実力者なのになぜ彼への声援は少ないのか、とか考えるのもプロレスの面白味【プロレスを観よ#5】

プロレスを観ていると、考えることが多いです。ファン歴が1年半と浅い私の場合、技や技の名称は勉強中の身であるため、「なぜあのとき、あの技を繰り出したんだ?」と考えることは少ないです。まだそのレヴェルに達していない、というのが正直なところ。

それよりも、なぜ? と考えるのは、各選手の表現(技や肉体そのものはもちろん、佇まい、待機しているときの姿勢、表情、声など)と、それによって観客がどう反応しているか、です。それぞれを別々に考えることもあるし、併せて考えることもあります。

たとえば、試合を観ながら、こんなことを考えています。すぐに答えが出るわけではないので、メモすることもあります。

・プロレスは相手の技を受けるのが前提の競技ではあるけれど、あまりにも受けの比重が大きすぎる選手。なぜ攻撃しないのか。なぜ徹底的にヤラレキャラを貫くのか。それでも観客は声援を送っている。なぜ?

・超大物なのに観客のリアクションは少ない選手。その人が勝っても、別の選手が勝つときと比べて沸かない(ように見える)。そつがなさすぎるからか。「身近感」がないからか? レジェンドとして神格化されすぎている?

・パワーもあり、飛ぶこともできる選手。上背はないが筋肉の付き方は今風で節制していることが伝わってくる。でも人気がない(ように見える)。器用貧乏なのはウケないのか?

・技に説得力のある選手とない選手の違いは。体格の良さは音や衝撃など、技の説得力につながるが、体の小さめな選手でも説得力のある技を繰り出す人はいる。その決定的な違いはなんなのか?

最近は、なぜその選手に惹かれるのか、なぜその選手に惹かれないのか(むしろ戦い方が好きと思えないのか、自ら声援を送ろうとしないのか)、その理由も考えるようになりました。

自分の好き嫌いという強い感情が、いったいどんな要素をもとに成り立っているのか、プロレスを通して少しわかるような気がします。プロレスラーにはさまざまなタイプがいて、個性あふれる人たちの集団だからこそ。

激しい戦いを観るのも楽しいし、ユニット間の抗争やビッグマッチ後の展開を予想するのも面白い。華やかな技、無骨な技をこの目で見つめて、超人的だなと感動するのも良い時間です。

いろいろな楽しみ方があるプロレス、2018年も堪能しつつ、まだ観てない人たちにも、一度観てみてよと伝える活動を微力ながらしていきたいと思います。

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