見出し画像

2019/1/30の日記「アンタ、すげえムカつくわ」

夜、私は後楽園ホールにいた。越中詩郎さんデビュー40周年記念興行(侍祭)を見るために。メンバーは元力士と彼の幼馴染と私の3人。

最後のセレモニーで、長州力さん武藤敬司さんや天龍源一郎さんが出てきて、花束を渡したのはすごかったなあ。プロレス界のレジェンド大集合。

終わってから3人で飲みに行き、しばらくしてふたりの共通の知人で、これまた相撲界とかかわりのある男性が合流。4人で飲みながら主に相撲の話を。

それにしてもこの日、私は数回「アンタ、喧嘩売ってんの?」「おい、ええ加減にせえよ?」「すげームカつくわ」と元力士に言った。

彼は私を苛立たせる振る舞いをする、実に珍しい人。基本的に私の周りには私の気持ちを逆なでる発言をする人はいない。これまでほとんどいなかった、というのが正確な言い方になる。

私は真面目だし、外見からしても地味で真面目に見えるようだし、イジってくれる先輩がいた新卒時代を除いて、誰もそういうことを言ってこない。イジり甲斐がない人間。

だから、原則、私は穏やかな人として、声を荒げることもなく、「おい」とか「アンタさあ」とか言う機会がなく、20代半ば以降の時間を過ごしてきた。

でも、彼は違う。苛立つことをガンガン、ナチュラルに言ってくる。それこそ不思議なくらい、悪意なく言う。

以前DRESSで、エマちゃんさんに「いい男の本命になるのは、ワガママな女と怒れる女」という記事を書いてもらった。これを編集していて、私は男に対して、怒りを露わにした経験が人生で1回くらいしかないな、と気づいた。

元夫に対して激ギレしたことがある。でも、多少イラッとしたり傷ついたり「あ?」と思ったりしても、目の前の男に嫌われたくないと思うあまりに、感情を表に出すのを我慢していたし、言いたいことも言わずに飲み込んで生きてきた。

でも、これを読んで、怒るべきことは怒らないとと思い、それからは関わりのある男たちに対して、苛立つことを言われたりされたりしたら怒るし、毅然とした態度でハッキリものを言う練習をしてきた。まあ、この記事が出た9月中旬以降から、だけど。

きちんと怒りやその他思ったことを感情表現することで、まったく不都合はなかった。むしろ「ハッキリしてて良いですね」「サバサバしていますね」とか言ってもらえるし、自分のことを大事にしている実感がある。昔はいかに自分を粗末に扱っていたか、と思うほど。

話を戻すと、彼はとっておきの練習材料になる。本当に時折イラッとすることを言ってくるから、「キタ、キタ……」と思って、怒りと「ふざけんなボケ」的な思いを言葉にする。

彼といるとき、6割くらいは平常時の私で、4割くらいはいつもとは違う私がいる。でも、不可思議なことに、荒い口調の自分があまり嫌いではない。のんびりしている自分もいれば、けっこうキツい性格の自分もいるなあ、と新たな分人を発見したような感覚があって。

すべての出会いには何らかの意味があるなあ、と思ったのだった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?