妬むのも女なのよ」

 へぇ〜、そうですかぁ。間の抜けた、バカみたいな返事をしてしまった。3年未満で会社員をあがったせいか、そんなふうに感じた経験がまったくないのである。独立してからも、女性から妬まれたり疎まれたりした記憶はない。同じく、男性からも、である。

 図太いだけなのか。鈍感力が高いだけなのか。それとも私には人から妬まれる要素がリアルに一切ないのか(それはそれで、ちょっと残念な人みたいだけれども)。真相は謎に包まれている。

 かの「マウンティング」も私には縁遠い概念だ。どうして他者と自分とを比べて順位づけたいのか? そこにどんな意味があるのか? 生産性は? 幸せになれる? なんで、なんで、と考えていたら朝になるよ。

 女同士が集まって生まれるゴタゴタは、他者との比較が大いに関係している、とはわかった。「比べること」には中毒性があるのだろうか。比べない人生はストレスとは無縁で、ずいぶん楽しいのに。「こっち側」でお待ちしています。

 

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