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AVアンプの開発現場に潜入!『STR-AN1000』開発者インタビュー

ソニー広報部のAndyです。

今年ソニーから満を持して、マルチチャンネルAVレシーバー『STR-AN1000』が発売されました。ソニーの新しいAVアンプを心待ちにして下さっていたお客様に、自信をもってお届けすることができ、関係者一同喜びを噛みしめています。

今回は『STR-AN1000』の開発者が、何をめざしてどのように音作りをしていたか、また大切にしているモノなど、AVアンプの試聴室で開発者の二人に
話を聞きました。

ソニー(株)『STR-AN1000』開発者 
(左) 鈴木 隆史さん 、(右)佐藤 正規さん

◇『STR-AN1000』でめざした音とは?

佐藤さん:今回若手の鈴木さんと初めてペアを組み、『STR-AN1000』の
設計をしました。複数人数で音の設計をする場合は、”音”や”音楽”に対する捉え方について意思疎通を図り、音の方向性を一緒に見出していくことが
とても大切です。鈴木さんとは時間をかけて意思疎通を取り、議論を重ね、
”現代の音楽をスピード感ある音で再生していく”ことをめざして一緒に設計をしていきました。

ソニーがめざす音の方向性のベースとなるものはありますが、鈴木さんとめざしていった音の方向性は、過去ベテラン設計者と一緒にめざしていった音の方向性とも少し角度が違います。ですので、過去のAVアンプの音と『STR-AN1000』の音は、異なった仕上がりになっています。鈴木さんと一緒に設計をしたことで、”新しい核融合”が起きたと思っています。

私はハイレゾ創成期にステレオアンプの設計もしていたので、そこで培った開発技術も『STR-AN1000』の基本音質に生かされています。それはステレオ再生だけでなく、立体音響の音質にも良い影響を与えたと思います。
是非皆様に、ソニーの新しいAVアンプの音を聴いて頂きたいです。

音質検討の様子
『STR-AN1000』のめざす音の方向性について、何度も議論を重ねました

◇ 大型電源トランスの開発や部品の音を聴き分ける!?こだわり抜いた音質設計

鈴木さん: 前機種からさらなる音質のグレードアップをめざし、今回大型の電源トランスを開発しました。電源トランスは音の”肝”になる重要な部品のため、部品メーカーと電源トランスの音質改良のための検討を、音質に納得するまで繰り返し行いました。

この検討の中で、電源トランスを構成する素材を音質観点で選択したり、製造工程に大幅な音質改善に繋がる独自の工夫を施しています。これにより豊かな低音や繊細な高音、さらにはより高い空間再現性を実現し、前機種を大幅に上回る高音質な電源トランスを開発することが出来ました。

新規開発の大型電源トランス
電源トランスは音の”肝”になる重要な部品のため、
部品メーカーと電源トランスの音質改良のための検討を
音質に納得するまで繰り返し行いました

また、『STR-AN1000』の開発時は半導体など様々な部品がひっ迫していたので、以前使っていた部品を調達することが出来ず、異なるメーカーの部品の中から使用する部品を選ぶ必要がありました。普通の電気設計ならば、同じスペックで必要な評価が済んだ部品であれば異なるメーカーの部品も採用できますが、オーディオ製品の設計ではそうはいきません。

部品のスペックが同じでも、メーカーが異なると多くの場合、音質が変化します。音質の変化には良い悪いだけでなく、“個性“があります。このような変化を部品単位で1点1点、部品の音を確認するためのシステムで試聴し定性的に把握して理想的な部品を選んでいきました。

さらにその選んだ部品を1種類ずつ開発中の製品に組み込んでは音を評価するという膨大な回数の試聴を行い、部品ごとの“個性“が上手く調和するよう、音質にまとめ上げていくことに全力を尽くしました。

 部品の音を確認するためのシステムで、部品の音を試聴する様子 
部品の音を聴き、部品ごとの”個性”が上手く調和するように
音質にまとめあげていきました

◇  AVアンプエンジニアが大切にしているモノとは?

佐藤さん:AVアンプを設計する”人”も大事ですが、開発を支えているのは”試聴室”です。音の良いAVアンプを開発する上で試聴室は、大きなウエイトを占めています。試聴室の音は、温度や湿度、試聴室にいる人の人数によっても音が変わるので、試聴室の環境を常に良い状態にしながら開発することがとても大切です。

試聴室は音質を判断するための測定器のようなもので、我々が音質評価をする時に座る場所も決まっていて、いつも同じ場所で音を聴いています。ベテラン設計者と一緒に作った音と今回我々が作った音は違いますが、同じ環境・基準で音を作り続けているので、ソニーらしい音を作り続ける事が出来ていると思います。
 
オーディオ製品を作るときは、評価するための測定器としての試聴室を自分達で用意出来なければならず、その環境を整える技術の要求レベルが途方もなく高いです。試聴室を整備する能力は、エンジニアの技術力であるとも言えます。

この試聴室は、AVアンプ設計の長い歴史と伝統の中で、製品の開発技術と共に脈々と受け継がれてきました。ソニーにとってはとても大切な財産なので大事に受け継ぎ、この試聴室で良い製品を作り続けていきたいと思います。

音質評価中の様子
座る場所、試聴環境は常に同じにして音質評価をしています
AVアンプのエンジニアが、ソニーの財産と語るAVアンプの試聴室
この試聴室で数々のAVアンプが開発されました

◇ ソニーストアイベント「STR-AN1000 開発者トークショー」のお知らせ

10月14日(土)よりソニーストア 大阪を皮切りに、ソニーストア 名古屋、ソニーストア札幌、ソニーストア 銀座、ソニーストア 福岡天神にて、「STR-AN1000 開発者トークショー」を開催します。製品開発に込められた想いや開発の裏側など、開発者がお話しをしながらデモンストレーションを行います。是非お近くのソニーストアで、ソニーの新しいAVアンプの音をご試聴下さい!

◆マルチチャンネルAVレシーバー「STR-AN1000 開発者トークショー」日程
    ・2023年10月14日(土)13:00-14:00/15:30-16:30@ソニーストア 大阪
 ・2023年10月21日(土)13:00-14:00/15:00-16:00@ソニーストア 名古屋
    ・2023年11月11日(土)13:00-14:00@ソニーストア札幌(10/17追加情報)
 ・2023年11月18日(土)13:00-14:00/15:30-16:30@ソニーストア 銀座
 ・2023年11月25日(土)13:00-14:00       @ソニーストア 福岡天神

以下ソニーストアサイトよりご予約をお申込みいただけます
執筆:広報部 Andy

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